可愛くて、健気で、エッチで、一途な幼馴染の女の子は、好きですか?~付き合いたい彼女と付き合いたくない彼の攻防戦~

三日月

文字の大きさ
上 下
49 / 53
第二幕

僕と幼馴染と元カノ

しおりを挟む
「こうして三人でどこかに遊びにいくのって初めての経験ですよね」
「言われてみればそうね」
「そうなの当然だよ‼ だって私は今でもこの人の事嫌いなんだもん‼」
「それはお互い様よ」
「なんですって!?」

 初めは咲夜と一緒に連れまわすのを心配していたのだけれどこうしてみると案外大丈夫そうだ。むしろ僕と二人きりの時よりイキイキしている様に見える。さすがは咲夜。人を元気にするのが上手い。

 それにしても初めはただ先輩から昨日の情報を聞き出すつもりだったのに、遊びにいくことになるとは思わなかった。まして咲夜も連れてとなると猶更だ。

「昨日の今日で女の子とデートをしている僕はリア充なのだろうか?」
「……いきなり何を言っているの?」
「いえ、何となくそう思いまして」
「まーくんがリア充か否かどうかは知らないけど、私から言わせてもらえばまーくんの情況は世の男性陣が羨むものだと思うよ」
「やっぱりそうだよな? だとすればそのうち僕は後ろから刺されるのでは……」
「女の子に?」
「……どうして女のなの? この話の展開だと普通男の子じゃない?」
「そうでもないわよ。雅也君ってかなりのすけこましだから」
「しかもナチュラルに女性の喜ぶような事をするところが猶更立ち悪い」
「二人して僕を虐めないでくれる!?」

 二人はやはり性格が似ているということもあって、やることまでそっくりだ。こちらとしてはいつもの二倍ダメージを負うので勘弁して欲しいところだが……

「何かしら?」
「いえ。何も」

 見た感じ先程の陰鬱いんうつな感じは様子は感じられないので、どうにか一安心だ。

「まーくん。浮気?」
「どうしてそうなるんだよ‼」
「だって今のまーくんの表情……明らかに彼氏が彼女に浮かべる表情だったもん‼」
「え!? そ、そうなの!?」
「そんなこと知りませんよ‼」
「……そう」
「まーくんは絶対に渡さないから‼」
「……わかってるわよ」

 その物欲しそうな顔今すぐ止めろ。そのせいで周りの人が僕の事をゴミみたいな眼で見ているじゃないか。そのせいでこっちのSAN値はゴリゴリ削れているんだぞ。

「あ、ついた」
「ここは……?」
「そうです」

 僕たちはカラオケだとかゲームセンターには行きはしたが、体を動かす様な場に来たことはなかった。それは偏に星野さんが運動が苦手そうに見えるからであり、今この場にいる者は僕を除いて皆運動ができる。その僕にしたって平均くらいで、何より体を動かすことは嫌いではない。

「何かもやもやしたときは体を動かすのが一番ですよ」
「それはそうなのだけど……」
「あ、もしかしてボーリング嫌いでした? それなら別の……」
「いえ、問題ないわ。それから木葉さん。人の事を射殺さんばかりにみるのは止めて頂戴。流石に怖いわ」
「咲夜……」
「そ、そんな眼で見、見てないよ‼ 事実無根だよ‼」
「それにしては眼が泳いでいるし、やたら言葉に詰まっていた気がするけど?」
「さ、さぁ? 何の事でしょう?」
「はぁ……本当に……はぁ……」
「ごめんなさい‼ だからガチでため息つくのは止めて‼」
「はぁ……」
「うわぁぁぁぁん‼ ごめんなさい‼」
「雅也君そこまでにしてあげなさい。流石に木葉さんが可哀そうよ?」

 これまた珍しい。あの先輩が咲夜に助け舟を出すとは。でも残念。この状況でのその選択肢は不正解だ。

「何勝手に会話に入ってきているの?」
「ええ……」

 マゾの咲夜さんは僕にこうやっていじられるのが大好きで、むしろ楽しんで乗ってくれていた。そんな時に先輩からの横入が入ったのだ。咲夜からすれば邪魔な行為に他ならない。

「先輩。どんまい」
「……ありがとう」
「ずるい‼ 私には何かないの!?」
「ふざけすぎ。もうちょっとテンション下げろ」
「そんなの無理だよ‼ だってまーくんとのデートなんだもん‼ まあお邪魔虫がいるけど……」
「木葉さん? 貴方さっき私がいてもいいって言ったわよね?」
「忘れました」
「この……‼」
「まあまあまあまあ。落ち着いて。今は早く入りましょう」
「……わかったわよ」
「ふん‼」

 本当この二人は本当に仲悪いな。でもそんな二人のやり取り少し面白い。とばっちりを受けるのは勘弁だけど。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

処理中です...