可愛くて、健気で、エッチで、一途な幼馴染の女の子は、好きですか?~付き合いたい彼女と付き合いたくない彼の攻防戦~

三日月

文字の大きさ
上 下
50 / 53
第二幕

僕とボウリング

しおりを挟む
「ストライク」
「またですか……」

 相変わらず先輩の性能はおかしい。何せ先輩は始めからストライクかスペアしか出していないのだ。その腕はもうプロレベル......というかプロでも難しいだろう。どうしてこれでスカウトされていないのか不思議でならない。

「むぅぅぅ……‼ どうしてなの……‼」
「格の違い……かしらね?」
「むかつく‼ むかつく‼ むかつく‼」

 僕からすれば咲夜も十分凄い。何せあの先輩に肉薄した成績をたたき出しているのだ。そんな芸当普通の人間にはできないし、僕なんか二人のスコアに比べればミジンコ程度の成績しか出ていない。

「本当二人は凄いなぁ……僕なんか頑張ってもコレなんだから」
「雅也君は球を投げる際少しフォームが崩れているのよ。だから球が少しぐらついて曲がるの。そこを治せばもっとうまくなると思うわよ?」
「そう……ですか?」

 こういう所もきっちり見ているあたり、この人は本当に僕の事をよく観察している。でもその観察力をもっと別の事に生かして欲しいと思う自分もいるわけで……

「先輩って案外研究者に向いていそうですよね」
「そう……かしら?」
「ええ。特に人間観察なんてさせたら凄そうです。先輩ってなんだかんだ人の事良く観察してますし」
「それを言うなら雅也君も十分その素質ありそうだけど?」
「僕ですか? 僕は……ホラ。頭が足りないので……」
「本気で目指すのなら私が見てあげるわよ。それこそ朝晩で……ね?」
「そんなのあたしが認めるわけないでしょう?」
「それぐらいわかっているわよ。今のは軽い冗談。でも勉強を見てあげるっていうのは本当。何なら木葉さんも見てあげましょうか?」
「結構です‼ ね? まーくん?」
「え、僕は勉強は見てもらいたいけど?」
「なんで!?」
「だって先輩頭いいもん」
「私がいるじゃん‼」
「咲夜は……」

 咲夜は説明下手で、しかも問題の解き方もかなりふわふわしていて、独特な物だから僕はうまく理解できないのだ。その点先輩はこちらのレベルを把握して、言葉を選んで教えてくれるのでとても分かりやすく、だからこそ昔はよく教えて貰っていたのだ。

「なんでそんな気まずそうな顔するの!? 何!? 私の教え方ってそんなにおかしいの!?」
「……うん」
「そ、そんな馬鹿な……」
「ならこういうのはどう? 私が雅也君を見るから木葉さんは私に教える」
「え? でも先輩って……」
「ああ、語弊があったわね。木葉さんが教えるのは一、二年生の分野よ。私って一応受験生だからその辺の復習しておきたいのよ」
「そう言えばそうでしたね。それにしても意外です。先輩の事だからもうとっくに受験勉強終わったのかと思ってました」
「一応全体の復習を三周くらいは終わらせているわね」
「あんたどんだけ勉強してんだよ!?」
「雅也君の写真を眺めながら片手間にやってたら自然とそうなってたのよ」

 突っ込みたい所は満載だが今は我慢しておこう。

「……過去問とかはもう解いたんですか?」
「ええ」
「……正答率は?」
「そんなの満点に決まっているじゃない。おかしなこと聞かないで頂戴」
「……咲夜」
「まーくん。ダメだよ。この人と比べる事自体おかしなことなんだから……」
「……だよな」
「ちょっと。人を変人みたいに言わないで頂戴」
「あんたを変人と言わずしてなんというんだ‼ ああ‼ あった‼ 変態か‼ むしろそっちの方がしっくりくるわ‼」
「そんなに褒めても私の処女ぐらいしかあげれないわよ?」
「褒めてねぇよ‼ 処女もいらねぇよ‼」
「……そう」
「がっかりすんなよ‼」
「まーくん。まーくん」
「何!?」
「私も処女はまーくんのものだから好きな時に奪っていいからね?」
「お、女の子がそんなはしたない事を言うんじゃありません‼︎」

 僕の周りにはどうしてこうも変態、変人が集まる傾向があるのか……

「それは雅也君が変人だからよ」
「人の心を読むな‼」
「ごめんさない。それで勉強会の事どうする?」
「私は嫌」
「僕はいいですよ」
「分かったわ。それじゃあ雅也君と私のですることにするわ‼」
「……私も行く」

 先輩の咲夜の立場段々逆転してきていないか? これが秀才……というか鬼才の真の力というか。おお、怖い怖い。

「よろしい。それに木葉さん。貴方にもメリットはあるのよ」
「メリット?」
「ええ。私の教え方を学べば今度からはあなたが勉強を教えてあげられるでしょう?」
「……なるほど。一理ある」
「なんなら高校三年生の単元も先に教えてあげる。木葉さんならきっと理解できるでしょうし、二人が高校三年生の時は既に私は卒業しているしね」
「先輩……」
「どうしたの? そんな悲しそうな顔をして?」
「いえ。卒業したら先輩との縁も切れるのかと思いまして」

 人は誰しも会わなくなれば関係が薄れていくもので、そのことわりからは抜けられるものは極々僅かであろう。

「それは無いわ。言ったでしょう? 私は貴方のそばを離れるつもりはないと。むしろ大学生って時間がたっぷりあるから今以上に一緒にれるからむしろ嬉しいわ‼」
「……そうですか」

 こういつもポジティブでいてくれると嬉しいんだけどなぁ……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

処理中です...