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女神と同居は嬉しい?嬉しくない?
嘘をつくときは慎重に
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「それで、ダイチさんはどうして嘘をついたんですか!?」
開始早々に怒っているのはリリアだ。
少しだけ時を戻すと、まず女神の呪縛から放たれた大地は朝日に向かって「今日こそ良いことありますように」そう呟く。
その後、滝に飛び込んだあと、『ウォーラビット』を仕留めつつ山菜を取り適当に朝飯をすませた。ここまでは既に手慣れたこともあり楽なもんだ。
人心地つけるとギルドに向かう。前日呼ばれていたんだが、リリアに思いっきりひっぱたかれてしまいほほが真っ赤な状態で尋ねたら盛大に笑われてしまい、話どころではなくまた後日という形になったのだ。
ギルドに入りユーナさんに軽く挨拶をしたあと奥の部屋に通される。扉の看板には『俺の部屋』とだけ書かれていた。私物化していいのかよ。と内心思いながらノックを3回すると呼ばれたのでギルド長室へ入る。
目の前にはギルド長のほかにリリアとグラネスがいる。
部屋の構図は扉の真っ直ぐ奥に窓ガラスがあり、そこにギルド長が立派な机を前にして座っている。その手前には談話ようにもうけられたと思われるソファーが二つとテーブルが一つだ。大地から見て右側にグラネス、リリアが座っていた。
「とりあえずそこに掛けてくれ」
大地はギルド長に進められてリリアが前になるようにソファーへ腰を掛け、ユーナはリリアの隣に座る。
「色々聞きたいことがあるんだが、さきにリリアさんからも聞きたいことがあるようなんだ」
ギルド長からリリアへ視線を向けた大地にリリアが最初に言ったことが冒頭の台詞である。
「嘘?っなんの話だ?」
「ダイチさんの強さのことですよ!!」
「いや、俺は強いって言っただろ?」
「でも!ダイチさんは私に言ったじゃないですか!」
リリアに言ったこと?なんだっけな?
「南の森のことを覚えてないんですか?」
うーん?
「アシッドなんとかかんとかの話か?」
「アシッドマーダービーです!!あとその前です!」
蜂の話ではないとなると?何があったっけ?
「ウォーラビットのときですよ……」
怒り疲れたのかリリアの勢いが失われたようだ。これで少し話しやすくなったぜ。
「あー、あの時か」
そういえば、王女様にばれたくなくて適当なこと言ったな。
「あの時、なんで嘘ついたんですか……。あのモンスターの群れも大地さんが倒したんですよね」
「まぁ、そうだな」
「何であの時、本当のことを言ってくれなかったんですか?」
「……あの時、本当のこと言っていたら俺を怪しんだだろう?目の前には王女様が倒れてたしな」
「それは……」
言葉につまるリリアは俯いてしまう。今でこそ大地がどういう人物かわかるから信じられるが、あの時では無理だったかもしれない。
「だからだ。本当のことなんて言えねぇよ」
それでこの話は終わり。にするつもりだったんだが、ユーナが余計な一言を言い出した。
「ああ!そっか!そう言うことですね!?」
まて、何を思いついたんだ?やばい、なんか嫌な予感が……。
大地が不安に刈られようと、他のメンバーはユーナに視線が向く。
「つまり、ダイチさんはリリアちゃんに嫌われたくなかったんですね!!」
この女なんてもんをぶっこんで来やがる!!
ユーナの言葉で俯いていたリリアは顔を上にあげて右と左に一回ずつ振り向いたあと、大地に視線を合わせて「ほんと?」と言いたげな表情で首をかしげる。
「か、勘違いするな!ほら、あれだ。王女様に名前を覚えられたらめんどそうだから言っただけだ」
その動揺ぶりによりリリアの少し赤くなってしまうが、それを意に介さずリリアは大地から視線をはずし宙をさ迷わせながら言う。
「あ、あれから大変だったんですからね。お姉ちゃんは助けてくれた人を探し出すし……」
ん?お姉ちゃん?
その一言で場に見えない緊張が張り巡らされた。そしてハッとリリアは今自分が口走ったことについて気づく。公共の場では決して言わない呼び名を。
「聖女って特別なんだろ?それならまぁ交流はあるだろうけど、ここでお姉ちゃんってのはどうなんだ?」
頻繁にあっているかはわからないが、年が近ければ距離も近いだろう。それならリリアが親しみを込めてそう呼んだりするのもおかしくはないかな?それに、あの時、倒れている王女様を見ても必要以上に恐れてもいなさそうだったからな。
「……えと」
リリアはちらりと大地を見てから視線をテーブルに戻す。
「ん、まぁ今のは聞かなかったことにするよ」
「ごめんなさい」
そこでようやく落ち着いたのか他の人が安堵のため息を出していた。しかし、みんなリリアの言葉で騒がなかったのは二人が仲良さそうなのを知っているからだろう。
「まぁ、俺も嘘ついたのは謝る。すまなかったな」
その言葉に何か言いたいけれど言えないことにもやもやしてそうなリリアを尻目にギルド長が口を開いた。
「しっかし、強いだろうと思ってはいたが海龍を一人でとはな。公式依頼での受注してたら大騒ぎだったな」
そんなんで騒がれれるのはたまったもんじゃ無さそうだ。めんどくさい依頼とかご指名されるかもしれんしな。
「ああ、そうだ。リリアに一つ聞きたいんだけど」
思い出したように言う大地にリリアが反応する。
「なんですか?」
「女神の名前って教えてくれないか?」
結局女神自信から聞きそびれたから呼べないんだよな。そしてよべないと毎晩呼び出されて睡眠不足に……恐ろしい。
「……女神様のお名前ってそんなに気軽にお教えしてもいいんでしょうか?」
リリアが深刻そうに悩み始めてしまい、どうしたものかと回りをみる。だが、全員が首を振り、現状の女神の扱いをユーナが教えてくれた。
「基本的に女神様のお名前は一部しか知られていないんです。ただ、リリアちゃんや過去の聖女が受けるお告げで色々なものが生まれたり、予言があったりとその恩恵があるので皆さん信仰はしっかりしてるんです」
これは、今日もおよび出しかなぁ。
そんな遠い目をする大地にリリアが聞いてきた。
「なんでダイチさんは女神様のお名前を知りたいんですか?」
これ本当のこと言っちゃっていいのか?
ちらりとリリアを見るとリリアはなにかを察したように身を乗り出した。
「嘘は!……やめてください」
直ぐに戻っていくリリアはどこかしゅんと落ち込んでいるようにも見えてしまい、本当の事を言おうと大地は決めた。
「わかった。信じられるかわからないが、夢の中で呼び出されたんだ。そんで……」
「呼び出されたって二人っきりでですか!?」
リリアがガタッと勢いよく立ち上がった。
「落ち着け。夢の中だから二人っきりだよ!」
神を含める場合に『二人』ってどうなんだ?
等と考えている間にリリアが座り直したので話を続ける。
「んで、名前を呼ばないと契約が出来ないと言われたんだが、その名前を聞いてなくてな」
「女神様との契約?」
上を見ながら首をかしげたリリアは合点が言ったというように再び大地に視線を合わせる。
「女神様のお力を受けているんですね」
大地の強さと女神の威光が結び付いたことで納得したリリアは再び考える。それならお伝えしてもいいのかな?と。
「そう言うことだ。それで教えてほしいんだけどいいかな?」
「えと、他の方にも聞かれちゃいますから……その、後ででもいいでしょうか?」
回りにいる人たちに配慮しながら言うリリアだが、大地としては正直名前を言っても問題ないんじゃね?年か思えない。ただ、せっかく彼女が回りに気を配っているのだから、その意を汲むのが大人である。
「わかった。今日中に教えてくれるならそれでいい」
コクンと頷くリリアを見て今度こそ話が終わり……あれ?ギルド長からなにも聞いてない気がするな。
「ところで、俺に話って?」
今までのはリリアの質問でありギルド長の話ではない。であれば、ギルド長はなぜ呼んだのか?
大地のとんでも会話を話し半分に聞いていたギルド長が口を開いた。
「ああ、それなんだが。ダイチ。Bランクになる気はあるか?」
開始早々に怒っているのはリリアだ。
少しだけ時を戻すと、まず女神の呪縛から放たれた大地は朝日に向かって「今日こそ良いことありますように」そう呟く。
その後、滝に飛び込んだあと、『ウォーラビット』を仕留めつつ山菜を取り適当に朝飯をすませた。ここまでは既に手慣れたこともあり楽なもんだ。
人心地つけるとギルドに向かう。前日呼ばれていたんだが、リリアに思いっきりひっぱたかれてしまいほほが真っ赤な状態で尋ねたら盛大に笑われてしまい、話どころではなくまた後日という形になったのだ。
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目の前にはギルド長のほかにリリアとグラネスがいる。
部屋の構図は扉の真っ直ぐ奥に窓ガラスがあり、そこにギルド長が立派な机を前にして座っている。その手前には談話ようにもうけられたと思われるソファーが二つとテーブルが一つだ。大地から見て右側にグラネス、リリアが座っていた。
「とりあえずそこに掛けてくれ」
大地はギルド長に進められてリリアが前になるようにソファーへ腰を掛け、ユーナはリリアの隣に座る。
「色々聞きたいことがあるんだが、さきにリリアさんからも聞きたいことがあるようなんだ」
ギルド長からリリアへ視線を向けた大地にリリアが最初に言ったことが冒頭の台詞である。
「嘘?っなんの話だ?」
「ダイチさんの強さのことですよ!!」
「いや、俺は強いって言っただろ?」
「でも!ダイチさんは私に言ったじゃないですか!」
リリアに言ったこと?なんだっけな?
「南の森のことを覚えてないんですか?」
うーん?
「アシッドなんとかかんとかの話か?」
「アシッドマーダービーです!!あとその前です!」
蜂の話ではないとなると?何があったっけ?
「ウォーラビットのときですよ……」
怒り疲れたのかリリアの勢いが失われたようだ。これで少し話しやすくなったぜ。
「あー、あの時か」
そういえば、王女様にばれたくなくて適当なこと言ったな。
「あの時、なんで嘘ついたんですか……。あのモンスターの群れも大地さんが倒したんですよね」
「まぁ、そうだな」
「何であの時、本当のことを言ってくれなかったんですか?」
「……あの時、本当のこと言っていたら俺を怪しんだだろう?目の前には王女様が倒れてたしな」
「それは……」
言葉につまるリリアは俯いてしまう。今でこそ大地がどういう人物かわかるから信じられるが、あの時では無理だったかもしれない。
「だからだ。本当のことなんて言えねぇよ」
それでこの話は終わり。にするつもりだったんだが、ユーナが余計な一言を言い出した。
「ああ!そっか!そう言うことですね!?」
まて、何を思いついたんだ?やばい、なんか嫌な予感が……。
大地が不安に刈られようと、他のメンバーはユーナに視線が向く。
「つまり、ダイチさんはリリアちゃんに嫌われたくなかったんですね!!」
この女なんてもんをぶっこんで来やがる!!
ユーナの言葉で俯いていたリリアは顔を上にあげて右と左に一回ずつ振り向いたあと、大地に視線を合わせて「ほんと?」と言いたげな表情で首をかしげる。
「か、勘違いするな!ほら、あれだ。王女様に名前を覚えられたらめんどそうだから言っただけだ」
その動揺ぶりによりリリアの少し赤くなってしまうが、それを意に介さずリリアは大地から視線をはずし宙をさ迷わせながら言う。
「あ、あれから大変だったんですからね。お姉ちゃんは助けてくれた人を探し出すし……」
ん?お姉ちゃん?
その一言で場に見えない緊張が張り巡らされた。そしてハッとリリアは今自分が口走ったことについて気づく。公共の場では決して言わない呼び名を。
「聖女って特別なんだろ?それならまぁ交流はあるだろうけど、ここでお姉ちゃんってのはどうなんだ?」
頻繁にあっているかはわからないが、年が近ければ距離も近いだろう。それならリリアが親しみを込めてそう呼んだりするのもおかしくはないかな?それに、あの時、倒れている王女様を見ても必要以上に恐れてもいなさそうだったからな。
「……えと」
リリアはちらりと大地を見てから視線をテーブルに戻す。
「ん、まぁ今のは聞かなかったことにするよ」
「ごめんなさい」
そこでようやく落ち着いたのか他の人が安堵のため息を出していた。しかし、みんなリリアの言葉で騒がなかったのは二人が仲良さそうなのを知っているからだろう。
「まぁ、俺も嘘ついたのは謝る。すまなかったな」
その言葉に何か言いたいけれど言えないことにもやもやしてそうなリリアを尻目にギルド長が口を開いた。
「しっかし、強いだろうと思ってはいたが海龍を一人でとはな。公式依頼での受注してたら大騒ぎだったな」
そんなんで騒がれれるのはたまったもんじゃ無さそうだ。めんどくさい依頼とかご指名されるかもしれんしな。
「ああ、そうだ。リリアに一つ聞きたいんだけど」
思い出したように言う大地にリリアが反応する。
「なんですか?」
「女神の名前って教えてくれないか?」
結局女神自信から聞きそびれたから呼べないんだよな。そしてよべないと毎晩呼び出されて睡眠不足に……恐ろしい。
「……女神様のお名前ってそんなに気軽にお教えしてもいいんでしょうか?」
リリアが深刻そうに悩み始めてしまい、どうしたものかと回りをみる。だが、全員が首を振り、現状の女神の扱いをユーナが教えてくれた。
「基本的に女神様のお名前は一部しか知られていないんです。ただ、リリアちゃんや過去の聖女が受けるお告げで色々なものが生まれたり、予言があったりとその恩恵があるので皆さん信仰はしっかりしてるんです」
これは、今日もおよび出しかなぁ。
そんな遠い目をする大地にリリアが聞いてきた。
「なんでダイチさんは女神様のお名前を知りたいんですか?」
これ本当のこと言っちゃっていいのか?
ちらりとリリアを見るとリリアはなにかを察したように身を乗り出した。
「嘘は!……やめてください」
直ぐに戻っていくリリアはどこかしゅんと落ち込んでいるようにも見えてしまい、本当の事を言おうと大地は決めた。
「わかった。信じられるかわからないが、夢の中で呼び出されたんだ。そんで……」
「呼び出されたって二人っきりでですか!?」
リリアがガタッと勢いよく立ち上がった。
「落ち着け。夢の中だから二人っきりだよ!」
神を含める場合に『二人』ってどうなんだ?
等と考えている間にリリアが座り直したので話を続ける。
「んで、名前を呼ばないと契約が出来ないと言われたんだが、その名前を聞いてなくてな」
「女神様との契約?」
上を見ながら首をかしげたリリアは合点が言ったというように再び大地に視線を合わせる。
「女神様のお力を受けているんですね」
大地の強さと女神の威光が結び付いたことで納得したリリアは再び考える。それならお伝えしてもいいのかな?と。
「そう言うことだ。それで教えてほしいんだけどいいかな?」
「えと、他の方にも聞かれちゃいますから……その、後ででもいいでしょうか?」
回りにいる人たちに配慮しながら言うリリアだが、大地としては正直名前を言っても問題ないんじゃね?年か思えない。ただ、せっかく彼女が回りに気を配っているのだから、その意を汲むのが大人である。
「わかった。今日中に教えてくれるならそれでいい」
コクンと頷くリリアを見て今度こそ話が終わり……あれ?ギルド長からなにも聞いてない気がするな。
「ところで、俺に話って?」
今までのはリリアの質問でありギルド長の話ではない。であれば、ギルド長はなぜ呼んだのか?
大地のとんでも会話を話し半分に聞いていたギルド長が口を開いた。
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