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通り抜ける者。
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そうして今回は深追いしないのだが、ドワーフ夫婦からの『お願い』もあり、もう1つ下の階に潜らなくてはならないのだが──
「……あれ?」
次の階に降りるための部屋──いわゆる『ボス部屋』に辿り着くと、そこにいたのはバルトロメイよりも若く見える4人の冒険者たちだった。
「あれ?何アンタ?」
「何?ここのボスなら、俺たちが倒しちゃったよ?」
「次に復活するんなら半日待ちな」
「そうですか。ありがとうございます!」
口々にそう言ってくれたが、バルトロメイとしてはさっさと下に降りたかったため、特にボス魔物の復活を待つつもりはない。
お礼を言って邪魔者がいなくなって現れた階段に向かって、軽快に駆け寄って一礼すると、さっさと下に降りる。
そんな型破りの冒険者がいるなどとは思わず、4人の少年たちはポカンと口を開けたまま動けなかった。
こうして障害もなく階段を下りきったバルトロメイは、初めて立つフロアに思わず見惚れた。
このダンジョンに入るための1階部分は特に魔物や魔獣は出ない普通の洞窟と変わらないが、特にボスがいるわけでもない階段室は冒険者ギルドの身分証がなければそもそも入れない。
そこまではほぼ危険がないため、見つけられるならば普通の人でも入ることも可能だと言われるが、階段は現れないので結局は諦めるしかないのだ。
しかし2階に降りると、景色は一変して緑豊かな森の中になる。
しかも迷路のように進む方向を間違えると魔物が待ち構えているが、『初心者のダンジョン』と言われる由来の通り、極めてレベルの低いモノしか現れない。
おかげで薬草などが取り放題なのだが、経験値を稼ぐぐらいしか活用法がないと、さっさと最下層を目指す者が多かった。
それは今バルトロメイが降り立った3階も同じだが、作りがまったく違う。
自然らしい物はまったくなくなって見渡す限り石造りの神殿のような造りになっており、長く続く廊下の両側に無数の扉が等間隔で設えてあった。
この扉のどれでも1つ開ければ宝箱があったり魔物がいるのだが、その中の1つだけ何もない部屋があり、地上に続く廊下に出る。
いわゆる『当たり』の部屋なのだが場所はランダムで、しかも明確なボスというのが発現しないため、いつまでたってもこのダンジョンは消えない。
魔物のレベルにしろ宝箱に入っている代物にしろ、レアな物は1つもなく、本当に『ダンジョンに慣れるため』に存在しているとしか思えなかった。
「……あれ?」
次の階に降りるための部屋──いわゆる『ボス部屋』に辿り着くと、そこにいたのはバルトロメイよりも若く見える4人の冒険者たちだった。
「あれ?何アンタ?」
「何?ここのボスなら、俺たちが倒しちゃったよ?」
「次に復活するんなら半日待ちな」
「そうですか。ありがとうございます!」
口々にそう言ってくれたが、バルトロメイとしてはさっさと下に降りたかったため、特にボス魔物の復活を待つつもりはない。
お礼を言って邪魔者がいなくなって現れた階段に向かって、軽快に駆け寄って一礼すると、さっさと下に降りる。
そんな型破りの冒険者がいるなどとは思わず、4人の少年たちはポカンと口を開けたまま動けなかった。
こうして障害もなく階段を下りきったバルトロメイは、初めて立つフロアに思わず見惚れた。
このダンジョンに入るための1階部分は特に魔物や魔獣は出ない普通の洞窟と変わらないが、特にボスがいるわけでもない階段室は冒険者ギルドの身分証がなければそもそも入れない。
そこまではほぼ危険がないため、見つけられるならば普通の人でも入ることも可能だと言われるが、階段は現れないので結局は諦めるしかないのだ。
しかし2階に降りると、景色は一変して緑豊かな森の中になる。
しかも迷路のように進む方向を間違えると魔物が待ち構えているが、『初心者のダンジョン』と言われる由来の通り、極めてレベルの低いモノしか現れない。
おかげで薬草などが取り放題なのだが、経験値を稼ぐぐらいしか活用法がないと、さっさと最下層を目指す者が多かった。
それは今バルトロメイが降り立った3階も同じだが、作りがまったく違う。
自然らしい物はまったくなくなって見渡す限り石造りの神殿のような造りになっており、長く続く廊下の両側に無数の扉が等間隔で設えてあった。
この扉のどれでも1つ開ければ宝箱があったり魔物がいるのだが、その中の1つだけ何もない部屋があり、地上に続く廊下に出る。
いわゆる『当たり』の部屋なのだが場所はランダムで、しかも明確なボスというのが発現しないため、いつまでたってもこのダンジョンは消えない。
魔物のレベルにしろ宝箱に入っている代物にしろ、レアな物は1つもなく、本当に『ダンジョンに慣れるため』に存在しているとしか思えなかった。
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