12 / 29
第1章 学園編〜天然王子とその護衛(クラスメイト)たち
第1話 男女在籍皇義学園都市
しおりを挟む
【今回の学習】
皇義学園への通学手段は徒歩ではなくモノレール
※決まり事
男が乗車する場合は必ず、女性を1人以上同伴させること
————————————————————
「すげぇぇー!!」
窓から見える景色を見て、興奮気味にそう言う。
学園への通学手段は徒歩ではなく、モノレールだ。しかも、各学校こどに専用のモノレールがある。
たが、モノレールに乗る時は条件があり、男が乗る場合は必ず1人、女性を同乗させないといけないのだ。
なので……
「お兄ちゃん、あんまりはしゃぎ過ぎたら危ないですよ?」
妹の梨月と乗っている。
「いやいや。徒歩で登校と思いきやモノレールだぞ。テンション上がるだろ!」
「私は毎日乗ってるからなんとも思わないかな……?」
ちなみに乗っているのは俺たちだけだ。
タマちゃんが指定した時間が1時間目開始の時間なので学生はすでに登校済みだからだ。
「梨月、ごめんな。俺のせいで授業遅れることになって」
「大丈夫ですよ。……それにお兄ちゃんと一緒に登校できて嬉しいしですし……」
後半は何を言っているか聞き取れなかったが、うさ耳シュシュがピョコピョコ左右に揺れているのが可愛い。
「お兄ちゃん、私ならいつでも一緒に登校したり、帰ったりしてあげますからね?」
「お、おう……?」
やけに真剣な目をしているな……。それほどモノレールに男が1人で乗ることが危険なのか……。
「じゃあ学園に着くまで昨日、教えたことについてのおさらいね?」
「おう」
昨晩、梨月がボードを使って分かりやすく説明してくれたおかげでこの腕輪の仕組みについてはバッチリ覚えた。
「13歳から18歳 の学生の間は、白き腕輪か黒き腕輪のどちらかを装着しなければいけません。 2つの腕輪に共通する役割を3つ答えて下さい」
「えーと、学園に入るための証明書の役割と自分の個人情報を保管する役割と皇義学園で使用する機能を保管する役割」
「正解です」
「では、白き腕輪と黒き腕輪の違いは何ですか?」
「白き腕輪は性行為に消極的、または少人数としか性行為をしない証。 黒き腕輪は性行為に積極的で大人数で誰とでも性行為をして良いという証」
「はい正解です。 お兄ちゃんは一生白き腕輪のままでいいからね?」
梨月は白き腕輪の話になるとこうやって怖い笑顔を向けてくる。
「しかし、この腕輪一つで色んなことが出来るなんて世の中も進歩したなぁー」
「人口が半減した事によって、AIなどの機械化が急速に進みましたからね。今では半減した分まで補えています」
確かに、このモノレールだって機械化の影響だよな。そのおかげで楽できてるけど。
「私が教えたのはほんの一部ですからね?学園に行ったらまだまだ覚えることはたくさんあります」
「そんなにルールがあるのかよ」
「これも男性を絶滅させないための対策ですから」
俺はこのパラレルワールドの世界で知らないことがまだまだありそうだ。
◇ ◇ ◇
「それにしてもデカイなー…」
待ち合わせ場所である学園の入り口で建物を見上げる俺。
梨月は中等部の方なのであれから別れた。
【皇義学園】
正式名称は『男女在籍皇義学園都市』
男性が多く在籍することから日本でもかなり有名な学園で、毎年、日本各地から入学者が殺到するらしく、倍率は3桁越えが当たり前だとか。
教育施設などが豊富に揃っていることから『学園都市』と呼ばれている。
「ここに俺以外の男がいるのか……」
パラレルワールドに来て一週間。男が希少とあってまだ1人も会っていない。
男がちゃんといるのかも不安だが……
「ちゃんと学園生活送れるかな……?」
学校に通うのは小学校以来だ。中学と高校1年の時は通信教育だったから、同年代の子と学校生活を送るのは久々だ。
朱莉もこの学園に通っているからぼっちは免れると思うが、朱莉以外にも友達を作れるか心配だ。
「男が少ないってことは、クラスの大半は女子ということか……」
クラスって大体20~30人くらいだよな?男が俺1人だったらどうしよう……。上手く馴染めるかな……?
「何をそんな百面相しておる、八神坊」
「うおっ!?タマちゃん!」
学園生活に不安を抱いていると、いつの間にか椛珠音こと、タマちゃんがいた。
「ちょっと考え事をしていただけだよ」
そう答えるも、タマちゃんは不思議そうに俺を見ていた。
「まあ何はともあれ、無事に登校してきて何よりだ」
「お、おう……?」
男が学園に無事に登校できるかも不安な世界なのか……。
「まずは八神坊にこれを言ってやらないといけないな」
すると、タマちゃんはニカッと笑い……
「ようこそ。パラレルワールドの学園、皇義学園へ」
俺に向かってそう言った。
パラレルワールドの学園。一体どうなっているのか……。
緊張か興奮か分からないが、ゴクリと唾を飲む。
「さてと。立ち話しもこれくらいにして、八神坊の教室に案内する」
それからタマちゃんの後をついていった。
校内は白を基調としたデザインで、やはり中も広々としている。
そしてタマちゃんが一つの部屋の前で止まった。
「八神坊、ここがお前さんの教室だ」
教室の入り口の上には『選考クラス 2ーW』いうボードがあった。
「じゃあ私の後に入ってこい」
そう言うと、教室のドアを開けて中に入って行くタマちゃん。その後について行く。
「えっ……」
そして中に入った俺は驚いた。
何故なら、教室には———5人の女の子しかいなかったから。
皇義学園への通学手段は徒歩ではなくモノレール
※決まり事
男が乗車する場合は必ず、女性を1人以上同伴させること
————————————————————
「すげぇぇー!!」
窓から見える景色を見て、興奮気味にそう言う。
学園への通学手段は徒歩ではなく、モノレールだ。しかも、各学校こどに専用のモノレールがある。
たが、モノレールに乗る時は条件があり、男が乗る場合は必ず1人、女性を同乗させないといけないのだ。
なので……
「お兄ちゃん、あんまりはしゃぎ過ぎたら危ないですよ?」
妹の梨月と乗っている。
「いやいや。徒歩で登校と思いきやモノレールだぞ。テンション上がるだろ!」
「私は毎日乗ってるからなんとも思わないかな……?」
ちなみに乗っているのは俺たちだけだ。
タマちゃんが指定した時間が1時間目開始の時間なので学生はすでに登校済みだからだ。
「梨月、ごめんな。俺のせいで授業遅れることになって」
「大丈夫ですよ。……それにお兄ちゃんと一緒に登校できて嬉しいしですし……」
後半は何を言っているか聞き取れなかったが、うさ耳シュシュがピョコピョコ左右に揺れているのが可愛い。
「お兄ちゃん、私ならいつでも一緒に登校したり、帰ったりしてあげますからね?」
「お、おう……?」
やけに真剣な目をしているな……。それほどモノレールに男が1人で乗ることが危険なのか……。
「じゃあ学園に着くまで昨日、教えたことについてのおさらいね?」
「おう」
昨晩、梨月がボードを使って分かりやすく説明してくれたおかげでこの腕輪の仕組みについてはバッチリ覚えた。
「13歳から18歳 の学生の間は、白き腕輪か黒き腕輪のどちらかを装着しなければいけません。 2つの腕輪に共通する役割を3つ答えて下さい」
「えーと、学園に入るための証明書の役割と自分の個人情報を保管する役割と皇義学園で使用する機能を保管する役割」
「正解です」
「では、白き腕輪と黒き腕輪の違いは何ですか?」
「白き腕輪は性行為に消極的、または少人数としか性行為をしない証。 黒き腕輪は性行為に積極的で大人数で誰とでも性行為をして良いという証」
「はい正解です。 お兄ちゃんは一生白き腕輪のままでいいからね?」
梨月は白き腕輪の話になるとこうやって怖い笑顔を向けてくる。
「しかし、この腕輪一つで色んなことが出来るなんて世の中も進歩したなぁー」
「人口が半減した事によって、AIなどの機械化が急速に進みましたからね。今では半減した分まで補えています」
確かに、このモノレールだって機械化の影響だよな。そのおかげで楽できてるけど。
「私が教えたのはほんの一部ですからね?学園に行ったらまだまだ覚えることはたくさんあります」
「そんなにルールがあるのかよ」
「これも男性を絶滅させないための対策ですから」
俺はこのパラレルワールドの世界で知らないことがまだまだありそうだ。
◇ ◇ ◇
「それにしてもデカイなー…」
待ち合わせ場所である学園の入り口で建物を見上げる俺。
梨月は中等部の方なのであれから別れた。
【皇義学園】
正式名称は『男女在籍皇義学園都市』
男性が多く在籍することから日本でもかなり有名な学園で、毎年、日本各地から入学者が殺到するらしく、倍率は3桁越えが当たり前だとか。
教育施設などが豊富に揃っていることから『学園都市』と呼ばれている。
「ここに俺以外の男がいるのか……」
パラレルワールドに来て一週間。男が希少とあってまだ1人も会っていない。
男がちゃんといるのかも不安だが……
「ちゃんと学園生活送れるかな……?」
学校に通うのは小学校以来だ。中学と高校1年の時は通信教育だったから、同年代の子と学校生活を送るのは久々だ。
朱莉もこの学園に通っているからぼっちは免れると思うが、朱莉以外にも友達を作れるか心配だ。
「男が少ないってことは、クラスの大半は女子ということか……」
クラスって大体20~30人くらいだよな?男が俺1人だったらどうしよう……。上手く馴染めるかな……?
「何をそんな百面相しておる、八神坊」
「うおっ!?タマちゃん!」
学園生活に不安を抱いていると、いつの間にか椛珠音こと、タマちゃんがいた。
「ちょっと考え事をしていただけだよ」
そう答えるも、タマちゃんは不思議そうに俺を見ていた。
「まあ何はともあれ、無事に登校してきて何よりだ」
「お、おう……?」
男が学園に無事に登校できるかも不安な世界なのか……。
「まずは八神坊にこれを言ってやらないといけないな」
すると、タマちゃんはニカッと笑い……
「ようこそ。パラレルワールドの学園、皇義学園へ」
俺に向かってそう言った。
パラレルワールドの学園。一体どうなっているのか……。
緊張か興奮か分からないが、ゴクリと唾を飲む。
「さてと。立ち話しもこれくらいにして、八神坊の教室に案内する」
それからタマちゃんの後をついていった。
校内は白を基調としたデザインで、やはり中も広々としている。
そしてタマちゃんが一つの部屋の前で止まった。
「八神坊、ここがお前さんの教室だ」
教室の入り口の上には『選考クラス 2ーW』いうボードがあった。
「じゃあ私の後に入ってこい」
そう言うと、教室のドアを開けて中に入って行くタマちゃん。その後について行く。
「えっ……」
そして中に入った俺は驚いた。
何故なら、教室には———5人の女の子しかいなかったから。
12
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます
neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。
松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。
ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。
PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?


【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる