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雪夜咲く、美人の笑顔に、満ち足りる
今日の天気は謝罪日より
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ギルドに入ると大地達は早速ユーナさんのいるカウンターに向かう。
「あ、やっと来てくれたんですね」
そう言って出迎えてくれるユーナさんにフルネールが片手を頬に当てて困り顔をしながら頬を少し赤く染めた。
「大地さんが中々離してくれなくて……」
ユーナがジト目で見てくる。
視線がいたいんだけど……。
あれ~。本当の事を言っただけ何ですが、何ででしょうね~?
あれ~。じゃねえよ。そんなことを言ったら当たり前だろ!
……私のスカートの中を覗いたこと。そっちを言ってもよかったんですけど……。
すみませんでした!!……おかしい、なぜ俺が謝る流れに?
しばらく待っても反応がないユーナさんが態とらしくコホンッと咳をひとつする。
「ダイチさん。あまり外でそう言うことは……しない方がいいですよ」
……この流れはもしかして……俺、変態扱いされてね?
「待ってくれ!確かに俺がフルネールを抑えてたのはそうだが、意識がしっかりしてなかったと言うか、寝ぼけていたんだ!」
ここはとりあえず全力否定しないと……死ぬ!?(社会的に)
「酷い!私の体を無理やり押さえつけて……ウ……ウウ……」
顔を両手で覆って啜り泣き始めたフルネール。
俺わかったんだ。嘘は見抜けないけど、だいたいこう言うときに泣くフルネールは完全に嘘泣きだ。と。
だがわかったところで手出しが出来ない。何せフルネールはユーナに抱き締められながら泣き真似をしているからだ。
「ダイチさん?寝ぼけていても女性を泣かせるのはどうなんでしょうか?」
「はい……すみませんでした……」
今日の俺、なんか謝ってばっかりじゃないか……もうふて寝したい……。
「あー、少しからかいすぎちゃいましたか。ごめんなさい。」
パッとユーナから離れたフルネールは大地の頭をあやすように撫でる。
「え?あれ?」
一瞬で表情を切り替えたフルネールを見てユーナは『もしかして悪戯?』という思考が過る。
「ユーナさんもごめんなさい。ちょっと大地さんを虐めてみただけなので、泣くほどのことじゃ無いんですよ」
唖然とするユーナを尻目にフルネールは状況が理解できていないリリアの視線を感じて振り向いた。
「あの、どう言うことでしょう?」
「そうですねぇ」
質問してくるリリアには少しだけ言葉を選ぶつもりで考えたあと言った。
「今日、大地さんに抱きついて寝たのでそのお話ですね。リリアちゃんも大地さんに抱きついて見ますか?きっとリリアちゃんがお願いすれば大地さんは二つ返事で受け入れてくれますよ?」
そのフルネールの不用な一言により、回りにいるハンター達がガタッと席から立ち上がる。
いや、お前ら落ち着けよ。
「あ、あはは。流石にそれは……」
苦笑と照れを足して2で割った表情をしながらリリアが断るとフルネールは少しだけ残念そうにする。それと同時にハンター達は何事もなかったように席へと座り直した。
しかし、少しずつフルネールの悪戯でリリアが動揺しなくなってきているのは進歩だな。
むー。それじゃあ攻めかたを変えるしかないですね。
やめい。
「とりあえず、ユーナさん。アーデルハイドの報酬が貰いたいんだが」
大地がそう言うと再びハンター達はガタッと席から立ち上がった。何でだよ!
「あ、あの、流石に王女様を呼び捨てにするのは……」
ユーナが恐る恐るといった感じに大地へ伝える。
「アーデルハイドが良いと言ったんだ。どんな場所であれ呼び方を変える気は無いな」
それで打ち首になったらどうするんですか?
そりゃあ。逃げるだろ?
私、リリアちゃんと離れるの嫌ですよ?
すまんな。
もう!
ハンター達は再び席へと着く。どうやら大地の言葉で納得したらしい。それでいいのか?
そうこうしてるうちにユーナさんが報酬の入った袋を二つ用意してくれた。一つは大地のであり、一つはリリアのだ。
「ありがとう」
礼を言ってから受けとる。ズシッと感じるのは久々の金の重みである。
「こちらはリリアさんのです」
「ありがとうございます」
大地と違い丁寧にお礼を言ってからリリアは受けとると、その金を魔道具らしき物の中にいれてしまった。
「何だそれ?」
「これですか?これはマネーハウスと言ってお金をしまっておける魔道具です」
まじまじと見せてくれる。全体が茶色く手のひらサイズの正方形だ。サイコロをの形を思い浮かべてくれれば良い。その四角の一面だけ真ん中に青い宝玉がついている。先程リリアはその宝玉くお金を近づけていれたみたいだな。
「へ~すごいな」
こうしてみてみると少し欲しくなってくるものだ。
「でも、大地さんが持っても意味ないですよ。すぐ無一文になるんですから」
ぐはぁっ!……タイプ1とタイプ2の弱点攻撃はやめろぉー!
「確かに……これから買うことも考えると無一文になるけどよ……」
ダメージを負った大地を何時もの事だと無視するユーナさんが伝達事項を伝えてくれる。
「そうそう、アーデルハイド王女様から次の依頼は明日からだそうですよ?こちらについては私たちを通してくれてないのでどんなのかはわからないんですけど、そう言えば二人はわかると言っていたので……」
雪山探検隊の話だというのはすぐに理解できた。
「わかった。とりあえず今日は準備に勤めるか」
「あ!それなら」
フルネールが何か閃いたらしい。こういう時のフルネールはヤバい。
「フルネール!ストーーップ!!」
後ろから手を回してフルネールの口を塞ぐ。
「今……何を言おうとした?」
私はただ……リリアちゃんと一緒に買い物しようって……提案したいだけ……なのに……。
えっ!?
ゆっくりと手を離して少し後ずさる大地だが、フルネールの目尻には涙が溜まっていた。
「大地さん酷いです。リリアちゃんと買い物いきたいだけなのに……」
今度はユーナさんだけでなくリリアまでもが大地をジト目で見てくる。視線がいたい……。
「「ダイチさん。女性を泣かせるのはどうなんでしょうか?」」
そんな風にステレオで非難の声が聞こえてくると、大地の出来ることはたった一つだ。
「すみませんでした」
床に正座をして、手は地面につき、頭を下げる。そんな見事な土下座を披露した。
「あ、やっと来てくれたんですね」
そう言って出迎えてくれるユーナさんにフルネールが片手を頬に当てて困り顔をしながら頬を少し赤く染めた。
「大地さんが中々離してくれなくて……」
ユーナがジト目で見てくる。
視線がいたいんだけど……。
あれ~。本当の事を言っただけ何ですが、何ででしょうね~?
あれ~。じゃねえよ。そんなことを言ったら当たり前だろ!
……私のスカートの中を覗いたこと。そっちを言ってもよかったんですけど……。
すみませんでした!!……おかしい、なぜ俺が謝る流れに?
しばらく待っても反応がないユーナさんが態とらしくコホンッと咳をひとつする。
「ダイチさん。あまり外でそう言うことは……しない方がいいですよ」
……この流れはもしかして……俺、変態扱いされてね?
「待ってくれ!確かに俺がフルネールを抑えてたのはそうだが、意識がしっかりしてなかったと言うか、寝ぼけていたんだ!」
ここはとりあえず全力否定しないと……死ぬ!?(社会的に)
「酷い!私の体を無理やり押さえつけて……ウ……ウウ……」
顔を両手で覆って啜り泣き始めたフルネール。
俺わかったんだ。嘘は見抜けないけど、だいたいこう言うときに泣くフルネールは完全に嘘泣きだ。と。
だがわかったところで手出しが出来ない。何せフルネールはユーナに抱き締められながら泣き真似をしているからだ。
「ダイチさん?寝ぼけていても女性を泣かせるのはどうなんでしょうか?」
「はい……すみませんでした……」
今日の俺、なんか謝ってばっかりじゃないか……もうふて寝したい……。
「あー、少しからかいすぎちゃいましたか。ごめんなさい。」
パッとユーナから離れたフルネールは大地の頭をあやすように撫でる。
「え?あれ?」
一瞬で表情を切り替えたフルネールを見てユーナは『もしかして悪戯?』という思考が過る。
「ユーナさんもごめんなさい。ちょっと大地さんを虐めてみただけなので、泣くほどのことじゃ無いんですよ」
唖然とするユーナを尻目にフルネールは状況が理解できていないリリアの視線を感じて振り向いた。
「あの、どう言うことでしょう?」
「そうですねぇ」
質問してくるリリアには少しだけ言葉を選ぶつもりで考えたあと言った。
「今日、大地さんに抱きついて寝たのでそのお話ですね。リリアちゃんも大地さんに抱きついて見ますか?きっとリリアちゃんがお願いすれば大地さんは二つ返事で受け入れてくれますよ?」
そのフルネールの不用な一言により、回りにいるハンター達がガタッと席から立ち上がる。
いや、お前ら落ち着けよ。
「あ、あはは。流石にそれは……」
苦笑と照れを足して2で割った表情をしながらリリアが断るとフルネールは少しだけ残念そうにする。それと同時にハンター達は何事もなかったように席へと座り直した。
しかし、少しずつフルネールの悪戯でリリアが動揺しなくなってきているのは進歩だな。
むー。それじゃあ攻めかたを変えるしかないですね。
やめい。
「とりあえず、ユーナさん。アーデルハイドの報酬が貰いたいんだが」
大地がそう言うと再びハンター達はガタッと席から立ち上がった。何でだよ!
「あ、あの、流石に王女様を呼び捨てにするのは……」
ユーナが恐る恐るといった感じに大地へ伝える。
「アーデルハイドが良いと言ったんだ。どんな場所であれ呼び方を変える気は無いな」
それで打ち首になったらどうするんですか?
そりゃあ。逃げるだろ?
私、リリアちゃんと離れるの嫌ですよ?
すまんな。
もう!
ハンター達は再び席へと着く。どうやら大地の言葉で納得したらしい。それでいいのか?
そうこうしてるうちにユーナさんが報酬の入った袋を二つ用意してくれた。一つは大地のであり、一つはリリアのだ。
「ありがとう」
礼を言ってから受けとる。ズシッと感じるのは久々の金の重みである。
「こちらはリリアさんのです」
「ありがとうございます」
大地と違い丁寧にお礼を言ってからリリアは受けとると、その金を魔道具らしき物の中にいれてしまった。
「何だそれ?」
「これですか?これはマネーハウスと言ってお金をしまっておける魔道具です」
まじまじと見せてくれる。全体が茶色く手のひらサイズの正方形だ。サイコロをの形を思い浮かべてくれれば良い。その四角の一面だけ真ん中に青い宝玉がついている。先程リリアはその宝玉くお金を近づけていれたみたいだな。
「へ~すごいな」
こうしてみてみると少し欲しくなってくるものだ。
「でも、大地さんが持っても意味ないですよ。すぐ無一文になるんですから」
ぐはぁっ!……タイプ1とタイプ2の弱点攻撃はやめろぉー!
「確かに……これから買うことも考えると無一文になるけどよ……」
ダメージを負った大地を何時もの事だと無視するユーナさんが伝達事項を伝えてくれる。
「そうそう、アーデルハイド王女様から次の依頼は明日からだそうですよ?こちらについては私たちを通してくれてないのでどんなのかはわからないんですけど、そう言えば二人はわかると言っていたので……」
雪山探検隊の話だというのはすぐに理解できた。
「わかった。とりあえず今日は準備に勤めるか」
「あ!それなら」
フルネールが何か閃いたらしい。こういう時のフルネールはヤバい。
「フルネール!ストーーップ!!」
後ろから手を回してフルネールの口を塞ぐ。
「今……何を言おうとした?」
私はただ……リリアちゃんと一緒に買い物しようって……提案したいだけ……なのに……。
えっ!?
ゆっくりと手を離して少し後ずさる大地だが、フルネールの目尻には涙が溜まっていた。
「大地さん酷いです。リリアちゃんと買い物いきたいだけなのに……」
今度はユーナさんだけでなくリリアまでもが大地をジト目で見てくる。視線がいたい……。
「「ダイチさん。女性を泣かせるのはどうなんでしょうか?」」
そんな風にステレオで非難の声が聞こえてくると、大地の出来ることはたった一つだ。
「すみませんでした」
床に正座をして、手は地面につき、頭を下げる。そんな見事な土下座を披露した。
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