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分からせパート
第14話 美奈ちゃんを攻略しよう!
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ターゲット:香久山美奈
攻略期間:3日
作戦:鈍感
朝送られてきた鹿波ちゃんからのメッセージを見て首を傾げる。
「作戦が鈍感って……どういうこと?」
頭上にハテナが浮かぶ。
この時点でもう鈍感なのか?
それと、立夏ちゃんはアレから2番目の彼女として内緒で付き合うことになった。
告白の言葉として、"2番目"の彼女というのは最低と思うが、『のちのち意味が分かるから』と鹿波ちゃんが言っていたので今は指示に従うのみ。
そして、香久山美奈という人物についておさらいする。
金髪のサイドテールに、一見強気に見えるつり目。
胸は普通サイズで、生徒会のメンバー。
面倒見もいいし、オタクに優しいギャル属性。
本人情報によると彼氏持ちらしい。
…………ん?
よくよく考えでみれば彼氏から寝取るのか?
ま、まぁ危なかったら中断すればいっか。
◆
1時限目。
先生が体調不良で休み。
自習になったのだが、香久山さんに呼び出され、いつもの校舎の3階の奥にある教室にきていた。
そして——いきなりピンチに陥ってる。
ドン!
「おい日浦。アタシの弁当を5日も食わないでどこほっつきあるいてたんだ? あ?」
壁ドンされてます、はい。
……もしかして鈍感って、とぼけて乗り切れってこと?
「こっちはな、毎回美味しいって言ってもらえるように丹精込めて作ってんだよ!」
確かに作る側からしたら、迷惑だったかもしれない。
でも彼氏さんが十分喜ぶくらいの腕前だけどなぁ。
「お前が食わなかった期間で腕が落ちたかもしれないだろうが。どう責任を取ってくれるんだ?」
「え、えー……」
責任って……大袈裟だよ、というと余計に怒るから言わないでおこう。
お金は鹿波ちゃんが管理してるし、僕が提供できるものとなればこの身を捧げるしか……。
——あ!
「お出かけでもどうですか!!」
思いつきで言ってしまった。
彼氏持ちに何を言ってるんだ。
こんなの断られるに——
「ま、まぁ……それでいいや」
「へ……?」
香久山さんは何故か頬を少し染め、首を縦に振るのであった。
◆
迎えた休日。
私服に着替えて校門前に集合していた。
ラベンダーの香りをふわりと漂わせながら喋るのは、立夏ちゃん。
今日はいつものポニーテールを下ろし、大人っぽい服装をしている。
香久山さんが顔を顰める。
「なんでお前がいるんだ、立夏」
「大晴くんから話を聞いたからだよ」
「おい日浦、バラすなって言っただろ」
「同じ日に立夏ちゃんとも遊ぼって誘われて、断ったら理由をしつこく聞かれたんだよ……」
あの時の立夏ちゃんは怖かった。
『私、彼女だよね? 彼女より優先することあるの?』
などと責め立てられ、ついには「2番目の彼女ってバラしちゃおっかな~」と脅してきた。
生徒会の3人を落としてから次のステップに進みたい僕からしたら厄介なので仕方なく話したのだ。
……僕、悪くないよ。
「立夏ちゃんって……アタシはまだなのに立夏は名前で呼んでるのか」
香久山さんが拗ねたように唇を尖らせた。
「そもそも、男子が外出する際は、男性警護官を付けるか、学園から2人選んでボディーガードさせるのが校則だったでしょ」
「あー忘れたわ」
僕も初めて知った。
前回は男性警護官だったもんなぁ。
「納得もしたことだし……じゃあいこっ、大晴くん♪」
と、立夏ちゃんが腕を組んできた。
「おいおら、今日は元々アタシと日浦のデートだっだんだからなっ。邪魔すんなよ!」
「さぁ、どうだろう~」
賑やかなお出かけが始まりそうだ。
……ん?
デートとは一言も言ってないよ?
攻略期間:3日
作戦:鈍感
朝送られてきた鹿波ちゃんからのメッセージを見て首を傾げる。
「作戦が鈍感って……どういうこと?」
頭上にハテナが浮かぶ。
この時点でもう鈍感なのか?
それと、立夏ちゃんはアレから2番目の彼女として内緒で付き合うことになった。
告白の言葉として、"2番目"の彼女というのは最低と思うが、『のちのち意味が分かるから』と鹿波ちゃんが言っていたので今は指示に従うのみ。
そして、香久山美奈という人物についておさらいする。
金髪のサイドテールに、一見強気に見えるつり目。
胸は普通サイズで、生徒会のメンバー。
面倒見もいいし、オタクに優しいギャル属性。
本人情報によると彼氏持ちらしい。
…………ん?
よくよく考えでみれば彼氏から寝取るのか?
ま、まぁ危なかったら中断すればいっか。
◆
1時限目。
先生が体調不良で休み。
自習になったのだが、香久山さんに呼び出され、いつもの校舎の3階の奥にある教室にきていた。
そして——いきなりピンチに陥ってる。
ドン!
「おい日浦。アタシの弁当を5日も食わないでどこほっつきあるいてたんだ? あ?」
壁ドンされてます、はい。
……もしかして鈍感って、とぼけて乗り切れってこと?
「こっちはな、毎回美味しいって言ってもらえるように丹精込めて作ってんだよ!」
確かに作る側からしたら、迷惑だったかもしれない。
でも彼氏さんが十分喜ぶくらいの腕前だけどなぁ。
「お前が食わなかった期間で腕が落ちたかもしれないだろうが。どう責任を取ってくれるんだ?」
「え、えー……」
責任って……大袈裟だよ、というと余計に怒るから言わないでおこう。
お金は鹿波ちゃんが管理してるし、僕が提供できるものとなればこの身を捧げるしか……。
——あ!
「お出かけでもどうですか!!」
思いつきで言ってしまった。
彼氏持ちに何を言ってるんだ。
こんなの断られるに——
「ま、まぁ……それでいいや」
「へ……?」
香久山さんは何故か頬を少し染め、首を縦に振るのであった。
◆
迎えた休日。
私服に着替えて校門前に集合していた。
ラベンダーの香りをふわりと漂わせながら喋るのは、立夏ちゃん。
今日はいつものポニーテールを下ろし、大人っぽい服装をしている。
香久山さんが顔を顰める。
「なんでお前がいるんだ、立夏」
「大晴くんから話を聞いたからだよ」
「おい日浦、バラすなって言っただろ」
「同じ日に立夏ちゃんとも遊ぼって誘われて、断ったら理由をしつこく聞かれたんだよ……」
あの時の立夏ちゃんは怖かった。
『私、彼女だよね? 彼女より優先することあるの?』
などと責め立てられ、ついには「2番目の彼女ってバラしちゃおっかな~」と脅してきた。
生徒会の3人を落としてから次のステップに進みたい僕からしたら厄介なので仕方なく話したのだ。
……僕、悪くないよ。
「立夏ちゃんって……アタシはまだなのに立夏は名前で呼んでるのか」
香久山さんが拗ねたように唇を尖らせた。
「そもそも、男子が外出する際は、男性警護官を付けるか、学園から2人選んでボディーガードさせるのが校則だったでしょ」
「あー忘れたわ」
僕も初めて知った。
前回は男性警護官だったもんなぁ。
「納得もしたことだし……じゃあいこっ、大晴くん♪」
と、立夏ちゃんが腕を組んできた。
「おいおら、今日は元々アタシと日浦のデートだっだんだからなっ。邪魔すんなよ!」
「さぁ、どうだろう~」
賑やかなお出かけが始まりそうだ。
……ん?
デートとは一言も言ってないよ?
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