初めての異世界転生

藤井 サトル

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王族からは逃げられない

堅固な魔法も物量には弱い

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「なぁ、アーデルハイド?」

 リリアを誤魔化したあとも歩き続けている中、大地は一つ気になったことがあり声をかけた。

「どうした?目的の場所まではまだかかるぞ?」

 先んじて言ってくれるその事も気にはなっていたものの、今、大地が気にしているのはまた別のことだ。

「いや、あれはなんだ?」

 大地は歩いてきている反対方向の上空へ指を向ける。その指の先へアーデルハイドも視線を動かすとそこには赤く光る鉱石が見える。それは知識が無いハンターでは属性石にも見える為、意識から外してしまう傾向にあるが……それこそがそのモンスターの罠だ。

 擬態――背景に溶け込み天敵からの意識を外させる技術だ。体の色や形を周囲に溶け込ませることで完成する。そして、この世界ではモンスターが人間の目をだまし、そして、油断したところで隙をついて襲う為の技術になっている。

 何度もハンターをはめてきたモンスターの知恵ではあるが、既に何度もこの場所で戦闘経験があるアーデルハイドにはそれがモンスターである事は一目でわかる。

「あれはクリスタルリザードというモンスターだ」

 アーデルハイドが音を鳴らしながら剣を引き抜きながら言った。

 クリスタルリザード――自分の体を覆う程の属性石の様な鉱石を背中に携えて擬態するモンスター。本体はほぼ平たい姿のトカゲであり属性石とモンスターを見極めるのは非常に困難である。性格は獰猛で擬態が見破られたと知るや否やすぐに襲い掛かってくる。

 アーデルハイドが剣を引き抜いたことでクリスタルリザードは自身がバレていると認識した。驚くべきはその数だ。周りの属性石の6割はクリスタルリザードで一気に動き始めた。全員がこちらに向かってくる。

「フルネール!リリア!来るぞ!」

「ひゃい!」

 リリアはその返事の後に杖を構えて集中する。

「大地さんを盾にするんで頑張ってください!」

 一方でフルネールは……俺の後ろでしゃがみこんでいる。生物を傷つけられないから仕方ないにしても言い方ってものが……いや、コイツはこれ以外だと気が抜けるか。

「あいよ!」

  大地はいつも通りにハンドガンを召喚するとそのまま速射する。弾丸はまっすぐクリスタルリザードの鉱石へと命中するが、その弾丸が貫くことはなく弾かれてしまった。

「げ、なかなか硬いのか」

「それがダイチの武器か。何か小さいものを高速で飛ばしているのか?」

 一発撃っただけである程度把握したのかアーデルハイドが横目で大地が持つハンドガンを見る。

「一目見ただけで良くわかるな」

「それくらいはな。構造までわかれば誇れるのだが……ただ、それではあのモンスターとは相性が悪い見たいだな」

「全くだ。仕方ないから武器を変えるか」

 このままでも問題はない。だけど、そう、せっかくだからロマンある武器で戦うのも一興だろう。

 ハンドガンを消して次の武器を召喚する。

 全体の形としては長銃に分類されるだろう。スコープが付き、銃の側面についている取っ手を引くことでリロードが行えるスナイパーライフル。

 前回だしたスナイパーライフルの一つアンチマテリアルライフルと比べると威力は格段に下がるが、あのモンスターを倒すには十分だろう。

 そして、弾丸にも一工夫している。
 大地は再び銃を構えスコープを覗く。クリスタルリザードをスコープ越しに捉えると引き金を引いた。

 音をな鳴らしながら銃口から弾丸が発射された。弾丸はクリスタルリザードの鉱石に中った。その瞬間、弾丸の中にある火薬が爆ぜてクリスタルリザードの背中にある鉱石が粉々にくだける。これで本体が丸見えになり期待通りの結果に大地は「よし!」と呟いた。

 大地のスナイパーライフルに込められた弾。それは炸裂弾と呼ばれる弾丸だ。弾丸がなにかに衝突すると内部の火薬が破裂する仕組みだ。

「アーデルハイド!やれるか!?」

「当然だっ!」

 アーデルハイドは自己強化の魔法が使える。力を速さを防御を何倍にも高められる魔法だ。
 クリスタルリザードの鉱石なら力を高めてまとめて砕くつもりだったが、大地が鉱石を壊したお陰で柔らかい本体だけなら力を高める必要はない。

 自信の速度だけ上げるとアーデルハイドは本体だけになったクリスタルリザードへ一瞬で飛び付くとそのまま切り裂いた。

 その逆方向から来ているクリスタルリザードが顔を出して口を大きく開いた。

「リリア。左から来ているモンスターが何かしそうだ。防げるか?」

「はい!」

 そのやり取りの後にクリスタルリザードの口から火球が発射される。その火球の先にいるのはリリアだ。だが、リリアにその火球があたることは無い。砂漠の地下で使用した魔法の光の壁をドーム状に素早く展開する。その壁に当たった火球は壁を壊すことなく霧散した。

 だが、火球が来るのは1発2発ではない。続けて何発もの火球が飛んでくる。集中砲火を受け続け辺りは炎と熱風に包まれ視界が遮られつつある。

「ダイチさん!構わず攻撃してください」

「そんなことしたらリリアの魔法に当たるんじゃないか?」

 その大地の懸念を待ってましたと言わんばかりにリリアは得意気に言う。

「大丈夫です。私の魔法はすごいんですよ?」

 そこまで言うならリリアを信じる他なく大地は狙いを定める。火球の隙間を縫うように発射した弾丸は次々とクリスタルリザードの鉱石へと中り粉々にしていく。

 すげえな。俺の弾丸がすり抜けるのか。

 背中の鉱石を破壊されたクリスタルリザードは一瞬だけ怯む。その怯んだ隙をアーデルハイドは見逃さない。一撃離脱。一刀のもと切り伏せてはすぐにその場から離れクリスタルリザードの標的にならない様に速駆け出す。

 大地が守りを崩し、アーデルハイドが止めを刺し、リリアがモンスターからの攻撃をすべて守る。――そしてフルネールが応援をする。

「皆さんすごいですよー!頑張ってくださーい!!大地さん、右からも増援来てますよー!ファイトー!アーデ、左にもいるから気を付けて!リリアちゃん。可愛いですよー!キャー!」

 とキャーキャーはしゃぐフルネール。これは応援か?

 一発撃つたびにボルトアクションを行う大地。一回ずつは手間だが、ガシュっと音を立てながら取っ手を引き狙いを定めて撃つ。そこにロマンを感じざるを得ない。

 やっぱスナイパーライフルといったらこういうのだよな。仕事人感がはんぱねぇわ。

「ダイチはそんな武器をどこに隠していたんだ?」

 いったんリリアの光の壁の中に戻ってきたアーデルハイドが大地の銃を見ながら不思議がる。

「ああ、俺の武器は魔法で出しているんだ」

 ソレについてシレっと教える大地だがアーデルハイドは驚くほかなかった。
 今の言葉で大地の魔法が二種類に絞れるからだ。

 一つは別空間に武器を入れておく魔法。あらかじめ用意してある武器を固有空間の中にしまっておきいつでも好きなタイミングで出す事が出来る魔法だ。珍しく世界にも数人しかいないと言われている。ただ、二種類の内のこちらの魔法であれば見たことのない武器を作りだす国がどこかにある懸念が生まれてしまう。

 そしてもう一つは無から有を生み出す創造魔法である。だが、はっきり言ってこちらの場合は神話レベルだ。世界でも使える人間はいないだろう。

 他の魔法と創造魔法の違い。それは言ってしまえばただの質である。

 例えば地属性の魔法でも大地が召喚した銃を作り上げる事は出来るだろうが、それは弾を込めても撃ち出すこともできない模造品になるだろう。

 しかし、創造魔法でもであれば本物以上に機能を持たせられる。質の違いとはそう言うことなのである。

 過去には創造魔法でどこかの地下に国を一つ丸々作り上げた女もいると聞く。王宮や町、そして朝日に劣らぬ明かりを照らす石。この世に無いものですら作り上げられるのだ。

「アーデルハイド?動けるか?それとも残りは全部俺がやるか?」

 一応自分は護衛として来ているのだ。アーデルハイドは強いとわかってはいるものの戦わせ続けるのも何か違う気がするからだ。

「いや、動いていた方が気が楽だからな」 

「そうか」

 良くわからわないが本人がそうしたいなら止める必要もないか。

 大地さん大地さん。大変です?

 ん?どうした?何かあったか?

 あったと言いますか、これからあると言いますか。

 今忙しいんだ。情報は簡潔に頼む!

 では、短く言いますと……。

「大地さん!上から来ます」

 その声と共に上からビタ、ビタと何体ものクリスタルリザードが光の壁に張り付くように乗っかった。

「ダイチさん!乗っかったクリスタルリザードからカリカリ聞こえるんですけど……」

 リリアの言う様に光の壁に張り付いたクリスタルリザードから継続的に音が聞こえてくる。間違いない。これは……光の壁をかじる音だ。

 食べないでくださいーー!!

 そんなこと言ってる場合じゃないですよ。大地さん!!

 フルネールの言う通り、今はこいつらを何とかするのが先決である。しかし、真下からなら本体を直接当てられる。そして、炸裂弾だと危険だから通常の弾丸に切り替えた。

 一瞬で弾丸も変えられるのは便利だな。

 大地は次々と光の壁に張り付いてきたクリスタルリザードを真下から撃ち抜いていく。それによって降ってくるモンスターは続々と光の壁の上で死体になっていく。

 これはもしかして結構不味い状況か?

 モンスターの意図がわかる。このまま重さによって魔法を破壊する気だろう。

「まだ……耐えます!」

 そういうリリアだが額から汗がこぼれるのが見えた。リリアとしてもきつい状況なのだろう。

アーデルハイドも下から切りつけてはいるが、もともと重いモンスターで、更に張り付いているせいで光の壁から転がり落とすのは容易ではない。

 何とかして今の状況を打開する兵器は何かないか。回りに被害がなくて上のやつらを吹き飛ばせる武器。いや、吹き飛ばさずとも消滅させればいい。それなら……。

 大地はスナイパーライフルを消して次の武器を召喚する。それは海龍を一撃で仕留めた腕にはめる武器。本来の姿からかなり歪んでしまい全体は四角く機械の構造が見えているが威力は折り紙付きだ。

 チャージ可能で魔力をエネルギーにかえることで威力を増す。チャージは最大で10段階あるがこの程度の敵なら2で十分だろう。

「リリア。頼む少しだけ耐えてくれ」

「ダイチさん……はい!任せてください!!」

 大地の呼び掛けにリリアは気合いを入れ直す。光の壁がが重量で悲鳴をあげる度に魔力の使用量を増やして壊れないように補強し続ける。

 負担はかなりかかってしまうが今を耐えればいいだけである。間もなくこの厳しい状況が終わるのだ。だって大地が『少しだけ耐えてくれ』と言ったのだから。

「くぅ……」

 とは言えどんどん増してくる重みによる魔法の維持はかなりきつい。すでにアーデルハイドは自信の素の力ではどうにもならない。

「今なら限界突破もかければまだ打開できる!」

 自分の判断ミスだ。こうなる前に強化して蹴散らしておけばこうはならなかった。負担はかなり掛かるだろうが死ぬよりはましなのだ。魔力を高めて自己強化を行い限界を――。

「アーデルハイドお姉ちゃん……待って!」

 苦しい状況下にあるリリアが声を振り絞って止める。

「だが!」

 残り時間が少しずつ削られていく。迷っている時間すらないと言うのにリリアが止めにはいる理由がわからない。

「ダイチさんがどうにかしてくれますから……安心して待っててください」

 隣の男が?視線を大地に向けたアーデルハイドには彼がぼーっと立ってモンスターを見上げているようにしか見えない。武器はまた変わっているようだが、それでもこの窮地をどうにか出来るとは信じがたいものがある。

 ただ、あのリリアが……一人でしょいこむの大好きなリリアが安心して任していると言うのであれば……。

「わかった……」

 アーデルハイドは剣を下ろし、強化を解除した。もしこれでこの男が何もできなかったら死ぬのか。そう思いながら……しかし、クラスターモンキーを仕留めているはずの強さ。海龍を消滅させたというリリアからの話。それらを考えると窮地にありながらも期待して胸が熱くなるのも確かな事実である。

「待たせてすまない。一掃するぞ!」

 チャージ2まで貯めた武器、命名『ハンドバスター』を構える。

 あの大地さん?サテライトバスターと言い……その……『バスター』という響きが好きなのはいいんですが。

 なんだよこんな時に?何が言いたいんだ?

 いえ。やっぱりあとにしましょう。この話しは。

 気になるじゃねえか。はっきり言ってくれ。

 えと……それじゃあ……その武器の名前……ダサくないですか?

 ごめん……やっぱりその話は後で……頼む……。

 やっぱりダメージ受けるじゃないですか!!もう、ちゃっちゃと撃っちゃってください!!

「吹き飛べーーー!!」

 フルネールから受けた致命傷を力に変えて大地はハンドバスターからビームを発射する。そのビームの大きさは海龍の時よりは細い。だが、それでも尚、光の壁の天辺で群がるクリスタルリザードは全員巻き込める。

 ビームに触れたモンスター達が一瞬で消滅していく。ビームの光が消えるとクリスタルリザードの影は一つも見当たらなかった。

「全モンスターが乗ってたのか。リリアも良く耐えれたな」

「えへへ。これでも聖女なんですよ?知ってましたか?」

 笑いながら冗談をいうリリアにアーデルハイドは自分にも早々向けない笑顔を大地に向けているのを見て、その美しい顔をほころばせた。

「本当に何とかするとはな」

「だってダイチさんは海龍も今の武器で倒したんですから!」

 少しだけ誇らしげに言うリリアを見て、いまの彼女の生活は昔よりも楽しくなっていることを実感するアーデルハイドだった。
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