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1章

-8- 【妖精の子と密猟ゴブリン団】

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 先程よりも風が強くなり、箒はより一層安定感を失う。
 そんな荒れた空を、箒に乗った三人の人影がすっ飛ばしていく。
 この箒を操作しているのが俺、後ろには気を失ったソフィアと、彼女を挟むように妖精の女の子が座っていた。
 遥か上空でソフィアが気を失ってしまい、どうしようもできなかったところに駆けつけてくれたこの妖精の子は、地上近くで夜の散歩をしながら夜空を見上げていたところ、ずっと停滞する俺たちの箒に気づいたのだという。

 妖精の子の誘導に従いながら、ひたすら飛行する俺に、妖精の女の子が話しかけてきた。
 「ここからもう少し北に向かえば、すぐに妖精の村の入口だよ」
 「村……? 本当にこんなところに村があるのか?」
 辺りを見渡しても、付近には森しか見当たらず、集落らしきものは一切ない。小屋はおろか、人工的な建物の一つさえ見受けられない。
 「今は木々に囲まれて見えないけど……もう少しで巨大な峡谷が見えてくるの。そこに村への入口があるのよ」
 「なるほど、隠してあるってワケか」
 「妖精の羽根とかは高値で取引されるらしくて……こうして隠れて生活していても、毎週何人も行方不明者が出るの……」
 「……そうか」

 なるほど、街中でも妖精族を見かけないワケだ。
 だがこの時、妖精の子が言ったこの内容について、どうしても引っかかる点があった。

 『隠れて生活している妖精であるこの子が、なぜ村からこんなに遠く離れた場所にいるのか』

 ……だが、助けてもらった分際でこんなことを聞くのは野暮だろうと思った。
 きっと大した理由もないのだろう。あったとしても……今の俺は彼女の誘導に従うことしかできない。
 であれば、それも時間の無駄だ。今は一旦無視しておくことにした。




~~~~~~~~~~
 「……あった、あの谷か?」
 「! そう、あの峡谷の最下層に、『表裏の鏡』と呼ばれる池があるの。 そこが村への入口になってる」
 「あの池に飛び込めばいいのか?」
 「ううん、私があの池を直接村に繋げる必要があるの。 だから、すぐには飛び込まないでね」
 「わかったよ」
 彼女の指差す方向をよくよく見ると、巨大な峡谷の奥に一箇所だけ水が張った部分があるのがわかった。
 しかし、峡谷の内部にも多少の木々が生えており、視界も悪いため容易には降りられそうにない。
 「かなり距離があるな」
 「一旦、池の近くまで降りようよ。 落ち着いてね」
 「あぁ」

 そう言って降り始めたものの、こちらは箒という長細いものに乗っているため、俗に言うイライラ棒のような感覚である。
 さらに、この不安定な乗り物に三人も乗っているため、木にぶつかっただけでバランスを崩されかねない。
 急がねばならない局面だが、ここでソフィアを落としてしまっては元も子もない……。





 ……降り始めてから十数分ほどが経ち、こちらも集中力に限界を感じていた。
 「だいぶ降りたぞ! ……もうそろそろじゃなのいか?」
 「あっ! 底が見えてきたよ! ……えっ」
 「何? どうした……」
 やっと到着かと思ったのも束の間。
 谷の最深部を見ていた妖精の子が、小さく息を飲む。
 木々が鬱蒼としていた最後のゾーンを丁寧に切り抜けてから、俺も最深部に目をやった。

 「……ゴブリン!? それも結構な数いるぞ」
 「どうしよう。 なんで、ここに……」
 峡谷の最下層には、我々を待ち構えていたかのように何匹ものゴブリンが群れを成していた。
 「あれ、全部密猟者なんです……。 普段はここにはいないはずなのに……」
 「もしかしたら、お前がここから出ていくのを見られていたのかもな」
 「あ……」
 妖精の子が今にも泣き出しそうな顔でこちらを見てくる。
 「どうしよう……侵入者が近くにいたら、村に侵入される可能性があるから、表裏の鏡を村に繋げちゃいけなくて……ごめんなさい……」
 「……」
 「一旦逃げて、時間を空ければ逃げてくれるかな……あぁ、でもそれじゃお姉ちゃんが……」

 ゴブリンの数は概ね十体くらいといったところか。しかし、恐らく峡谷の外から来ているので、援軍を呼ぶことも難しいのではなかろうか。そうなれば、これ以上増えることは無いだろう。
 ……であれば。

 「お前、あいつらに構わず、鏡を繋いで先に村に行け」
 「!? ……で、でもゴブリン達が」
 「俺が食い止める。 だから頼む、コイツと一緒に先に行っててくれ」
 「で、でもっ! お兄ちゃんが倒れたら、誰も助け呼べないんだよっ!」
 「俺を信じてくれ! いいからコイツを……さ、頼むよ」
 「……わかった」



 『俺を信じてくれ』。
 我ながら、よくもまぁそんなことが言えたと思う。
 昔と変わらなかった。結局人を誰も信じられない、人を信じる賭けに出るくらいなら1人の方がマシだったと、そう考えていた俺がこんなことを口走るなんて。

 『たった1人の友人』を、出会って十数分程度で、名前も知らぬ見知らぬ人に預ける必要があった。
 もしかしたら、俺が信じたせいで、そいつがソフィアの身に何かするかもしれない。もっと悪くなることもありえる。

 普段なら、そこで踏みとどまる俺だが。
 ……その時ふと、いくつかの出来事が言葉が脳裏をよぎった。


 俺の周りの奴らが暴走した俺を見放して蔑んでいた中たった一人で、暴走で何をしでかすか分からなかった俺を、説得しに来た奴がいる。
 全く知らない他人の家に入り込んで、自前の料理を振舞ってくれた奴がいる。

 そして……。
 『私たち二人で、私たちだけの”普通”を作ってみない?』
 見知らぬ人だった俺に、”私たちだけ”なんて言葉を使って提案をしてきた奴がいる……。


 ……全部全部全部アイツの、ソフィアの行動。
 俺を『信用』してくれていたための行動。

 そんな彼女を数日間見て、俺は……。


 もう一度、人を信じてみたいと思った。
 信じてみないと何も始まらないと──。

 たった数日で、そういう人に変わってしまったのだ。

 “二度目”の人間不信に陥っていた俺にそう思わせてくれた彼女を、俺の不注意のせいで絶対殺す訳にはいかない。それは俺が絶対に許さない。
 俺が監視するためにそこら辺で待機させて無駄な時間を食うよりも、妖精の子を『信じて』とっとと村に渡らせ、治療を受けてもらうのが最も安全だと考えた。

 実際、妖精の子も、見知らぬ俺を『信じて』くれた。
 これが、信頼というものの正体だったのだ。


 「……しかし」
 俺の知らないところで、彼女がここまで支えになっているとは。
 思いもよらなかったな。




 「さぁ、早く行け!」
 「う、うんっ! ……あ、お兄ちゃんの上着は……」
 「ソフィアに着せたままでいい! 俺は大丈夫だから!」

 決断が迫られた今。
 彼女のその、『人を信じる姿勢』が、俺の背中をそっと押してくれた気がした。

 「お兄ちゃん! ごめんなさいっ! 絶対勝って……終わったらこっちに飛び込んでくるんだよっ!!」
 その言葉を最後に、ソフィアを抱えた妖精の子が、池の中に飛び込んでいった。

 さぁ。後の命運は全て、俺にかかっている。
 ……何やら、少し楽しくなってきた。
 もう後には引けないな。






 『ゴアアアアーーッッ!!』
 二人が池に飛び込むのを目撃したゴブリン達が、一斉に騒ぎ始める。
 「──来たっ!」
 『があっ!があっ!!』
 恐らく様子見であろう、一体のゴブリンが率先してこちらに向かって魔法を構え、突進してくる。
 この世界のゴブリンは、そこらのラノベ小説とは違って魔法を主にして攻撃してくるため、普通の雑魚とは違うのだ。
 「riaba eia tkn!」
 ひとまず即席でバリアを展開し、何度かの魔法の衝撃に耐えられるようにする。


 互いに魔法で戦う際には、早期に決着がつく場合がほとんどだ。
 大気から魔力を吸収する都合で、魔法を使う者はあまり重装備ができない。魔法で戦うのなら尚更だ。
 従って、互いに防御力の低い状態で殴り合うことになる。
 つまるところサドンデス。バリアで何度か攻撃を防げても、その耐久力は宛にできない。
 一度破壊されたバリアは復旧に時間がかかるため、バリアを破壊してから、復旧の隙を狙って相手をダウンさせる──。
 これが、この『魔法があたりまえになった世界』における戦い方だ。


 『ごあっ!!』
 まず、あのゴブリンの群れを池にだけは絶対に近づけさせる訳にはいかない。もし近づけさせてしまえば、最悪の事態を招くことになる。
 戦うラインを池から遠ざけるために、俺もゴブリンの群れに向かって走る。
 幸いここは峡谷。道幅も狭くほぼ一直線で、壁もかなり高い。だから、俺が退かない限り池に触れられることもないだろう。

 『ごああっ!』
 「遅いっ!」
 魔法を使うゴブリンとはいえ魔力自体は低いので、こちらにかなり近寄らないと魔法弾が当たらないようだ。
 早速突撃してきた一体のゴブリンがこちらに魔法弾を撃ってくるが、身を翻して容易に避けることができた。
 俺は普段上着としてローブを身につけているのだが、今回はソフィアに渡したままだったためローブを着ておらず、いつもより身軽だったのが幸いした。
 「……おらっ!!」
 そしてその翻った回転の勢いのまま、よろけた相手にのみぞおちに、俺の得意属性である闇属性の魔法弾を思い切りねじり込む。
 魔法の出処から相手に直接攻撃をすることで、遠距離から魔法弾を撃つよりもかなり威力が上がる。……最も、ワンパンできないと近距離で反撃を食らってしまうため諸刃の剣と言えるのだが。
 それでも、ワンパンできる自信のある相手にはかなり有利な技だ。
 『グ、グググ……』
 みぞおちに攻撃を食らわせたゴブリンは、地面に倒れ込んで悶え苦しんでいる。
 ひとまず一体は倒した。……が、あと九体も残っているのか。


 『ゴガアアアアアアァァァッッッ!!!!』
 「うわっ!」
 仲間を倒された残りの奴らが黙っているはずもなく、九体が同時に雄叫びを上げながら一斉に襲いかかってくる。
 燃費が悪いが、ここは全体魔法を使うしかないか……。
 「aimy code en……」
 『ゴアアア!!』
 「っ!」
 全体魔法の詠唱しようとするも、ゴブリンの一体に攻撃を入れられそうになりガードを優先してしまった。

 「……クソっ」
 咄嗟のガードだったため、体が大きく後退してしまう。片膝を着いたもののなんとか踏みとどまった。
 足に響く地面の感触が酷く重い。立ち上がるために靴で地面を思い切り踏み込むが、緊張感か焦燥感か、小石で滑って空回る感触がしてしまう。
 「詠唱する暇も与えない、と……」
 ……となると、あとは詠唱を用いない通常の魔法弾で戦うしかない。
 本当はもう一つ術があるが……できれば、それは使わずに終わりたい。

 「(どのゴブリンも同じ種類っぽいし、全員ワンパン圏内なのが幸いか)」
 なら、全員ワンパンで倒すしかない。しかも、反撃させる隙を見せずに。
 ……他人だと無理させられないが、これは俺の体だ。
 であれば、無理が利く。

 『ゴブガアアアッッ!!』
 「ぐっ」
 ゴブリン達の魔法による猛攻が続く。
 勝機を見出そうと魔法弾を避け続けるが、もし魔法弾に被弾しても、低威力なので多少じゃバリアは破られない。
 ……今は余裕だが、いずれこれが破られてしまうのは目に見えている。

 ……と、ゴブリン九体をじっと見ているうちに、一体のゴブリンがひゅっと上空に飛び上がった。
 「(っ! 一体はぐれた!)」
 もしかしたら攻撃準備による飛び上がりなのかもしれないが、攻撃される前に仕留めれば何も問題はない。
 それに、あの高さまで飛び上がっているなら、ただの魔法弾ではワンパンできなくても、撃墜によるダメージで何とかなるのではないか?
 考えるよりまずは実行だ。
 「はっ!!」
 周りのゴブリンの攻撃を避けつつ、飛び上がったゴブリンに向けて魔法弾を放つ。
 放たれた魔法弾は鋭い真っ黒な弾丸のようになって、上空のゴブリンに向けて飛んでいく。
 『ごぶぁっ!?』
 「よしっ!」
 魔法弾はそのゴブリンに引き寄せられるようにぶつかっていった。
 そして予想通り、ゴブリンはバランスを崩して地面に叩きつけられる。
 「(さぁ、まだ動いてるか……?)」
 ゴブリンの群れの中に一瞬だけ映る地面の影。あれは……。
 「……よしっ!倒せてる!!」
 いいぞ俺!調子いいじゃないか!!
 あと、八体。
 奴らの攻撃を避けながら、隙を見て池までの距離を確認した。

 「……は、マジか」
 ……思った以上に、近づいている。もっと離れていると思ったのだが……。
 実際はもう、四、五メートル程しか離れていなかった。
 思った以上に攻められなかったのが原因だ。
 「(この中であと八体は……流石に無理だ……っ)」
 バリアもきりきりと音を立て始めている。
 距離的にも、防衛的にもここまでだ。

 ……結局、”この力”を使うしかないのか。
 いや、”この力”が使えなければ、こんな無茶な役は受けなかった。
 ……とはいえ、この力はまだ使い慣れていないので何が起きるか分からない。
 ジジイにも、”この力”はできれば使うなと口酸っぱく言われている。
 “前みたいに暴走しないとも限らない”。
 「……でも、これはもう使うしかないな」
 さっきも言ったが、これは俺の体だ。無理が利く。
 この際、池さえ吹っ飛ばさなければなんでも良い。
 何なら、俺が吹っ飛んでも構わない。
 ……ならば唱えよう。我が学者の名を。

 「【ヘイトリッド・オ・ジオグラフィー】……!」
 『ゴブ……?』

 その呪文を唱えると、全身痛に襲われ、頭が割れるように痛くなる。
 そして……なぜか目頭が酷く熱くなる。
 「ぐっ……うぐっ……」
 『……ゴッ! ゴアアッ、ゴアアアアッ!』
 この詠唱は小声で唱えられるためどこでも唱えられるが、代わりに効くのに時間がかかる。
 そのため、しばらくこの痛みとゴブリンの猛攻を避け続ける必要がある。
 「あと、少しっ……なんだよ!」
 『ゴアッッ!!』
 体の痛みと吹き出る汗と戦いながら、なんとか立った体制を崩さずに攻撃を避け続ける。
 

 ………………!
 その瞬間、さっきまでの全身痛、頭痛は嘘だったかのように引く。
 そして……身体中に魔力が巡るのがじんじんと伝わる。

 「……は、やっとか」
 『ゴ、ゴブブッ!?』
 「はは、すごいすごい、適応したぞ」
 さぁ、ここまで来れば、終わりは近い。
 俺の反撃の時間だ。

 「俺は【地理学者・ジオ=ヴァイス】だ」
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