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47話
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ちくしょう……さっさと行動すれば良かった……。
あの布が母さんにバレてしまった……。
どうしてこうなった!
あれか! 臭いなのか! 芳香剤とか欲しいぞ!
全く……あの優しい目だけは本当に慣れないな。
なんというか──恥ずかしいッ!
そんなトラブルが起こった後、僕達は食事を済ませて皆で雑談していると──
玄関からトントンッとノックをする音が聞こえてきた。
お客さんかな?
僕は扉に向かって進む──
「今開けまー……す?」
扉を開けると騎士団ぽい人達がいた。ノックをしたのは真ん中の壮年っぽい人だ。
豪華な鎧だし、やはり騎士だろう。
この街に騎士団なんかいたか?
兵士しかいないはずなんだけどな……もしかして──誰かを捕まえに来たのか?
いやいや、普通に考えたら誰かの知り合いだろう。僕はやましい事は何もしていない──はず! 家から艶っぽい声は日々聞こえてるかもしれないけど!
とりあえず、母さんを呼んだ方が無難だろうな、と思っていると話しかけられた。
「おや? 確かロイド君だったかな? 一応初めましてだね。わしはアールスレイ王国の第一騎士団で騎士団長をやっているアレクという。【聖女】であられるシャーリー様か【双聖】のライラ様はいらっしゃいますかな?」
この国の騎士団長?
「あ、はい、ロイドです。初めまして。少々お待ち下さい」
母さんって、この国の騎士団長と知り合いなんだな……コネって色々あると便利らしいし、厄介事が無ければ是非お近付きになりたいな。なんか僕の事知ってるみたいだし!
「──母さんっ! お客さんだよ!」
「はいはい──って、この間の人ね……」
ん? あんまり知り合いって感じじゃない? 反応的に顔見知り程度?
そういえば、僕って救援呼びに行ったエレン姉さんに助けられたんだっけ? もしかして、その時に一緒にいた人なのか!?
「ライラ様──この間はろくに挨拶も出来ずに申し訳ありません」
──!? 騎士団長って偉いんだよね!?
母さんの目の前で騎士団長と他の団員が跪いてるんですけど!?
「立ちなさい」
「「「はッ!」」」
……なにこれ? 母さんってまだ『聖天』に復帰してないんじゃないの?
何でそんなに偉そうなのさ?!
「今日は何をしにきたのかしら?」
「はッ! 本日は魔物の処理が完了したご報告をッ!」
「ご苦労」
「ありがたきお言葉ッ!」
本当なにこれ?
明らかに母さんが偉いという構図……。
「要件はそれだけかしら?」
「いえ、今回──領主がシャーリー様とライラ様、エレン殿──そして……ロイド君を連れてお話を聞きたいと……」
僕を見ながら騎士団長はそう言う。
「え、僕??」
何故、ここで僕なんだ!?
「ええ、なにやら話を聞きたいそうです……私も国に仕える者としてご一緒します。なぁに心配いりません。この私がきっちり何かあればお守りしますともッ! まぁライラ様やエレン殿がいたら問題ないでしょうが……」
まぁ、母さん達いたら僕に危害が加える事はできないだろうけど──何かあれば、か……含みのある言葉だな……。
「面倒臭いわね。あのアホ領主のことだし、何言い出すやら」
「出来ればご協力願いたいのです。私も今回、遠征中での出来事ですので、報告書を書かねばならんのです……」
騎士団長さん──凄い下手だな!
ここは普通命令する場面じゃないの!?
「……仕方ないわね……アレクと言ったわね? ──「はい」──しばらく待ってなさい──「はッ! ありがとうございますッ!」──ロイも準備しなさい」
「え? あ、はい」
僕達は準備する──
しかし、ここで問題が発生する。
僕はその辺の人が着ているようなラフな服しか持っていない。母さん達を見るとちゃんとした服装だ。
ちなみに母さんは鼻歌を歌いながら豪華な服に着替えている。
母さん……何気に『アイテムボックス』に隠してたな? そんな服見た事ないぞ?
「キツくなったわね……」
そんな言葉を言うのはシャーリーさんだ。胸元を強調した服に着替え終わっている。
おっぱいが──むにゅぅ、って溢れてるよ?!
バルンッ、って服から飛び出したらどうするのさ!?
是非見たいですけども!
だって──
おっぱいが上半分以上が服の上にはみ出してるんだよ? これどうやって出ないように支えられてんのさ!?
これぞファンタジーだッ!
でも、それ以上に気になるのは──
キツくなったという言葉だ!
なんなのまだ成長してるの!?
──いや、これは成長じゃないッ!
これは胸の張りが出ているのだ!
つまり、大先生の若返り効果でマシュマロおっぱいから──
弾力のあるおっぱいに進化したのだッ!
若返ってるし進化じゃないが……。
とりあえず凄い迫力なんだ!
これ以上見ると僕がヤバい。
僕は視線を逸らすとフィアが目に入る。
フィアもこんな風になるのか……。
母さんは普通のおっぱいだからな……前世で言うCカップぐらいか?
確かに剣を扱うのにおっぱいが大きかったら邪魔になりそうだな……。
レラもスレンダーだし、きっと似たような感じになるのかもしれないな。
まぁ、近接戦闘する人はちっぱいが多いのかもしれないな!
この間起こった氾濫の時も剣を使ってる女の人はちっぱいな人が多かったし!
僕は目を瞑りながら表情に出さないように無心を心掛けていると──
「がはっ……いったい何が……」
──腹部に衝撃が走る。油断してた……スキル使っといたら避けれたのに……。それに普段は【痛覚】を通常にしているから普通に痛い。
目を開くと最近、我が家に住み着いているレラから鳩尾に肘打ちを受けていた。
「何故……」
「なんかムカついた」
うぐ……レラは本能で察したのか!? 恐るべしッ!
「なんか久しぶりな気がするね」
こうやってレラから攻撃されると日常を感じる。ツンデレだし!
「そう? でも領主様の館に行くなんていいわね! 一回見てみたいから行きたいけど、勧誘があったから嫌なのよね……」
そういえば『開花の儀』以降にしつこい勧誘があったって言ってたな……。
「そうだね。大人しくしてた方がいいかも……」
「今回は諦めるわ! また話聞かせてよねッ!」
「私も聞きたいです!」
フィアも話に入ってきた。
「うん、また帰ったらしてあげるよ!」
正直、僕は全然行きたくないけどねッ!
【直感】先生達が『絶対ろくな事が無い』と告げている気がするし!
「母さん、もうこの服でいい?」
僕は服装が普段着でいいか聞く。
「そういえばロイの服は普段着しかなかったわね……今日はそれでいいわ。別に平民なんだし問題ないわよ」
「…………」
いいのかそれで!? まぁ、確かに平民だけど。
「さぁ、準備は出来ましたね? 行きましょう」
「はっ」
シャーリーさんの掛け声に母さんは騎士団のような返事をする。
あんた誰!?
あのダラダラした感じはどこなのさ!?
そんな視線を向けていると──
ボディブローが僕に向けて放たれる。
「──ちっ」
僕は即座に回避して吹き飛ばされるという事態を避ける事に成功する。
そういえば、シャーリーさんが公の場にいる時や偉いさんがいる場合は騎士のように振る舞うって言ってた気がするな!
「はっはっは、おっと失礼。さすがは『双聖』のご子息ですな。本当将来が楽しみです。ささ、既に馬車を表に用意させて頂いています。どうぞ──」
将来が楽しみ──ね……。
騎士団長は僕の事をあまり知らないんだろうな……母さんの息子なら剣を使うと思ってるのかもしれないな。
馬車に乗り込んだ僕達は領主邸に向かう──
あの布が母さんにバレてしまった……。
どうしてこうなった!
あれか! 臭いなのか! 芳香剤とか欲しいぞ!
全く……あの優しい目だけは本当に慣れないな。
なんというか──恥ずかしいッ!
そんなトラブルが起こった後、僕達は食事を済ませて皆で雑談していると──
玄関からトントンッとノックをする音が聞こえてきた。
お客さんかな?
僕は扉に向かって進む──
「今開けまー……す?」
扉を開けると騎士団ぽい人達がいた。ノックをしたのは真ん中の壮年っぽい人だ。
豪華な鎧だし、やはり騎士だろう。
この街に騎士団なんかいたか?
兵士しかいないはずなんだけどな……もしかして──誰かを捕まえに来たのか?
いやいや、普通に考えたら誰かの知り合いだろう。僕はやましい事は何もしていない──はず! 家から艶っぽい声は日々聞こえてるかもしれないけど!
とりあえず、母さんを呼んだ方が無難だろうな、と思っていると話しかけられた。
「おや? 確かロイド君だったかな? 一応初めましてだね。わしはアールスレイ王国の第一騎士団で騎士団長をやっているアレクという。【聖女】であられるシャーリー様か【双聖】のライラ様はいらっしゃいますかな?」
この国の騎士団長?
「あ、はい、ロイドです。初めまして。少々お待ち下さい」
母さんって、この国の騎士団長と知り合いなんだな……コネって色々あると便利らしいし、厄介事が無ければ是非お近付きになりたいな。なんか僕の事知ってるみたいだし!
「──母さんっ! お客さんだよ!」
「はいはい──って、この間の人ね……」
ん? あんまり知り合いって感じじゃない? 反応的に顔見知り程度?
そういえば、僕って救援呼びに行ったエレン姉さんに助けられたんだっけ? もしかして、その時に一緒にいた人なのか!?
「ライラ様──この間はろくに挨拶も出来ずに申し訳ありません」
──!? 騎士団長って偉いんだよね!?
母さんの目の前で騎士団長と他の団員が跪いてるんですけど!?
「立ちなさい」
「「「はッ!」」」
……なにこれ? 母さんってまだ『聖天』に復帰してないんじゃないの?
何でそんなに偉そうなのさ?!
「今日は何をしにきたのかしら?」
「はッ! 本日は魔物の処理が完了したご報告をッ!」
「ご苦労」
「ありがたきお言葉ッ!」
本当なにこれ?
明らかに母さんが偉いという構図……。
「要件はそれだけかしら?」
「いえ、今回──領主がシャーリー様とライラ様、エレン殿──そして……ロイド君を連れてお話を聞きたいと……」
僕を見ながら騎士団長はそう言う。
「え、僕??」
何故、ここで僕なんだ!?
「ええ、なにやら話を聞きたいそうです……私も国に仕える者としてご一緒します。なぁに心配いりません。この私がきっちり何かあればお守りしますともッ! まぁライラ様やエレン殿がいたら問題ないでしょうが……」
まぁ、母さん達いたら僕に危害が加える事はできないだろうけど──何かあれば、か……含みのある言葉だな……。
「面倒臭いわね。あのアホ領主のことだし、何言い出すやら」
「出来ればご協力願いたいのです。私も今回、遠征中での出来事ですので、報告書を書かねばならんのです……」
騎士団長さん──凄い下手だな!
ここは普通命令する場面じゃないの!?
「……仕方ないわね……アレクと言ったわね? ──「はい」──しばらく待ってなさい──「はッ! ありがとうございますッ!」──ロイも準備しなさい」
「え? あ、はい」
僕達は準備する──
しかし、ここで問題が発生する。
僕はその辺の人が着ているようなラフな服しか持っていない。母さん達を見るとちゃんとした服装だ。
ちなみに母さんは鼻歌を歌いながら豪華な服に着替えている。
母さん……何気に『アイテムボックス』に隠してたな? そんな服見た事ないぞ?
「キツくなったわね……」
そんな言葉を言うのはシャーリーさんだ。胸元を強調した服に着替え終わっている。
おっぱいが──むにゅぅ、って溢れてるよ?!
バルンッ、って服から飛び出したらどうするのさ!?
是非見たいですけども!
だって──
おっぱいが上半分以上が服の上にはみ出してるんだよ? これどうやって出ないように支えられてんのさ!?
これぞファンタジーだッ!
でも、それ以上に気になるのは──
キツくなったという言葉だ!
なんなのまだ成長してるの!?
──いや、これは成長じゃないッ!
これは胸の張りが出ているのだ!
つまり、大先生の若返り効果でマシュマロおっぱいから──
弾力のあるおっぱいに進化したのだッ!
若返ってるし進化じゃないが……。
とりあえず凄い迫力なんだ!
これ以上見ると僕がヤバい。
僕は視線を逸らすとフィアが目に入る。
フィアもこんな風になるのか……。
母さんは普通のおっぱいだからな……前世で言うCカップぐらいか?
確かに剣を扱うのにおっぱいが大きかったら邪魔になりそうだな……。
レラもスレンダーだし、きっと似たような感じになるのかもしれないな。
まぁ、近接戦闘する人はちっぱいが多いのかもしれないな!
この間起こった氾濫の時も剣を使ってる女の人はちっぱいな人が多かったし!
僕は目を瞑りながら表情に出さないように無心を心掛けていると──
「がはっ……いったい何が……」
──腹部に衝撃が走る。油断してた……スキル使っといたら避けれたのに……。それに普段は【痛覚】を通常にしているから普通に痛い。
目を開くと最近、我が家に住み着いているレラから鳩尾に肘打ちを受けていた。
「何故……」
「なんかムカついた」
うぐ……レラは本能で察したのか!? 恐るべしッ!
「なんか久しぶりな気がするね」
こうやってレラから攻撃されると日常を感じる。ツンデレだし!
「そう? でも領主様の館に行くなんていいわね! 一回見てみたいから行きたいけど、勧誘があったから嫌なのよね……」
そういえば『開花の儀』以降にしつこい勧誘があったって言ってたな……。
「そうだね。大人しくしてた方がいいかも……」
「今回は諦めるわ! また話聞かせてよねッ!」
「私も聞きたいです!」
フィアも話に入ってきた。
「うん、また帰ったらしてあげるよ!」
正直、僕は全然行きたくないけどねッ!
【直感】先生達が『絶対ろくな事が無い』と告げている気がするし!
「母さん、もうこの服でいい?」
僕は服装が普段着でいいか聞く。
「そういえばロイの服は普段着しかなかったわね……今日はそれでいいわ。別に平民なんだし問題ないわよ」
「…………」
いいのかそれで!? まぁ、確かに平民だけど。
「さぁ、準備は出来ましたね? 行きましょう」
「はっ」
シャーリーさんの掛け声に母さんは騎士団のような返事をする。
あんた誰!?
あのダラダラした感じはどこなのさ!?
そんな視線を向けていると──
ボディブローが僕に向けて放たれる。
「──ちっ」
僕は即座に回避して吹き飛ばされるという事態を避ける事に成功する。
そういえば、シャーリーさんが公の場にいる時や偉いさんがいる場合は騎士のように振る舞うって言ってた気がするな!
「はっはっは、おっと失礼。さすがは『双聖』のご子息ですな。本当将来が楽しみです。ささ、既に馬車を表に用意させて頂いています。どうぞ──」
将来が楽しみ──ね……。
騎士団長は僕の事をあまり知らないんだろうな……母さんの息子なら剣を使うと思ってるのかもしれないな。
馬車に乗り込んだ僕達は領主邸に向かう──
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