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第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
第1話 男女在籍皇義学園都市
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【今回の学習】
皇義学園への通学手段は徒歩ではなくモノレール
※決まり事
男が乗車する場合は必ず、女性を1人以上同伴させること
————————————————————
「すげぇぇー!!」
窓から見える景色を見て、興奮気味にそう言う。
学園への通学手段は徒歩ではなく、モノレールだ。しかも、各学校こどに専用のモノレールがある。
たが、モノレールに乗る時は条件があり、男が乗る場合は必ず1人、女性を同乗させないといけないのだ。
なので……
「お兄ちゃん、あんまりはしゃぎ過ぎたら危ないですよ?」
妹の梨月と乗っている。
「いやいや。徒歩で登校と思いきやモノレールだぞ。テンション上がるだろ!」
「私は毎日乗ってるからなんとも思わないかな……?」
ちなみに乗っているのは俺たちだけだ。
タマちゃんが指定した時間が1時間目開始の時間なので学生はすでに登校済みだからだ。
「梨月、ごめんな。俺のせいで授業遅れることになって」
「大丈夫ですよ。……それにお兄ちゃんと一緒に登校できて嬉しいしですし……」
後半は何を言っているか聞き取れなかったが、うさ耳シュシュがピョコピョコ左右に揺れているのが可愛い。
「お兄ちゃん、私ならいつでも一緒に登校したり、帰ったりしてあげますからね?」
「お、おう……?」
やけに真剣な目をしているな……。それほどモノレールに男が1人で乗ることが危険なのか……。
「じゃあ学園に着くまで昨日、教えたことについてのおさらいね?」
「おう」
昨晩、梨月がボードを使って分かりやすく説明してくれたおかげでこの腕輪の仕組みについてはバッチリ覚えた。
「13歳から18歳 の学生の間は、白き腕輪か黒き腕輪のどちらかを装着しなければいけません。 2つの腕輪に共通する役割を3つ答えて下さい」
「えーと、学園に入るための証明書の役割と自分の個人情報を保管する役割と皇義学園で使用する機能を保管する役割」
「正解です」
「では、白き腕輪と黒き腕輪の違いは何ですか?」
「白き腕輪は性行為に消極的、または少人数としか性行為をしない証。 黒き腕輪は性行為に積極的で大人数で誰とでも性行為をして良いという証」
「はい正解です。 お兄ちゃんは一生白き腕輪のままでいいからね?」
梨月は白き腕輪の話になるとこうやって怖い笑顔を向けてくる。
「しかし、この腕輪一つで色んなことが出来るなんて世の中も進歩したなぁー」
「人口が半減した事によって、AIなどの機械化が急速に進みましたからね。今では半減した分まで補えています」
確かに、このモノレールだって機械化の影響だよな。そのおかげで楽できてるけど。
「私が教えたのはほんの一部ですからね?学園に行ったらまだまだ覚えることはたくさんあります」
「そんなにルールがあるのかよ」
「これも男性を絶滅させないための対策ですから」
俺はこのパラレルワールドの世界で知らないことがまだまだありそうだ。
◇ ◇ ◇
「それにしてもデカイなー…」
待ち合わせ場所である学園の入り口で建物を見上げる俺。
梨月は中等部の方なのであれから別れた。
【皇義学園】
正式名称は『男女在籍皇義学園都市』
男性が多く在籍することから日本でもかなり有名な学園で、毎年、日本各地から入学者が殺到するらしく、倍率は3桁越えが当たり前だとか。
教育施設などが豊富に揃っていることから『学園都市』と呼ばれている。
「ここに俺以外の男がいるのか……」
パラレルワールドに来て一週間。男が希少とあってまだ1人も会っていない。
男がちゃんといるのかも不安だが……
「ちゃんと学園生活送れるかな……?」
学校に通うのは小学校以来だ。中学と高校1年の時は通信教育だったから、同年代の子と学校生活を送るのは久々だ。
朱莉もこの学園に通っているからぼっちは免れると思うが、朱莉以外にも友達を作れるか心配だ。
「男が少ないってことは、クラスの大半は女子ということか……」
クラスって大体20~30人くらいだよな?男が俺1人だったらどうしよう……。上手く馴染めるかな……?
「何をそんな百面相しておる、八神坊」
「うおっ!?タマちゃん!」
学園生活に不安を抱いていると、いつの間にか椛珠音こと、タマちゃんがいた。
「ちょっと考え事をしていただけだよ」
そう答えるも、タマちゃんは不思議そうに俺を見ていた。
「まあ何はともあれ、無事に登校してきて何よりだ」
「お、おう……?」
男が学園に無事に登校できるかも不安な世界なのか……。
「まずは八神坊にこれを言ってやらないといけないな」
すると、タマちゃんはニカッと笑い……
「ようこそ。パラレルワールドの学園、皇義学園へ」
俺に向かってそう言った。
パラレルワールドの学園。一体どうなっているのか……。
緊張か興奮か分からないが、ゴクリと唾を飲む。
「さてと。立ち話しもこれくらいにして、八神坊の教室に案内する」
それからタマちゃんの後をついていった。
校内は白を基調としたデザインで、やはり中も広々としている。
そしてタマちゃんが一つの部屋の前で止まった。
「八神坊、ここがお前さんの教室だ」
教室の入り口の上には『選考クラス 2ーW』いうボードがあった。
「じゃあ私の後に入ってこい」
そう言うと、教室のドアを開けて中に入って行くタマちゃん。その後について行く。
「えっ……」
そして中に入った俺は驚いた。
何故なら、教室には———5人の女の子しかいなかったから。
皇義学園への通学手段は徒歩ではなくモノレール
※決まり事
男が乗車する場合は必ず、女性を1人以上同伴させること
————————————————————
「すげぇぇー!!」
窓から見える景色を見て、興奮気味にそう言う。
学園への通学手段は徒歩ではなく、モノレールだ。しかも、各学校こどに専用のモノレールがある。
たが、モノレールに乗る時は条件があり、男が乗る場合は必ず1人、女性を同乗させないといけないのだ。
なので……
「お兄ちゃん、あんまりはしゃぎ過ぎたら危ないですよ?」
妹の梨月と乗っている。
「いやいや。徒歩で登校と思いきやモノレールだぞ。テンション上がるだろ!」
「私は毎日乗ってるからなんとも思わないかな……?」
ちなみに乗っているのは俺たちだけだ。
タマちゃんが指定した時間が1時間目開始の時間なので学生はすでに登校済みだからだ。
「梨月、ごめんな。俺のせいで授業遅れることになって」
「大丈夫ですよ。……それにお兄ちゃんと一緒に登校できて嬉しいしですし……」
後半は何を言っているか聞き取れなかったが、うさ耳シュシュがピョコピョコ左右に揺れているのが可愛い。
「お兄ちゃん、私ならいつでも一緒に登校したり、帰ったりしてあげますからね?」
「お、おう……?」
やけに真剣な目をしているな……。それほどモノレールに男が1人で乗ることが危険なのか……。
「じゃあ学園に着くまで昨日、教えたことについてのおさらいね?」
「おう」
昨晩、梨月がボードを使って分かりやすく説明してくれたおかげでこの腕輪の仕組みについてはバッチリ覚えた。
「13歳から18歳 の学生の間は、白き腕輪か黒き腕輪のどちらかを装着しなければいけません。 2つの腕輪に共通する役割を3つ答えて下さい」
「えーと、学園に入るための証明書の役割と自分の個人情報を保管する役割と皇義学園で使用する機能を保管する役割」
「正解です」
「では、白き腕輪と黒き腕輪の違いは何ですか?」
「白き腕輪は性行為に消極的、または少人数としか性行為をしない証。 黒き腕輪は性行為に積極的で大人数で誰とでも性行為をして良いという証」
「はい正解です。 お兄ちゃんは一生白き腕輪のままでいいからね?」
梨月は白き腕輪の話になるとこうやって怖い笑顔を向けてくる。
「しかし、この腕輪一つで色んなことが出来るなんて世の中も進歩したなぁー」
「人口が半減した事によって、AIなどの機械化が急速に進みましたからね。今では半減した分まで補えています」
確かに、このモノレールだって機械化の影響だよな。そのおかげで楽できてるけど。
「私が教えたのはほんの一部ですからね?学園に行ったらまだまだ覚えることはたくさんあります」
「そんなにルールがあるのかよ」
「これも男性を絶滅させないための対策ですから」
俺はこのパラレルワールドの世界で知らないことがまだまだありそうだ。
◇ ◇ ◇
「それにしてもデカイなー…」
待ち合わせ場所である学園の入り口で建物を見上げる俺。
梨月は中等部の方なのであれから別れた。
【皇義学園】
正式名称は『男女在籍皇義学園都市』
男性が多く在籍することから日本でもかなり有名な学園で、毎年、日本各地から入学者が殺到するらしく、倍率は3桁越えが当たり前だとか。
教育施設などが豊富に揃っていることから『学園都市』と呼ばれている。
「ここに俺以外の男がいるのか……」
パラレルワールドに来て一週間。男が希少とあってまだ1人も会っていない。
男がちゃんといるのかも不安だが……
「ちゃんと学園生活送れるかな……?」
学校に通うのは小学校以来だ。中学と高校1年の時は通信教育だったから、同年代の子と学校生活を送るのは久々だ。
朱莉もこの学園に通っているからぼっちは免れると思うが、朱莉以外にも友達を作れるか心配だ。
「男が少ないってことは、クラスの大半は女子ということか……」
クラスって大体20~30人くらいだよな?男が俺1人だったらどうしよう……。上手く馴染めるかな……?
「何をそんな百面相しておる、八神坊」
「うおっ!?タマちゃん!」
学園生活に不安を抱いていると、いつの間にか椛珠音こと、タマちゃんがいた。
「ちょっと考え事をしていただけだよ」
そう答えるも、タマちゃんは不思議そうに俺を見ていた。
「まあ何はともあれ、無事に登校してきて何よりだ」
「お、おう……?」
男が学園に無事に登校できるかも不安な世界なのか……。
「まずは八神坊にこれを言ってやらないといけないな」
すると、タマちゃんはニカッと笑い……
「ようこそ。パラレルワールドの学園、皇義学園へ」
俺に向かってそう言った。
パラレルワールドの学園。一体どうなっているのか……。
緊張か興奮か分からないが、ゴクリと唾を飲む。
「さてと。立ち話しもこれくらいにして、八神坊の教室に案内する」
それからタマちゃんの後をついていった。
校内は白を基調としたデザインで、やはり中も広々としている。
そしてタマちゃんが一つの部屋の前で止まった。
「八神坊、ここがお前さんの教室だ」
教室の入り口の上には『選考クラス 2ーW』いうボードがあった。
「じゃあ私の後に入ってこい」
そう言うと、教室のドアを開けて中に入って行くタマちゃん。その後について行く。
「えっ……」
そして中に入った俺は驚いた。
何故なら、教室には———5人の女の子しかいなかったから。
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