婚約者とヒロインが悪役令嬢を推しにした結果、別の令嬢に悪役フラグが立っちゃってごめん!

行枝ローザ

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同性

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さてその『バグ』をこうやって矯正しているのだが、何故かルエナの『悪い噂』はあまり減っていない。
むしろ『自分の実家を盾にして想い合う王太子と子爵令嬢を側に置きながら、ふたりの前で婚約者ぶって立場の違いを思い知らせるように王太子にしな垂れかかっている』とか何とか、ある意味ルエナが絶対やらなさそうな言動が、まことしやかに囁かれているらしいのだ。
「……それなら逆に俺が喜びそうだが」
「うん。否定はしない。たぶん、私が反対側から挟み込んで、ルエナ両手に花状態にすると思う」
「そっちのほうが何か、ルエナに対して弊害をきたす噂が流れそうだが……」
「あはは~。『男だけじゃなく、女も手玉に取る悪役令嬢』とか?」
確かに男女の触れ合いよりも同性同士の付き合いが深い分、ライトであってもそういう関係になる者もいないわけではない。
むしろ異性の方が考えていることがわからなくて怖い…と婚姻前からナーバスになってしまう者もいるくらいだ。
だからまあ手を繋いだり一緒に並んで座ったりするぐらいの『仲良し』ならば令嬢同士では特に問題にならないし、男同士なら酒を飲み過ぎて半裸で同じベッドで寝ていたとしても騒ぎにすらならないだろう。

だがそれが稀代の他人嫌いと称されるほど、自分より身分の低い者とは口を利くことすら稀だったディーファン公爵令嬢ルエナ・リルが気安くオイン子爵令嬢シーナ・ティアを側に置くとすれば、意地わるいどころではない捻じ曲がった邪推で『ルエナ様の女愛人』と言われかねない。
シーナとしては気持ちのないリオンの学園内側近の誰かとそんな噂を立てられるよりよほどマシだと言えるが、何となく誤解されたくないという気持ちもある。

それが『誰に対して』というところが問題なのだが、実のところその気持ちをハッキリと自覚したくないという、悪足搔きに似た感情ではっきりと言語化することに躊躇っているのだ。


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