悪役令嬢の冷静分析録〜ババ抜き系乙女ゲームの世界で〜

にんじんうまい

文字の大きさ
8 / 55
第1章:冷静に悪役令嬢アティスを分析する

8:冷静にババ抜き系乙女ゲームジョカ横の設定を思い出す

しおりを挟む


今のところ嵐の前の静けさ?かしら。
この頃、ジェイとはお母様と一緒に週一でダンスの練習をしながら、そして時々愛のカウンターパンチをくらわせながら❤︎徐々に仲良くなり始めている。
あのちょっと生意気な口数も少しは減ってきたかしら?



(→警告:10歳誕生日の計画を進めましょう。)



うん?10歳の誕生日って何かあったっけ?


(→解説:ジョカ横の三大恒例行事、“ジャッジメント”の一つが10歳の誕生日パーティーのエスコート相手の選択です。どの攻略対象にするのか算段はありますか?)


私はその解説を聞いて、たらりと冷や汗を流した。
そうだった!!!なんでそんな大事なことを忘れていたんだろう…!


このゲーム、The Joker is next to you略してジョカ横は、乙女系ババ抜きゲーム。
数ある選択肢を選択したのち、恒例行事となるジャッジメントで攻略対象を選択する。その選択肢した攻略対象がジョーカーだった時点で一発K O、即退場。全部で三回戦マッチ。三回ともジョーカーを引かなければ、はれてその攻略対象とハッピーエンドというもの。その重要なジャッジメントが迫っているというのだ…!

(→注意:ジャッジするのはヒロインです。しかし、あなたは悪役令嬢。ヒロインの選択肢を変更させることはできてもあなたに選択権はありません。)



ぷぅ~!!
冷たいこと言ってくれるなよ、相棒!!
悪役令嬢だって女の子なんです!誰と会場に行くか、誰とダンスするのか…少しばかり夢を見させてください!私だって選びたい!!



(→忠告:悪役令嬢はあなたの考えているほど甘くはありません。あなたは悪役令嬢と誤解されないように、ヒロインを良い方向へと導く役目を果たされるべきでは?)



うん?
ちょっと待って、ヒロインをいい方向に導くって、つまりジョーカーを引かないように誘導するってことだよね?でも、ヒロインをサクセスさせるために悪役令嬢がいるんだから、導けば導くほど私が悪役になってしまうのでは…??



(→訂正:悪役と思われない方向で、ヒロインのジョーカー選択肢を阻止しましょう。)



A Iって…案外優しいんだね。
まだ見たことも話したこともないヒロインさんを、自分を危険に晒しながらも守ってあげたいんだもんね…。




(→・・・)




わかったぜ!
二人でアティス!!
なるべくヒロインにはno touch を決め込むという鉄則を踏んでみたかったがこの際、構わない!





(→ありがとう)





ところで、それにはヒロインさんにお近づきになる必要があるよね?そうでないとどの人が気になっているかわからないし…。
ヒロインさんの設定って


[情報ファイル]


名前:クシュナ
年齢:9歳(アティスと同年齢)
ルックス:桜色の髪にエメラルドの瞳
ステイタス:努力系ヒロイン
好きなもの:格言=努力は人を裏切らない
嫌いなもの:悪役令嬢



よぉ、A Iの相棒…
なんか、見た目はドストライクヒロインなのに、他が…なんというか、体育会系の方ですか…?
それに、嫌いなもの悪役令嬢って、私たちの敵ではないですかいっっ??


(→否定:敵ではない、むしろ同志では…?)


どういうこと?



(→解答:彼女はあなたと同じ転生者だからです。)



えぇ???
だってファイルに書いてないじゃない。


(→解答:彼女は転生者の魂しか入っていません。ですから表向きクシュナの魂はクシュナ、ただ一人です。)



ややこしい…。でも、わかったわ。さらにヒロインさんにお近づきしたい気になりました。それならヒロインさんとお会いしなければ…。



(→提案:そろそろ子供達のお茶会があるはずです。それに参加してみては?私は煩わしかったため一度も参加していませんが、例に漏れなければ今回も招待状が届くでしょう。)



(←忠告:そんな楽しげなイベントあるなら早く教えて欲しかったです!!華やかルンルンパーティー!!知ってたら毎回参加してましたよ…絶対)



(→謝罪:以降譲歩します。)




そんなわけで、ヒロインに会うために私はお茶会に参加することにした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。

星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。 引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。 見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。 つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。 ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。 しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。 その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…? 果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!? ※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...