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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
第4話 何か隠してる
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【今回の学習】
何やらみんな隠してる……
—————————————————————
3時間目の休み時間になってようやく教室に帰ってきた。
「アツ!おねぇから変なことされなかった?」
教室に入るなり、慌てた様子で聞いてくる朱莉。
他のみんなも心配している様子で駆け寄ってきた。
「お、おう?至って普通の校内案内だったぞ?」
全ての場所には行かなかったが、大体の施設は分かりやすい説明付きで案内してもらった。
「そ、そっか……」
ほっと一息つく朱莉。
「逆に普通じゃない校内案内の方を知りたい」
「え、え!?」
そう聞くと、顔を真っ赤にして慌てふためき始めた。
そんな動揺されるとますます気になる……。
「教えてくれないのか?」
「あ、いや……そのさ……」
「?」
なんか言いにくそうな感じだ。普通じゃない校内案内がますます気になる。
「た、例えば……身体に密着されたり、誘惑されたり……」
あーそういうことね。
「朱莉ちゃんのエッチ~」
「なっ!?」
顔を真っ赤にする朱莉にニヤニヤしながら抱きつく和奏。何やら2人でコソコソ話し始めた。
「ちなみに密着はされたぞ」
「されたの!?」
「お、おう……。なんでも『こうやって密着することによって、襲われないんですよ?』って、言われたから」
「た、確かにおねぇの言ってることは正しいけど……。あーもう!Queensってズルい!」
「はいはい。あっちに行こうねー」
和奏によって遠くに移動される朱莉。なんだかキャラが安定しないな。
「碧月くんは誰か指名するの?」
「おお、翠か。まだ馴染めてないし、考えてないよ」
仕組み自体も説明を受けただけで完全に分かったわけじゃないからな。
「そっかそっか。まあ、美少女ハーレム確定だから安心しなよ」
「自分のことを美少女とか言うんだな」
「普通の人よりは自信あるよ」
「まあ本当に美少女だからいいけどさ。そうハッキリ言うの、潔くて俺は好きだぞ」
「やったね。ところで朱莉から聞いたよ。痩せて帰ってきたらパラレルワールドになってたとか」
うっ……。思い出したくない過去を……。
「ああ、そうなんだ。せっかく見返してやろうと思ったのにな……」
ラノベのざまぁ展開に少し憧れがあって楽しみにしていたのに、肝心のざまぁする相手がいないからなー…。
あと、家族に迷惑掛けてたと知ったあの日の土下座祭りは一生忘れないと思う。
「つまり、碧月くんの修行は無駄だったと」
「人が気にしていることをズケズケと言うなよ……」
ほんと、何のために痩せたか分からなくなるから……。
地味にその言葉、ダメージあるんだぞ?
「まあまあ。イケメンは需要があるから良いじゃないかー」
ポンポンと肩を叩かれ慰められる。
やっぱりパラレルワールドでもイケメンって人気なのか……。
「俺もイケメンになれたらなー」
痩せて脂肪が落ちて体型が変わっても、顔は変わらないからな。
母さんと梨月はあんなに美形なのになぁ……。
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
翠はまるで「信じられない……」という表情で俺を見る。
「本当に言ってるの?」
「ん?」
「イケメンって……」
「おう。イケメンに憧れるのは変か?」
「本気で言ってる?」
「?」
訳がわからず首を傾げる。
俺はもう、イケメンを目指せないのか?
「翠、アツは無自覚イケメンだから何を言っても無駄だよ」
状況が分かってない俺を差し置き、朱莉は呆れたようにそう言う。
無自覚?イケメン?なんか無駄って言われたけどそれは悪口かな?
「これは危ないね。僕たちでしっかり守らないと」
翠がまるで「大ごとみたいだ」に思っている時、教室のドアが開いた。
「皆さん、次の授業は通常通りだそうです」
どこかに行っていたのか、恋白と野々音が教室に入ってきた。
「あっ、碧月さん!無事で良かったです」
「ん、まあよかった」
えっ、なんでただの校内案内で俺はこんなに心配されてるの……?
というか……
「俺がいない間、みんな何してたの?」
「あーそれはですねー……」
そう聞くと、みんなバツが悪そうな顔をした。
聞いたらまずいことだったか?
「簡単に言えば今後の作戦会議みたいなものものだね」
「そ、そうか」
今後の作戦会議……。護衛の打ち合わせか?
本当はもっと聞きたかったが、「聞かないで!」というオーラが凄かったこでそっとしておくことにした。
何やらみんな隠してる……
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3時間目の休み時間になってようやく教室に帰ってきた。
「アツ!おねぇから変なことされなかった?」
教室に入るなり、慌てた様子で聞いてくる朱莉。
他のみんなも心配している様子で駆け寄ってきた。
「お、おう?至って普通の校内案内だったぞ?」
全ての場所には行かなかったが、大体の施設は分かりやすい説明付きで案内してもらった。
「そ、そっか……」
ほっと一息つく朱莉。
「逆に普通じゃない校内案内の方を知りたい」
「え、え!?」
そう聞くと、顔を真っ赤にして慌てふためき始めた。
そんな動揺されるとますます気になる……。
「教えてくれないのか?」
「あ、いや……そのさ……」
「?」
なんか言いにくそうな感じだ。普通じゃない校内案内がますます気になる。
「た、例えば……身体に密着されたり、誘惑されたり……」
あーそういうことね。
「朱莉ちゃんのエッチ~」
「なっ!?」
顔を真っ赤にする朱莉にニヤニヤしながら抱きつく和奏。何やら2人でコソコソ話し始めた。
「ちなみに密着はされたぞ」
「されたの!?」
「お、おう……。なんでも『こうやって密着することによって、襲われないんですよ?』って、言われたから」
「た、確かにおねぇの言ってることは正しいけど……。あーもう!Queensってズルい!」
「はいはい。あっちに行こうねー」
和奏によって遠くに移動される朱莉。なんだかキャラが安定しないな。
「碧月くんは誰か指名するの?」
「おお、翠か。まだ馴染めてないし、考えてないよ」
仕組み自体も説明を受けただけで完全に分かったわけじゃないからな。
「そっかそっか。まあ、美少女ハーレム確定だから安心しなよ」
「自分のことを美少女とか言うんだな」
「普通の人よりは自信あるよ」
「まあ本当に美少女だからいいけどさ。そうハッキリ言うの、潔くて俺は好きだぞ」
「やったね。ところで朱莉から聞いたよ。痩せて帰ってきたらパラレルワールドになってたとか」
うっ……。思い出したくない過去を……。
「ああ、そうなんだ。せっかく見返してやろうと思ったのにな……」
ラノベのざまぁ展開に少し憧れがあって楽しみにしていたのに、肝心のざまぁする相手がいないからなー…。
あと、家族に迷惑掛けてたと知ったあの日の土下座祭りは一生忘れないと思う。
「つまり、碧月くんの修行は無駄だったと」
「人が気にしていることをズケズケと言うなよ……」
ほんと、何のために痩せたか分からなくなるから……。
地味にその言葉、ダメージあるんだぞ?
「まあまあ。イケメンは需要があるから良いじゃないかー」
ポンポンと肩を叩かれ慰められる。
やっぱりパラレルワールドでもイケメンって人気なのか……。
「俺もイケメンになれたらなー」
痩せて脂肪が落ちて体型が変わっても、顔は変わらないからな。
母さんと梨月はあんなに美形なのになぁ……。
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
翠はまるで「信じられない……」という表情で俺を見る。
「本当に言ってるの?」
「ん?」
「イケメンって……」
「おう。イケメンに憧れるのは変か?」
「本気で言ってる?」
「?」
訳がわからず首を傾げる。
俺はもう、イケメンを目指せないのか?
「翠、アツは無自覚イケメンだから何を言っても無駄だよ」
状況が分かってない俺を差し置き、朱莉は呆れたようにそう言う。
無自覚?イケメン?なんか無駄って言われたけどそれは悪口かな?
「これは危ないね。僕たちでしっかり守らないと」
翠がまるで「大ごとみたいだ」に思っている時、教室のドアが開いた。
「皆さん、次の授業は通常通りだそうです」
どこかに行っていたのか、恋白と野々音が教室に入ってきた。
「あっ、碧月さん!無事で良かったです」
「ん、まあよかった」
えっ、なんでただの校内案内で俺はこんなに心配されてるの……?
というか……
「俺がいない間、みんな何してたの?」
「あーそれはですねー……」
そう聞くと、みんなバツが悪そうな顔をした。
聞いたらまずいことだったか?
「簡単に言えば今後の作戦会議みたいなものものだね」
「そ、そうか」
今後の作戦会議……。護衛の打ち合わせか?
本当はもっと聞きたかったが、「聞かないで!」というオーラが凄かったこでそっとしておくことにした。
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