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27話
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あー、ヤバい……意識が遠ざかる……。
レラもフィアも僕を助けようと頑張ってくれている。
だけど、このままだと2人とも──死ぬ。
母さん達を見ると残り1匹だった。
さすが母さんだ。後少しで終わるだろう。
今の僕が出来る事は──
2人を母さんが間に合うまで守る事だ。
一か八か──
【好感度】を10にする──
それは何故か?
スキル『挑発』と似た効果があるはずだからだ。運が良ければスキルも習得出来て重複効果が期待出来るかもしれない。
その為に──【性感度】もレベル3で使用する。
痛みも鈍いし、気持ち良いからニヤけてくるな。
準備が完了すると──
マンティコアはこちらを親の仇を見る様な目で見てくる。
その瞬間にレラは咆哮と共に吹き飛ばされる。
──成功した。
これでレラは安全圏だ。
僕は安心感と大先生の気持ち良さも相まって、つい笑ってしまう。
「今行くわっ!」
母さんがこっちに向かって来てくれるが、マンティコアの爪は僕の真上から振り下ろそうとしている。
母さんならこいつぐらいやれるよね?
生きてたらまたマッサージしてあげるから、僕の代わりに2人を守って──
ん?
マッサージ?
そういえばあの時と状況が同じだな。レラが襲われた時と。
まだ魔物には【性感度】は全力で試した事が無いな……スキル『絶頂』の重ね掛けなら効果はあるのかな?
最後の悪足掻きだ──
僕は【性感度】を10にする──
すると、尻尾を通して【性感度】の効果が伝わっていく。
よし、ここで『絶頂』だ──
「──果てろ──」
「うおぉぉぉぉぉん──……」
マンティコアの顔は段々と赤くなっていき──気持ち悪い声を上げると共に止まった。
よく見れば白目を剥いている。
……助かった?
効果があったの?
マジか……これ実はかなり最強コンボなんじゃ……。
そんな事を考えていると──
「──ロイに──触れるなぁぁっ!!!!」
母さんの凄まじい気迫と共に剣戟が繰り出され──
マンティコアの首は切断され、倒れると同時に僕も空中に放り出される。
「ロイっ!」
そのまま僕を母さんがお姫様抱っこの状態で抱えて着地する。
「母さん──なんとか時間稼ぎしたよ……父さんも守ってくれたよ……」
腕輪を見せてそう言う。
「──さすが私の息子よ! 早く手当しないと──フィアちゃん!」
「はいっ! 『回復』──」
近くに走り寄って来たフィアが回復魔法を使ってくれる。
【痛覚】が鈍麻していてよくわからないけど、体が少しずつ楽になっているような気がする。これ『感度操作』解いたら激痛なんだろうな……。
でも、体の力は入らない。毒のせいだな……。
「フィアちゃん、解毒魔法は使える!??」
「残念ながら……私にはまだ出来ません……出来ても……こんな強力な毒は……お母様なら──」
ぼろぼろと泣き出すフィア……その顔には悔しさが見て取れる。
「──今向かいます!」
シャーリーさんを見るとモーニングスターの鉄球でマンティコアをペシャンコにした所だった。
……恐ろしい……フィアも将来はあんな感じになるのか?
鉄球が揺れる度におっぱいも揺れていた……遠心力でおっぱいの形も変わるんだな……新発見だ!
まぁ、今はそんなアホな考えより、この毒針を受けたのがレラじゃなくて『毒耐性』のある僕で良かったと思おう。
『毒耐性』があるから死なないよね? シャーリーさんもいるし!
「ロイぃぃ……死んだら……やだ……」
レラは庇った僕の為に涙を流してくれている。普段は強気なレラだけど、今はか弱い女の子みたいだ。また泣かしてしまったなぁ……。
不謹慎だけど、僕の為に皆が心配してくれてるっていうのは素直に嬉しかったりする。
「──『解毒』──ふぅ……これでなんとかなりましたね……」
体が楽だな……さすがシャーリーさんだ。
「母さん」
「なに? まだ何処か痛いの?」
心配そうに僕を見る母さん。
「いや、少し寝てもいいかな? 疲れ……た……」
僕はそこで意識を失った──
◆
「寝ましたね……」
「えぇ……ありがとう──シャーリー」
「ロイド君はやはりカイルの血を濃く継いでいるのですね……」
私は自然とそんな言葉が出ました。ライラも強く頷いています。
カイルは誰よりも優しい最高の盾使いでした。
彼程、守る事に特化していた盾使いはいないでしょう。私も何度も命を救われています。
そして、目の前で寝ているロイド君はカイルの意志を受け継いでいると言っても過言ではないでしょう。
現段階のスキル構成は盾使いとしては不足していても格上の相手に挑む胆力──
勝てないとわかり、それでも尚──フィアとレラちゃんの前に立つ覚悟──
そして、自分を犠牲にして仲間を命懸けで守る志──
この子なら安心してフィアを任せられる。
「将来楽しみですね」
「自慢の息子よ」
「でしょうね。本当、聖騎士に欲しいぐらいです」
「ダメよ。ロイには堅苦しい聖騎士は向いてないもの」
「残念です。そうしたらマッサージ受け放題なのに……」
「そんな事だろうと思ったわ。でもこの子には自由に生きて欲しいわ……」
「そう……ですね。貴女達も守られてばっかりじゃダメよ?」
「「はいっ!」」
フィアとレラちゃんは覚悟を決めたのでしょう。とても真剣な目です。きっとまだまだ成長してくれるはず──
「シャーリー様っ! ご無事ですか!? 申し訳ありせん! 手強い魔物が多くて何匹か漏れました──マンティコア?!」
「エレン、大丈夫です。ちゃんと貴女の弟が娘達を守ってくれましたよ?」
「──マンティコア相手に!?」
「えぇ、見事にフィアとレラちゃんを守りながら、ライラが到着するまで時間稼ぎをしてくれました」
「……10歳とは思えないですね……」
「そうですね。しかし、事実ですからね……既に防御や回避に関しては一人前かもしれませんね。そうでしょう? ゾル?」
「はっ、まさしく──今のロイであればカイルの盾を使いこなせば、討伐ランクBなら簡単に防げるかもしれません」
マンティコアは討伐ランクはAでしたね……つまり、腕輪の力さえ使いこなせば──それ以下の攻撃なら問題ないということでしょう。
「きっと、将来は俺を超える盾使いになるかもしれません……」
「一人前に育てたい所ですが、もうすぐ戻らなければなりませんね……」
「そう──ですね……」
残念そうに返事をするゾル。
フィアをライラに預けて私達はもう帰らなければなりません……仕事が溜まってますからね……。
次会うのは学園の入学式になるでしょう。
ロイド君のマッサージが受けれなくなるなんて……憂鬱です。
そんな事を考えているとユラが会話に入ってきます。
「しかし、このマンティコア──なんか発情してません?」
全員がその言葉に頷きます。
確かにライラが間に合わないと思った瞬間──このマンティコアは止まりましたね……。
ユニークスキル『感度操作』──
これは教会の文献によると過去に1人だけいたとありました。効果は感覚の操作……ユニークスキルなのに平凡な能力です。
ロイド君は痛みを操作して戦闘していると思っていましたが──他にも何か特別な力があるのかもしれませんね。
先が本当に楽しみです──
レラもフィアも僕を助けようと頑張ってくれている。
だけど、このままだと2人とも──死ぬ。
母さん達を見ると残り1匹だった。
さすが母さんだ。後少しで終わるだろう。
今の僕が出来る事は──
2人を母さんが間に合うまで守る事だ。
一か八か──
【好感度】を10にする──
それは何故か?
スキル『挑発』と似た効果があるはずだからだ。運が良ければスキルも習得出来て重複効果が期待出来るかもしれない。
その為に──【性感度】もレベル3で使用する。
痛みも鈍いし、気持ち良いからニヤけてくるな。
準備が完了すると──
マンティコアはこちらを親の仇を見る様な目で見てくる。
その瞬間にレラは咆哮と共に吹き飛ばされる。
──成功した。
これでレラは安全圏だ。
僕は安心感と大先生の気持ち良さも相まって、つい笑ってしまう。
「今行くわっ!」
母さんがこっちに向かって来てくれるが、マンティコアの爪は僕の真上から振り下ろそうとしている。
母さんならこいつぐらいやれるよね?
生きてたらまたマッサージしてあげるから、僕の代わりに2人を守って──
ん?
マッサージ?
そういえばあの時と状況が同じだな。レラが襲われた時と。
まだ魔物には【性感度】は全力で試した事が無いな……スキル『絶頂』の重ね掛けなら効果はあるのかな?
最後の悪足掻きだ──
僕は【性感度】を10にする──
すると、尻尾を通して【性感度】の効果が伝わっていく。
よし、ここで『絶頂』だ──
「──果てろ──」
「うおぉぉぉぉぉん──……」
マンティコアの顔は段々と赤くなっていき──気持ち悪い声を上げると共に止まった。
よく見れば白目を剥いている。
……助かった?
効果があったの?
マジか……これ実はかなり最強コンボなんじゃ……。
そんな事を考えていると──
「──ロイに──触れるなぁぁっ!!!!」
母さんの凄まじい気迫と共に剣戟が繰り出され──
マンティコアの首は切断され、倒れると同時に僕も空中に放り出される。
「ロイっ!」
そのまま僕を母さんがお姫様抱っこの状態で抱えて着地する。
「母さん──なんとか時間稼ぎしたよ……父さんも守ってくれたよ……」
腕輪を見せてそう言う。
「──さすが私の息子よ! 早く手当しないと──フィアちゃん!」
「はいっ! 『回復』──」
近くに走り寄って来たフィアが回復魔法を使ってくれる。
【痛覚】が鈍麻していてよくわからないけど、体が少しずつ楽になっているような気がする。これ『感度操作』解いたら激痛なんだろうな……。
でも、体の力は入らない。毒のせいだな……。
「フィアちゃん、解毒魔法は使える!??」
「残念ながら……私にはまだ出来ません……出来ても……こんな強力な毒は……お母様なら──」
ぼろぼろと泣き出すフィア……その顔には悔しさが見て取れる。
「──今向かいます!」
シャーリーさんを見るとモーニングスターの鉄球でマンティコアをペシャンコにした所だった。
……恐ろしい……フィアも将来はあんな感じになるのか?
鉄球が揺れる度におっぱいも揺れていた……遠心力でおっぱいの形も変わるんだな……新発見だ!
まぁ、今はそんなアホな考えより、この毒針を受けたのがレラじゃなくて『毒耐性』のある僕で良かったと思おう。
『毒耐性』があるから死なないよね? シャーリーさんもいるし!
「ロイぃぃ……死んだら……やだ……」
レラは庇った僕の為に涙を流してくれている。普段は強気なレラだけど、今はか弱い女の子みたいだ。また泣かしてしまったなぁ……。
不謹慎だけど、僕の為に皆が心配してくれてるっていうのは素直に嬉しかったりする。
「──『解毒』──ふぅ……これでなんとかなりましたね……」
体が楽だな……さすがシャーリーさんだ。
「母さん」
「なに? まだ何処か痛いの?」
心配そうに僕を見る母さん。
「いや、少し寝てもいいかな? 疲れ……た……」
僕はそこで意識を失った──
◆
「寝ましたね……」
「えぇ……ありがとう──シャーリー」
「ロイド君はやはりカイルの血を濃く継いでいるのですね……」
私は自然とそんな言葉が出ました。ライラも強く頷いています。
カイルは誰よりも優しい最高の盾使いでした。
彼程、守る事に特化していた盾使いはいないでしょう。私も何度も命を救われています。
そして、目の前で寝ているロイド君はカイルの意志を受け継いでいると言っても過言ではないでしょう。
現段階のスキル構成は盾使いとしては不足していても格上の相手に挑む胆力──
勝てないとわかり、それでも尚──フィアとレラちゃんの前に立つ覚悟──
そして、自分を犠牲にして仲間を命懸けで守る志──
この子なら安心してフィアを任せられる。
「将来楽しみですね」
「自慢の息子よ」
「でしょうね。本当、聖騎士に欲しいぐらいです」
「ダメよ。ロイには堅苦しい聖騎士は向いてないもの」
「残念です。そうしたらマッサージ受け放題なのに……」
「そんな事だろうと思ったわ。でもこの子には自由に生きて欲しいわ……」
「そう……ですね。貴女達も守られてばっかりじゃダメよ?」
「「はいっ!」」
フィアとレラちゃんは覚悟を決めたのでしょう。とても真剣な目です。きっとまだまだ成長してくれるはず──
「シャーリー様っ! ご無事ですか!? 申し訳ありせん! 手強い魔物が多くて何匹か漏れました──マンティコア?!」
「エレン、大丈夫です。ちゃんと貴女の弟が娘達を守ってくれましたよ?」
「──マンティコア相手に!?」
「えぇ、見事にフィアとレラちゃんを守りながら、ライラが到着するまで時間稼ぎをしてくれました」
「……10歳とは思えないですね……」
「そうですね。しかし、事実ですからね……既に防御や回避に関しては一人前かもしれませんね。そうでしょう? ゾル?」
「はっ、まさしく──今のロイであればカイルの盾を使いこなせば、討伐ランクBなら簡単に防げるかもしれません」
マンティコアは討伐ランクはAでしたね……つまり、腕輪の力さえ使いこなせば──それ以下の攻撃なら問題ないということでしょう。
「きっと、将来は俺を超える盾使いになるかもしれません……」
「一人前に育てたい所ですが、もうすぐ戻らなければなりませんね……」
「そう──ですね……」
残念そうに返事をするゾル。
フィアをライラに預けて私達はもう帰らなければなりません……仕事が溜まってますからね……。
次会うのは学園の入学式になるでしょう。
ロイド君のマッサージが受けれなくなるなんて……憂鬱です。
そんな事を考えているとユラが会話に入ってきます。
「しかし、このマンティコア──なんか発情してません?」
全員がその言葉に頷きます。
確かにライラが間に合わないと思った瞬間──このマンティコアは止まりましたね……。
ユニークスキル『感度操作』──
これは教会の文献によると過去に1人だけいたとありました。効果は感覚の操作……ユニークスキルなのに平凡な能力です。
ロイド君は痛みを操作して戦闘していると思っていましたが──他にも何か特別な力があるのかもしれませんね。
先が本当に楽しみです──
応援ありがとうございます!
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