初めての異世界転生

藤井 サトル

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女神と同居は嬉しい?嬉しくない?

思わぬ落とし穴ってどこにでもあるよね

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 山岳地帯。大なり小なりの斜面が多く、基本広く平たい場所は無い。一度踏み外して坂にでも転がり落ちれば死ぬのは必至である。

 その山岳を登り始めた大地はやはり思うのだった。

 モンスターの居場所わかんねえーよ!!どこにいんだよ……まじで。他のハンターはどうやって見つけてるんだ?

 そう愚痴を心のなかでこぼすと、この世界の水先案内人(※語呂だけでいれました。水先は関係ない)を呼び出す事だ。そう女神である。

 早速大地は女神との契約を進める。

「女神フルネール!ここに現れろーー!」

 そのバカっぽい呼び掛けに女神は応え――?あれ?こたえ――?あれ?応えてくれない。

「くそ!肝心なときに呼べないとは」

 しょうがない。地道に歩いて探すしか無いのか。

 諦めて山を登り、時には山の回りをぐるりと回り込むように歩き、そして下る。

「鳥さんやーい。どこにるー?食べないからでておいでー」

 まあ、出てくるわけないんですがね!マジでどうスッかな……。うーん、そういや卵があると言っていたか。と言うことは巣があるのか?ゲーム感覚で言えば例えば山頂とか?

 山頂と言えどこの稜線が続くような道だ。どこでもいいわけではないだろう。それならばと、大地はこの辺りの山のなかで一番デカイ山の頂上を見定めた。

「あそこだな。行くか」

 山岳地帯を歩くに当たって気を付けねばならないのは体力だ。歩きにくく重心が偏りがちになってしまいバランスがとれず前のめりになる。その上、普段の道と違い斜面を歩くため、歩幅や足を動かすペースがばらばらになるのだ。それらによって体力はあっという間に削られてしまうと言う。

 しかしその点を言えば大地は関係ない。女神サポート……ではなく、女神曰く【女神の契約】によって身体能力が強化されている。それゆえにそう簡単には疲れないだろう。ただ、それは肉体の話であって精神的な疲れに引っ張られて疲れを感じることはある。

 一つ小さな山を越えた先にある山だ。あの場所までの距離は……。

「問題ないだろう」

 と呟く。その言葉通りにあっさりと山頂へつく。遠目ではわからなかったが山頂は円形で平たい地形になっていた。

 その中央にたってぐるりと見渡してみると、はじっこに枝木で出来ている小さな鳥の巣が見つかった。あれがフラッシュバードの巣だろうか?思ってより小さいな。まぁこれならフラッシュバードも小さいだろう。

 恒例のハンドガンを握りしめた大地はポツンと佇む小さな巣へと近づいていった。巣が小さければ卵も小さいく、全部で三つある卵は見ようによっては顔に見えても来た。その事に少しだけ面白味を感じてクスリと笑いなが「コレを売れば結構な金になるだろうな」と手を伸ばす。

 そんな矢先のことだった。一瞬で世界が暗闇に包まれたのだ。何事かと思いながら大地は上へと視線をあげると、それが世界は暗闇に包まれたのではないことを知る。……これは影だ。大地を覆うほどの巨鳥。それがフラッシュバードだった。

 ここに来て
   思いついたよ
      この一句
        自然の鳥は
          大きいな

 あの巨大なスズメバチよりデカイな。異世界のモンスターってだいたい大きいのがおおいのか?それともCランクの討伐対象がこういう大きいやつか?

 羽の色が赤、オレンジ、黄色で構成され、紅葉を思わせるその色彩はなかなかのものだ。人によっては見とれたり、命を奪うのがもったいなくなるだろう。

 だが、間違えてはいけない。このモンスターは人を襲い食らう習性がある。間違いなく人間の敵なのだ。鋭い爪や嘴。そして、魔法。何れもが人間を殺すために磨かれた武器。

 ――と、ここまで大仰に言ったがそれでもフラアシュバードが大地を相手にするには力不足である。
 ただ、このサイズ感だ。ハンドガンでは倒すのも時間がかかる。そう判断してハンドガンを消して別の武器の召喚に取りかかった。どの武器を出すか考える必要があるが、その間にモンスターが攻撃してきても問題はないだろう。

 そうやって思い上がっている大地にフラッシュバードは衝撃波を放つ。突風の中にカマイタチが混ざっているが大地は『ダメージにはならないな』と、あえて構えもなしに受けることにした。

 そんな風にたかをくくってしまった大地が驚くまもなく、切り刻まれた地面が崩れてしまい、大地は山の空洞の中へ叩き込まれた。
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