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異世界無双!1000対俺
戦争と言う名のFPSシューティング
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どうやら敵側も動き出してきた。
それを知りつつも大地は前進を止めない。大地が敵の姿をしっかり視認できる距離まで縮まると、大地は徐に敵の軍に向かって駆け出した。
「相手は一人だ全員かかれー!」
ゲルゴスがそう叫ぶと兵たちも「うおおおおおおおおおおお!!」と地面に響くほどの雄叫びをあげながら走り出す。
そして、一番早く大地へ近づいた兵士はその剣を振り下ろした。だが、大地は簡単に避けると相手の鉄の鎧に向かって引き金を引いた。
――パン!
大勢の兵士たちが鳴らす音よりも小さいその音は確実に兵士の心の臓を撃ち抜いた。
あのフルネールさん?ナレーションみたいに言うやめてくれるか?それに殺してもいないんだけど。
つい……。今砦の屋上にいるんですけどボッチの大地さんが寂しそうに見えたから応援もかねて。
ボッチじゃねえよ!
そうですよね!何時でも私と繋がってますし……リリアちゃんからもお願いされてますからね!
……まぁそうだけどよ。
最初の兵士は電気により気絶していることを確認すると指輪を向ける。指輪から光が放たれると次の瞬間には兵士が消えていた。
大地さんなんて事を……人を消すってどんな気持ちですか?
人聞きが悪いこと言うなよ。ただ送っただけだから!
あの世に?
砦前に!!
ふふ。知ってます♪
何て事を言うんだと思いながらフルネールを無視しようかと考えながら次の兵士が来ないか回りを見る。だが兵士たちは大地の回りを取り囲むだけで動いてこない。
「お、おい。今何が起きたかわかるやついるか?」
「いや、全く見えなかった。な、何をしたんだ!?」
大地のハンドガンINショック弾にびびっているらしい。警戒するのは良いが、彼らが一つだけ致命的な失敗を犯している。それは、今の距離も大地の攻撃範囲と言うことだ。
両手にもった拳銃を大地は兵士に向けて撃ちまくる。
――パン!という音がなる度に隣の奴が倒れていく。速度が早すぎて何が起きているのか全くわからない。
「う、うわああああああああ!!」
それでも、恐怖からか大地に向かって走ってくるやつがいる。目の前の男が振りおろす袈裟斬り。それを避けてからくる背後からのなぎ払い。そして真横からくる切り下ろし。
一人の兵が仕掛けたことによって他の兵も動き出した。だが、剣が当たらない。完全な死角からだろうと後ろに目があるような動きでさけられてしまう。
そして攻撃が外れた瞬間、バチっと電流が走って意識を失っていく。
大地さん右後ろから来てますよ!あと同時に左からも来てます!
あいよ!
フルネールの助言をありがたく拝聴しながら兵士の位置を正確に把握した大地は簡単に避ける→撃つ→送ると流れ作業のように進められる。
「仕掛けてきたわりには雑兵ばかりか」
そんな大地の言葉に回りの兵は憤慨するのだが、その兵たちを割って入ってくる人物が一人。
「へぇ、お前一人でよくやるね」
紫色の髪を逆立たせ、手には長い槍を握った男が目の前に現れた。
「その変な武器から何かを飛ばしてるんだろ?カラクリさえわかれば大したもんじゃないぜ。撃ってこいよ」
「それじゃあ望み通りに」
そう挑発してきた男に向かって銃を構えて引き金を引く。
音と共に銃口から火花が弾け弾丸が回転しながら真っ直ぐに男に向かって飛ぶ。だが、その弾丸の起動を見たのか、或いは感じたのか。男が絶妙なタイミングで槍の剣先で切り裂いた。
その瞬間、電気が槍を伝って男を感電させて倒れた。
「カラクリわかっていなかった見たいだな」
不適な笑みを浮かべると回りの兵士たちが同様を露にする。
「嘘だろ!?Sランクハンターがこんなあっさり倒れるなんておかしいだろ!?」
「何なんだこいつは!?この数相手に化け物かよ!?」
***
――戦場から離れた砦前。
戦争の先行きを見守っているユーナが心配そうな顔をした。
「ね、ねぇあなた。ダイチさんは大丈夫しょうか」
あまりにも多勢に無勢なのだ。自分たちでさえ全員を殺す事は出来ても全員を捕らえる事は出来ない。無茶なのは大地だってわかっているはずなのだ。しかし現に今、次々と兵士が送られ続けている。
「……どうかな。ただ、はっきりしているのはダイチは俺たち二人よりも強い」
腕を組みながら次々と兵士が襲い掛かっている大地を見ながらベルヴォルフが答えると更に横に並んでいるレヴィアが言う。
「当然よ。だって私相手に手加減した人よ」
クスリと笑いながらレヴィアは続ける。
「人間相手に私は勝てないとは思ってもいなかったわ。休まず来られるのは辛かったけど一人だけなら絶対に負けない。そう思ってたのよ?大地に出会うまでは……ね」
攻撃は避けられ、手加減されながらも自身を傷つける事が出来る攻撃力。更にはレヴィアの最終奥義まで完全に防ぐほどの人間だ。その辺の雑魚に負けるはずがない。
「そういえば……レヴィアの正体を知らないんだが。教えてくれないのか?」
ベルヴォルフがそう聞くがレヴィアは顔は動かさず瞳だけを動かして二人を視界に入れながら淡々と答える。
「嫌よ。なんで契約者でもないアンタに教えないといけないのよ」
「でもよ。もし何かあった時にフォローしてやれないぞ?」
「私がアンタに?弱いくせにイキがらないでくれる?」
ガキと言われたことに根に持たれているのかベルヴォルフには素っ気無くレヴィアは返す。彼女からしたら『口をきいてもらえるだけありがたいと思いなさい。』といった感じなのだろう。
「ねぇレヴィアちゃん?」
撃墜されたベルヴォルフの代わりにユーナが声をかける。
「もし、何かあった時に困るのはレヴィアちゃんだけじゃなくてダイチさんやフルネールさんなのよ?」
二人の名前を出されてしまえばさすものレヴィアも「ぅ……」と唸るしかなかった。
「だから私達に教えてくれないかしら?ちゃんと力になる事は約束するから」
優しい声でそう語りかけるとレヴィアは少しだけ考えてから答える事に決めた。
「……わかったわ。でも正体を知ったからと言って襲ってくるのはやめてちょうだいね」
そう念押しするレヴィアの言葉に二人は頷く。それを確かめた後、レヴィアは再び口を開いた。
「私は貴方たちが言うリヴァイアサンよ」
二人はその衝撃の告白に瞳をぱちくりさせる。
「おいおい嘘だろ」
「えっと、本当なのよね?」
レヴィアは頷くと「嘘を言うわけないじゃない。それとも」と言ってから瞳を光らせる。
「戦わないとわからないかしら?この姿でも十分戦えるわよ?」
確かに本来の姿ではないレヴィアとなら何とか戦いあう事は出来る二人だが勘弁願いたいものだ。もし本来の姿になってしまったら勝ち目などないのだから。
「お前が襲うなって言ったんだろ」
「ええそうよ。だからこれは冗談よ?」
ギルド長に言葉を返す時のレヴィアはクスクス笑ってそう言った。
***
――戦場、敵軍。
ここの指揮官に任命されたゲルゴスは喜んでいた。
なにせ手薄になった国を一つ落とせば評価は爆上がりである。巨大な相手が二人いようともそれを押しつぶせるはずの人数でやってきたのだ。雑魚で足止めしてその隙に攻め落とせばほぼ勝ちが確定しているはずだった。なのに軍の進行が止まっているのだ。
「何をしている!?何故、止まっている!?」
「それが先ほどの男がよほど強く……手も足も出ていません」
その情報はゲルゴスに多大な不安を募らせた。順調にいくはずの漁夫の利を得る作戦がそんな事で崩壊するのか?と。
「ええい、Sランクハンターは何をしている!?」
5人のSハンター。それにそれらより強いエルフが二人。戦力としては申し分ないはずの人選なのだ。
「槍撃のベルンが既にやられてしまいました!」
槍さばきではだれにも引けを取る事はなく鋼鉄すら穿つ突きはSランクのモンスターでさえ仕留めることが出来る。そのベルンが既にやられているのだ。
「何だと!?それほどの男なら何故、情報が何一つ無いんだ!!」
あまりの兵の使えなさに激怒するゲルゴスだが、大地のランクはCであり王族、貴族にも使えてなどいない。
それ故にセインダールが調べたBランク以上の人間や王族、貴族の懐刀の情報から完全に漏れているのだ。
「お、恐らくあの男はランクがC以下なのではないかと」
「そんなバカなことが有るか!」
強ければランクは上がる。人当たりもよければ貴族にも目を付けられる。運が良ければ王族にすら仕えられる。この世界の仕組みはこれだ。あの男の強さを考えれば王族に仕えていてもおかしくはない。
であれば、その情報に含まれていないのは兵士の落ち度に他ならないだろう。
「それなら俺らが行こうか」
ゲルゴスの前に現れたのは白髪で短髪の男だ。その手には杖が握られている。そして、その隣には真っ黒の髪を頭の後ろで結わいてポニーテールにしている刀を持った女の二人である。
***
もうすでに100はやったであろう。10分の1をしょっぴいたのである。これは警察界隈であればきっと大変な功績だろうか。或いは、電気ショックという危険な方法を用いている事によって処罰の対象だろうか。
そんなくだらない事を考えながら大地は雑兵どもに弾丸をぶち込んでいく。弾が当たれば鉄を通してバンっといった感じに電流が流れて気絶する。まぁたぶん死んでない。
さすがに心臓が弱い人は戦場に来ないだろうというハチミツの様に甘い見積もりだ。
「しかしこいつら。マジで臆しやがらねえ。普通、こんなに仲間が倒れてムショ送りにされているんだから逃げるだろうよ」
そんな風に呟く大地の声に答えるように別の男の声が聞こえてきた。
「みんな。ゲルゴス将軍が怖いのですよ」
白髪の男……イケメンだコイツ!おっさんばかりの世界かと思いきやこんなやつもいるんだな。……いや、カイ青年もわりとイケメン枠か?その横にいるのは武器が刀か?
「はぁ。それでアンタはどちらさんで?」
「俺は死人形のダレン」
「私は水斬りのロア」
「「死んでもらう!」」
それを知りつつも大地は前進を止めない。大地が敵の姿をしっかり視認できる距離まで縮まると、大地は徐に敵の軍に向かって駆け出した。
「相手は一人だ全員かかれー!」
ゲルゴスがそう叫ぶと兵たちも「うおおおおおおおおおおお!!」と地面に響くほどの雄叫びをあげながら走り出す。
そして、一番早く大地へ近づいた兵士はその剣を振り下ろした。だが、大地は簡単に避けると相手の鉄の鎧に向かって引き金を引いた。
――パン!
大勢の兵士たちが鳴らす音よりも小さいその音は確実に兵士の心の臓を撃ち抜いた。
あのフルネールさん?ナレーションみたいに言うやめてくれるか?それに殺してもいないんだけど。
つい……。今砦の屋上にいるんですけどボッチの大地さんが寂しそうに見えたから応援もかねて。
ボッチじゃねえよ!
そうですよね!何時でも私と繋がってますし……リリアちゃんからもお願いされてますからね!
……まぁそうだけどよ。
最初の兵士は電気により気絶していることを確認すると指輪を向ける。指輪から光が放たれると次の瞬間には兵士が消えていた。
大地さんなんて事を……人を消すってどんな気持ちですか?
人聞きが悪いこと言うなよ。ただ送っただけだから!
あの世に?
砦前に!!
ふふ。知ってます♪
何て事を言うんだと思いながらフルネールを無視しようかと考えながら次の兵士が来ないか回りを見る。だが兵士たちは大地の回りを取り囲むだけで動いてこない。
「お、おい。今何が起きたかわかるやついるか?」
「いや、全く見えなかった。な、何をしたんだ!?」
大地のハンドガンINショック弾にびびっているらしい。警戒するのは良いが、彼らが一つだけ致命的な失敗を犯している。それは、今の距離も大地の攻撃範囲と言うことだ。
両手にもった拳銃を大地は兵士に向けて撃ちまくる。
――パン!という音がなる度に隣の奴が倒れていく。速度が早すぎて何が起きているのか全くわからない。
「う、うわああああああああ!!」
それでも、恐怖からか大地に向かって走ってくるやつがいる。目の前の男が振りおろす袈裟斬り。それを避けてからくる背後からのなぎ払い。そして真横からくる切り下ろし。
一人の兵が仕掛けたことによって他の兵も動き出した。だが、剣が当たらない。完全な死角からだろうと後ろに目があるような動きでさけられてしまう。
そして攻撃が外れた瞬間、バチっと電流が走って意識を失っていく。
大地さん右後ろから来てますよ!あと同時に左からも来てます!
あいよ!
フルネールの助言をありがたく拝聴しながら兵士の位置を正確に把握した大地は簡単に避ける→撃つ→送ると流れ作業のように進められる。
「仕掛けてきたわりには雑兵ばかりか」
そんな大地の言葉に回りの兵は憤慨するのだが、その兵たちを割って入ってくる人物が一人。
「へぇ、お前一人でよくやるね」
紫色の髪を逆立たせ、手には長い槍を握った男が目の前に現れた。
「その変な武器から何かを飛ばしてるんだろ?カラクリさえわかれば大したもんじゃないぜ。撃ってこいよ」
「それじゃあ望み通りに」
そう挑発してきた男に向かって銃を構えて引き金を引く。
音と共に銃口から火花が弾け弾丸が回転しながら真っ直ぐに男に向かって飛ぶ。だが、その弾丸の起動を見たのか、或いは感じたのか。男が絶妙なタイミングで槍の剣先で切り裂いた。
その瞬間、電気が槍を伝って男を感電させて倒れた。
「カラクリわかっていなかった見たいだな」
不適な笑みを浮かべると回りの兵士たちが同様を露にする。
「嘘だろ!?Sランクハンターがこんなあっさり倒れるなんておかしいだろ!?」
「何なんだこいつは!?この数相手に化け物かよ!?」
***
――戦場から離れた砦前。
戦争の先行きを見守っているユーナが心配そうな顔をした。
「ね、ねぇあなた。ダイチさんは大丈夫しょうか」
あまりにも多勢に無勢なのだ。自分たちでさえ全員を殺す事は出来ても全員を捕らえる事は出来ない。無茶なのは大地だってわかっているはずなのだ。しかし現に今、次々と兵士が送られ続けている。
「……どうかな。ただ、はっきりしているのはダイチは俺たち二人よりも強い」
腕を組みながら次々と兵士が襲い掛かっている大地を見ながらベルヴォルフが答えると更に横に並んでいるレヴィアが言う。
「当然よ。だって私相手に手加減した人よ」
クスリと笑いながらレヴィアは続ける。
「人間相手に私は勝てないとは思ってもいなかったわ。休まず来られるのは辛かったけど一人だけなら絶対に負けない。そう思ってたのよ?大地に出会うまでは……ね」
攻撃は避けられ、手加減されながらも自身を傷つける事が出来る攻撃力。更にはレヴィアの最終奥義まで完全に防ぐほどの人間だ。その辺の雑魚に負けるはずがない。
「そういえば……レヴィアの正体を知らないんだが。教えてくれないのか?」
ベルヴォルフがそう聞くがレヴィアは顔は動かさず瞳だけを動かして二人を視界に入れながら淡々と答える。
「嫌よ。なんで契約者でもないアンタに教えないといけないのよ」
「でもよ。もし何かあった時にフォローしてやれないぞ?」
「私がアンタに?弱いくせにイキがらないでくれる?」
ガキと言われたことに根に持たれているのかベルヴォルフには素っ気無くレヴィアは返す。彼女からしたら『口をきいてもらえるだけありがたいと思いなさい。』といった感じなのだろう。
「ねぇレヴィアちゃん?」
撃墜されたベルヴォルフの代わりにユーナが声をかける。
「もし、何かあった時に困るのはレヴィアちゃんだけじゃなくてダイチさんやフルネールさんなのよ?」
二人の名前を出されてしまえばさすものレヴィアも「ぅ……」と唸るしかなかった。
「だから私達に教えてくれないかしら?ちゃんと力になる事は約束するから」
優しい声でそう語りかけるとレヴィアは少しだけ考えてから答える事に決めた。
「……わかったわ。でも正体を知ったからと言って襲ってくるのはやめてちょうだいね」
そう念押しするレヴィアの言葉に二人は頷く。それを確かめた後、レヴィアは再び口を開いた。
「私は貴方たちが言うリヴァイアサンよ」
二人はその衝撃の告白に瞳をぱちくりさせる。
「おいおい嘘だろ」
「えっと、本当なのよね?」
レヴィアは頷くと「嘘を言うわけないじゃない。それとも」と言ってから瞳を光らせる。
「戦わないとわからないかしら?この姿でも十分戦えるわよ?」
確かに本来の姿ではないレヴィアとなら何とか戦いあう事は出来る二人だが勘弁願いたいものだ。もし本来の姿になってしまったら勝ち目などないのだから。
「お前が襲うなって言ったんだろ」
「ええそうよ。だからこれは冗談よ?」
ギルド長に言葉を返す時のレヴィアはクスクス笑ってそう言った。
***
――戦場、敵軍。
ここの指揮官に任命されたゲルゴスは喜んでいた。
なにせ手薄になった国を一つ落とせば評価は爆上がりである。巨大な相手が二人いようともそれを押しつぶせるはずの人数でやってきたのだ。雑魚で足止めしてその隙に攻め落とせばほぼ勝ちが確定しているはずだった。なのに軍の進行が止まっているのだ。
「何をしている!?何故、止まっている!?」
「それが先ほどの男がよほど強く……手も足も出ていません」
その情報はゲルゴスに多大な不安を募らせた。順調にいくはずの漁夫の利を得る作戦がそんな事で崩壊するのか?と。
「ええい、Sランクハンターは何をしている!?」
5人のSハンター。それにそれらより強いエルフが二人。戦力としては申し分ないはずの人選なのだ。
「槍撃のベルンが既にやられてしまいました!」
槍さばきではだれにも引けを取る事はなく鋼鉄すら穿つ突きはSランクのモンスターでさえ仕留めることが出来る。そのベルンが既にやられているのだ。
「何だと!?それほどの男なら何故、情報が何一つ無いんだ!!」
あまりの兵の使えなさに激怒するゲルゴスだが、大地のランクはCであり王族、貴族にも使えてなどいない。
それ故にセインダールが調べたBランク以上の人間や王族、貴族の懐刀の情報から完全に漏れているのだ。
「お、恐らくあの男はランクがC以下なのではないかと」
「そんなバカなことが有るか!」
強ければランクは上がる。人当たりもよければ貴族にも目を付けられる。運が良ければ王族にすら仕えられる。この世界の仕組みはこれだ。あの男の強さを考えれば王族に仕えていてもおかしくはない。
であれば、その情報に含まれていないのは兵士の落ち度に他ならないだろう。
「それなら俺らが行こうか」
ゲルゴスの前に現れたのは白髪で短髪の男だ。その手には杖が握られている。そして、その隣には真っ黒の髪を頭の後ろで結わいてポニーテールにしている刀を持った女の二人である。
***
もうすでに100はやったであろう。10分の1をしょっぴいたのである。これは警察界隈であればきっと大変な功績だろうか。或いは、電気ショックという危険な方法を用いている事によって処罰の対象だろうか。
そんなくだらない事を考えながら大地は雑兵どもに弾丸をぶち込んでいく。弾が当たれば鉄を通してバンっといった感じに電流が流れて気絶する。まぁたぶん死んでない。
さすがに心臓が弱い人は戦場に来ないだろうというハチミツの様に甘い見積もりだ。
「しかしこいつら。マジで臆しやがらねえ。普通、こんなに仲間が倒れてムショ送りにされているんだから逃げるだろうよ」
そんな風に呟く大地の声に答えるように別の男の声が聞こえてきた。
「みんな。ゲルゴス将軍が怖いのですよ」
白髪の男……イケメンだコイツ!おっさんばかりの世界かと思いきやこんなやつもいるんだな。……いや、カイ青年もわりとイケメン枠か?その横にいるのは武器が刀か?
「はぁ。それでアンタはどちらさんで?」
「俺は死人形のダレン」
「私は水斬りのロア」
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