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第二章 アーウェン少年期 領地編
少年は強さを求める ②
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だがアーウェンが義父から言い聞かされたのは『強さにこだわってはいけない』だった。
リグレが多少無理をしても何も言われないのに、アーウェンはダメらしい。
どうしてと駄々を捏ねればよかったのかもしれないが、その術さえ知らず、素直にアーウェンは頷いた──少し悲しそうに。
だが何が悲しいのか、わからない。
ただなんとなく「そうなんだ」と納得できなかった。
「はーい。アーウェン様はここまでですよー」
「ここ……おわり……」
「はい。終わりです。他の奴らはもう少し基礎運動しますんで、休んでてください。その後からはまた訓練に参加できますから、水分を取って、身体は冷やさないように……カラ、アーウェン様の汗をきっちり拭いて、新しい訓練着を」
「はい!お任せください」
副大隊長代理のギリーがテキパキと指示を出す。
アーウェンは「もうちょっと」と言いたいが、言っていいのか、どう言っていいのかと考えているうちに、カラにも指示が出されて柔らかい布が首に当てられた。
頭から顔、腕、上着を脱がされて上半身の汗とどんどん身体が綺麗になっていく。
もちろんそのままで放置されることなく、新しい服に着替えさせてもらい、濃すぎない果実水が少しずつ与えられ、息も整っていく。
「……だいぶ丈夫になられましたね」
「そう……なのかな……」
領都の邸にやってきた義兄と再会した日にも『背が伸びた』と言われたが、アーウェン自身はちっとも成長したとは思えない。
確かに模擬剣代わりの軽い棒を握る手の力は少し強くなった気がするし、一周走っただけで止まっていた足はちゃんと動かせる。
まだたくさんの腹筋や腕立て伏せとか屈伸ができるわけではないが、「今日は5回できた」「今日は昨日より2回多くできた」とカラが数えててくれて、しかも記録まで付けてくれていた。
勉強も少しずつできるようになってきて、内容がわからなくても『言葉』を読むことができるようになってきた。
綴りも覚えて、エレノアに短い絵本を読めるようにもなり、描かれている絵が何なのかも少しずつ理解できるようになっている。
そう思えばやはりアーウェンは『成長している』のだろうが、やはり『強くなっている』とは思えなかった。
リグレが多少無理をしても何も言われないのに、アーウェンはダメらしい。
どうしてと駄々を捏ねればよかったのかもしれないが、その術さえ知らず、素直にアーウェンは頷いた──少し悲しそうに。
だが何が悲しいのか、わからない。
ただなんとなく「そうなんだ」と納得できなかった。
「はーい。アーウェン様はここまでですよー」
「ここ……おわり……」
「はい。終わりです。他の奴らはもう少し基礎運動しますんで、休んでてください。その後からはまた訓練に参加できますから、水分を取って、身体は冷やさないように……カラ、アーウェン様の汗をきっちり拭いて、新しい訓練着を」
「はい!お任せください」
副大隊長代理のギリーがテキパキと指示を出す。
アーウェンは「もうちょっと」と言いたいが、言っていいのか、どう言っていいのかと考えているうちに、カラにも指示が出されて柔らかい布が首に当てられた。
頭から顔、腕、上着を脱がされて上半身の汗とどんどん身体が綺麗になっていく。
もちろんそのままで放置されることなく、新しい服に着替えさせてもらい、濃すぎない果実水が少しずつ与えられ、息も整っていく。
「……だいぶ丈夫になられましたね」
「そう……なのかな……」
領都の邸にやってきた義兄と再会した日にも『背が伸びた』と言われたが、アーウェン自身はちっとも成長したとは思えない。
確かに模擬剣代わりの軽い棒を握る手の力は少し強くなった気がするし、一周走っただけで止まっていた足はちゃんと動かせる。
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勉強も少しずつできるようになってきて、内容がわからなくても『言葉』を読むことができるようになってきた。
綴りも覚えて、エレノアに短い絵本を読めるようにもなり、描かれている絵が何なのかも少しずつ理解できるようになっている。
そう思えばやはりアーウェンは『成長している』のだろうが、やはり『強くなっている』とは思えなかった。
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