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異世界無双!1000対俺
戦場に行く前に女性から渡されるものは目に見えないものほど良い
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あの後直ぐにギルドから出るとアーデルハイドの案内によって城の前まで連れてこられた。
目の前には大きな扉に全体的に白く視界に収まるわけがないほどの大きさだ。
「これから東の砦まで行くんじゃないのか?」
「結構距離があるからな。ま、ついてくれば分かる」
アーデルハイドが扉前の兵士に話かけると後ろにいる人物、大地、フルネール、レヴィア、リリア、ベルヴォルフ(ギルド長)、ユーナを見やった。
「なんか俺だけ名前の扱い変じゃないか?」
「何言っているんだ?」
ベルヴォルフの疑問をサラッと流すのはいいとして、兵士が何か俺の事じっと見てくるんだが?
だって大地さん。服装がその……。
服装?いつも通りだぞ?半袖なんてこの暑さに対してその性能を遺憾なく発揮してくれるからな!
ですけど、私もレヴィアちゃんも正装として考えても問題ないですし、ベルヴォルフさんやユーナさんはギルドの制服ですし、リリアちゃんは聖女用の服ですし、アーデは王女様ですからね。ぶっちゃけ大地さん。浮いてますね♪
……やっぱりそう思うか。まぁ買う金ないんだけどな。
「あの、アーデルハイド王女様。後ろの男は……」
あ、ついに訝しんでいた兵士が俺の事を言いやがった!
「彼は私の知り合いだ。何か問題あるか?」
少しだけ睨みを利かせてアーデルハイドが言うと兵士は即座に姿勢を正して「は!問題ありません!どうぞお通りください!」と道を開けてくれた。
そこをアーデルハイドが先頭に立ってみんなが入っていく。最後に大地が通る時、大地が兵士にしか聞こえない様に「その、すまんな」と、兵士の役割を邪魔する形になってしまったので一言だけ謝罪した。
いやまぁ。フルネールも言ってたけど普通に考えてこの服装じゃ浮いてるし怪しまれるよな。
そんなこんなで城の内部へ突入する。
「涼しいな」
「ああ、冷却魔道具を使用しているからな。この暑さだからしっかり対策しないと死んでしまうよ。ダイチ達だってさすがに宿で冷却魔導は使った事があるだろう?」
「使ったことはないんだ」
「無い何てことは無いだろう。規模は小さくてもどの宿にも設置させるように王家から言い伝えているはずなんだが」
「いや、そうじゃなくてさ」
「まさか……この暑さでも野宿しているのか?」
「アーデ。そうなんですよ」
アーデルハイドが絶句したまま1階の長い廊下を歩いていくと地下まで案内された。そしてその地下の中の一室に通される。その部屋は魔法陣のような紋様が地面に刻まれていた。
「ここはどこだ?」
「ここは転送魔法を行う専用の部屋だ。本来なら歩いて戦場へ出向いてもらうのだが、今回は人数が少なくて猶予がないからな」
「へぇ。魔法で移動と言うのは初めてだから少しワクワクするな」
「さて、時間も無いから説明を先に済ませるぞ。まず相手の戦力は大体1000人だと考えられる。一人も殺す気がないなら魔道具を使って捉えろ」
「魔道具?」
アーデルハイドがリリアに目くばせをするとリリアは指輪を掌に乗せて大地に見せる。
「これがその魔道具です。転移リングと言いまして、条件は有りますが決められた場所に人を転送させることが出来ます」
リリアの掌に乗るリングを大地は珍しそうに眺めていても説明は続く。
「条件はその人が気を失っている事です。その人に指輪を向ければ転移させることが出来ます。転移先は東の砦の前に設定していて、あと、要らない情報かと思いますが一応、東の砦から離れると機能しないので気を付けてください」
「なるほど。ところで魔道具ってコレは魔力が必要ないのか?俺、魔道具に魔力を込めることできないぞ」
「もう!だから練習しておけばいいのに」
フルネールが少しだけプンスコといった具合で怒る。
「いや、こんなに魔道具に触れる機会があるなんて思ってなかったからな。気が向いたらやるからさ」
そんな言い訳をしつつリリアの掌から指輪を受け取ろうとするとリリアが「大丈夫です」と言った。
「既に私の魔力をいっぱい注いでますから……ですから」
そう言って大地が受け取ろうとした手にリリアは開いたもう片方の掌を乗せて包みこむ。
「……どうかよろしくお願いします」
少し恥ずかしくもあるが、その真摯な気持ちが伝わってこないわけではない。だから大地はリリアに向かって力強く頷いた。
「全部期待に応えられるか分からない。分からないが全力は尽くすよ」
今回ばかりは本気でやるしかないだろう。相手は1000人いるらしいからな。
「さて、じゃあ転送魔法で送るから乗ってくれ」
そのアーデルハイドの号令に大地とベルヴォルフとユーナ。とフルネールとレヴィアがシレっと乗った。
「あれ?ネールとレヴィアもいくのか?」
「もちろんですよ!と言っても私はやる事ないから応援してますけど」
「私も当然いくわよ。大地が契約者なんだから当然でしょう?」
二人は大地にしがみついてテコでも動かんと言った様子を見せる。それに対してまぁいいか。等と思いつつアーデルハイドは「そうか」と言ってから「それじゃあ始めるぞ?」と魔法陣を起動させた。
目の前には大きな扉に全体的に白く視界に収まるわけがないほどの大きさだ。
「これから東の砦まで行くんじゃないのか?」
「結構距離があるからな。ま、ついてくれば分かる」
アーデルハイドが扉前の兵士に話かけると後ろにいる人物、大地、フルネール、レヴィア、リリア、ベルヴォルフ(ギルド長)、ユーナを見やった。
「なんか俺だけ名前の扱い変じゃないか?」
「何言っているんだ?」
ベルヴォルフの疑問をサラッと流すのはいいとして、兵士が何か俺の事じっと見てくるんだが?
だって大地さん。服装がその……。
服装?いつも通りだぞ?半袖なんてこの暑さに対してその性能を遺憾なく発揮してくれるからな!
ですけど、私もレヴィアちゃんも正装として考えても問題ないですし、ベルヴォルフさんやユーナさんはギルドの制服ですし、リリアちゃんは聖女用の服ですし、アーデは王女様ですからね。ぶっちゃけ大地さん。浮いてますね♪
……やっぱりそう思うか。まぁ買う金ないんだけどな。
「あの、アーデルハイド王女様。後ろの男は……」
あ、ついに訝しんでいた兵士が俺の事を言いやがった!
「彼は私の知り合いだ。何か問題あるか?」
少しだけ睨みを利かせてアーデルハイドが言うと兵士は即座に姿勢を正して「は!問題ありません!どうぞお通りください!」と道を開けてくれた。
そこをアーデルハイドが先頭に立ってみんなが入っていく。最後に大地が通る時、大地が兵士にしか聞こえない様に「その、すまんな」と、兵士の役割を邪魔する形になってしまったので一言だけ謝罪した。
いやまぁ。フルネールも言ってたけど普通に考えてこの服装じゃ浮いてるし怪しまれるよな。
そんなこんなで城の内部へ突入する。
「涼しいな」
「ああ、冷却魔道具を使用しているからな。この暑さだからしっかり対策しないと死んでしまうよ。ダイチ達だってさすがに宿で冷却魔導は使った事があるだろう?」
「使ったことはないんだ」
「無い何てことは無いだろう。規模は小さくてもどの宿にも設置させるように王家から言い伝えているはずなんだが」
「いや、そうじゃなくてさ」
「まさか……この暑さでも野宿しているのか?」
「アーデ。そうなんですよ」
アーデルハイドが絶句したまま1階の長い廊下を歩いていくと地下まで案内された。そしてその地下の中の一室に通される。その部屋は魔法陣のような紋様が地面に刻まれていた。
「ここはどこだ?」
「ここは転送魔法を行う専用の部屋だ。本来なら歩いて戦場へ出向いてもらうのだが、今回は人数が少なくて猶予がないからな」
「へぇ。魔法で移動と言うのは初めてだから少しワクワクするな」
「さて、時間も無いから説明を先に済ませるぞ。まず相手の戦力は大体1000人だと考えられる。一人も殺す気がないなら魔道具を使って捉えろ」
「魔道具?」
アーデルハイドがリリアに目くばせをするとリリアは指輪を掌に乗せて大地に見せる。
「これがその魔道具です。転移リングと言いまして、条件は有りますが決められた場所に人を転送させることが出来ます」
リリアの掌に乗るリングを大地は珍しそうに眺めていても説明は続く。
「条件はその人が気を失っている事です。その人に指輪を向ければ転移させることが出来ます。転移先は東の砦の前に設定していて、あと、要らない情報かと思いますが一応、東の砦から離れると機能しないので気を付けてください」
「なるほど。ところで魔道具ってコレは魔力が必要ないのか?俺、魔道具に魔力を込めることできないぞ」
「もう!だから練習しておけばいいのに」
フルネールが少しだけプンスコといった具合で怒る。
「いや、こんなに魔道具に触れる機会があるなんて思ってなかったからな。気が向いたらやるからさ」
そんな言い訳をしつつリリアの掌から指輪を受け取ろうとするとリリアが「大丈夫です」と言った。
「既に私の魔力をいっぱい注いでますから……ですから」
そう言って大地が受け取ろうとした手にリリアは開いたもう片方の掌を乗せて包みこむ。
「……どうかよろしくお願いします」
少し恥ずかしくもあるが、その真摯な気持ちが伝わってこないわけではない。だから大地はリリアに向かって力強く頷いた。
「全部期待に応えられるか分からない。分からないが全力は尽くすよ」
今回ばかりは本気でやるしかないだろう。相手は1000人いるらしいからな。
「さて、じゃあ転送魔法で送るから乗ってくれ」
そのアーデルハイドの号令に大地とベルヴォルフとユーナ。とフルネールとレヴィアがシレっと乗った。
「あれ?ネールとレヴィアもいくのか?」
「もちろんですよ!と言っても私はやる事ないから応援してますけど」
「私も当然いくわよ。大地が契約者なんだから当然でしょう?」
二人は大地にしがみついてテコでも動かんと言った様子を見せる。それに対してまぁいいか。等と思いつつアーデルハイドは「そうか」と言ってから「それじゃあ始めるぞ?」と魔法陣を起動させた。
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