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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
第10話 男の出番のようです
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【今回の学習】
男という人間の使い道
—————————————————————
「アツ、ちょっといいかな?」
「ん?」
ソファーで休憩していると朱莉に話しかけられた。何やら不安そうな感じだ。
「相談したいことがあって……」
片付けをしている母さん、花織さん、梨月に気づかれたくないのか、小声で話し掛けられる。
「俺で良かったらいいよ」
朱莉の雰囲気からして結構重大な相談ごとだと察する。
それから朱莉の部屋に場所を移動して相談を持ちかけられる。
「おねぇと向葵がお風呂に入っている間に手短に話すね」
ということは、この2人のどちらかに関係する話か。
すると、朱莉は引き出しから何かを取り出した。
「これ、見て」
渡された物は泥だらけ、傷だらけでボロボロになった筆箱だった。中を開けると、鉛筆や定規が真っ二つに折れていたりと見るも無惨な姿になっていた。
「これは向葵の持ち物なんだけど……本人は落として壊しちゃったって言ってるの……」
「いやこれはどう見たって……」
イジメられているだろ
落としたとかいうレベルじゃない。きっと他人の手でやられたものだ。
「向葵は可愛いし、愛嬌もあるから男に人気なの……」
「それに嫉妬した同級生がやったと……」
「そういうこと」
なんだよそれ……。
嫉妬してそのストレス解消に向葵ちゃんの物を壊すとは許せない。
何より、自分がイジメというものを経験している為、ますます許せない。
「向葵ちゃんをイジメている子って特定できてる?」
「複数人いるけど、その中でもタチが悪いのは石川優子って子。クラスを仕切るボス的存在」
名前と行動が一致してないな。
石川優子……覚えた。
「あと、イジメとは別の問題なんだけど、向葵にひつこく付き纏う男がいるの」
「ほう。どいつだ?」
「名前は豪田茂。ガキ大将といったところ」
向葵ちゃんの可愛さに魅力されたか。気持ちは……わからなくもないが、やはり犯罪まがいなことをやっているのは許せない。
「最近はさらに酷くて、勝手にプレゼントを送ったり、ストカーまがいなことをしたり……」
「そいつは酷いな……」
小学生でそこまで執着するとは……。
「了解。その2人にギャフンと言わせてやればいいのね」
「うん、お願い。男という特権を使っちゃうけど……」
「正しい使い方だと思うぞ。相談してくれてありがとうな」
俺の言葉に少しだけホッとした様子の朱莉。
俺が男で良かったと思える瞬間が来たようだ。
待ってろよイジメっ子どもめ。お前らに復讐してやるよ。
男という人間の使い道
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「アツ、ちょっといいかな?」
「ん?」
ソファーで休憩していると朱莉に話しかけられた。何やら不安そうな感じだ。
「相談したいことがあって……」
片付けをしている母さん、花織さん、梨月に気づかれたくないのか、小声で話し掛けられる。
「俺で良かったらいいよ」
朱莉の雰囲気からして結構重大な相談ごとだと察する。
それから朱莉の部屋に場所を移動して相談を持ちかけられる。
「おねぇと向葵がお風呂に入っている間に手短に話すね」
ということは、この2人のどちらかに関係する話か。
すると、朱莉は引き出しから何かを取り出した。
「これ、見て」
渡された物は泥だらけ、傷だらけでボロボロになった筆箱だった。中を開けると、鉛筆や定規が真っ二つに折れていたりと見るも無惨な姿になっていた。
「これは向葵の持ち物なんだけど……本人は落として壊しちゃったって言ってるの……」
「いやこれはどう見たって……」
イジメられているだろ
落としたとかいうレベルじゃない。きっと他人の手でやられたものだ。
「向葵は可愛いし、愛嬌もあるから男に人気なの……」
「それに嫉妬した同級生がやったと……」
「そういうこと」
なんだよそれ……。
嫉妬してそのストレス解消に向葵ちゃんの物を壊すとは許せない。
何より、自分がイジメというものを経験している為、ますます許せない。
「向葵ちゃんをイジメている子って特定できてる?」
「複数人いるけど、その中でもタチが悪いのは石川優子って子。クラスを仕切るボス的存在」
名前と行動が一致してないな。
石川優子……覚えた。
「あと、イジメとは別の問題なんだけど、向葵にひつこく付き纏う男がいるの」
「ほう。どいつだ?」
「名前は豪田茂。ガキ大将といったところ」
向葵ちゃんの可愛さに魅力されたか。気持ちは……わからなくもないが、やはり犯罪まがいなことをやっているのは許せない。
「最近はさらに酷くて、勝手にプレゼントを送ったり、ストカーまがいなことをしたり……」
「そいつは酷いな……」
小学生でそこまで執着するとは……。
「了解。その2人にギャフンと言わせてやればいいのね」
「うん、お願い。男という特権を使っちゃうけど……」
「正しい使い方だと思うぞ。相談してくれてありがとうな」
俺の言葉に少しだけホッとした様子の朱莉。
俺が男で良かったと思える瞬間が来たようだ。
待ってろよイジメっ子どもめ。お前らに復讐してやるよ。
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