可愛くて、健気で、エッチで、一途な幼馴染の女の子は、好きですか?~付き合いたい彼女と付き合いたくない彼の攻防戦~

三日月

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第二幕

情報収集と友人

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「敦。その顔どうした?」
「……朱音に昨日殴られた」
「お、おう……それまたなんで?」
「そんなのしらねえよ‼ いきなり歯食いしばれって言われて思い切り殴らたんだよ!」
「お、おう……」

 そんなに敦が他の女性と仲良くするのが気にいらないのなら素直になればいいのに。それにコイツもコイツでいい加減気づけよな。

「まあそんな事は置いておいて」
「置いておかないで‼ もっと大事にして‼ 仮にも友人でしょう!?」
「その彼女面いい加減止めろ。じゃないとお前そのうち咲夜に殺されるぞ?」
「あ、はい。すんませんでした。マジすんませんでした」
「どんだけ怖いんだよ……」
「貴方にはわからないでしょうね‼」
「うん。わからない」

 大体僕からすれば咲夜よりも朱音の方がよっぽど怖い。もし僕が敦と同じ立場なら顔を合わせた瞬間逃げている。でも敦はそういう事はしないんだよな。従姉だからか? それとも何か別の理由が……

「敦。お前ってマゾヒスト?」
「いきなりどうしてそんな言葉が出るんだよ‼ そして俺は断じてマゾではない‼」
「あ、うん。それならいいんだ。なんかゴメンね?」
「おい‼ その人を憐れむような目止めろ‼ 悲しくなってくるから‼」

 あ~あ。またそういう事言うからクラス内の腐女子達が興奮しちゃってるよ。しかもチラチラ僕の事も見てるし……絶対アレ僕とカップリングさせてるよ……いやだなぁ……辛いなぁ……

「なんでお前も泣いてるの!?」
「……お前のせいだ。馬鹿」
「え? え? え?」
「もういいから。昨日の結果教えてくれよ」
「結果と言われてもなぁ……昨日は普通にお喋りして、遊んで帰っただけだしなぁ……」
「そのお喋りの内容が大事なんだよ‼ なんの話してたんだよ‼」
「なんのって……何が好きかとか、彼女はいるのかとか」
「……朱音がキレた理由が分かった気がする」
「え!? マジ!? 教えて‼ 教えて‼」
「ヤダ。それよりもそれ以外の話しなかったのか? 星野さんの話とか」
「……してないです」
「微塵も?」
「……はい」

 なるほど。全くしていない。そして昨日は遊んでいただけど……と。

「お前。百回死ね」
「酷い‼」
「はぁ……まじ使えねぇ……なんなのコイツ」
「なんでそこまで言われなくちゃいけないの!? 俺って存在価値ないの!?」
「少なくとも貴様の今の存在価値は早乙女さんから星野さんとの関係を聞き出す事以外ない」
「人権侵害だ‼」
「え? お前人だったの……?」
「ちょ、冗談だよね? その心底驚いたような顔……嘘だよね? 嘘だと言ってよバー〇ィ‼」
「安易にパロネタに頼るなよ。もっとオリジナルで勝負しろよ。そんなんだからそんなんなんだよ」
「そんなんって何!?」
「……言えるわけないじゃないか。汚らわしい」
「お前の中で俺の存在そんな汚い物なのかよ‼」
「敦」
「何!?」
「うるさい」
「お前のせいだろう‼」

 やっぱり敦はからかうのは面白い。こうも露骨に反応してくれるとこちらとしてもからかいがいがある。咲夜や朱音をからかってもこうはいかない。特に朱音なんて顔を真っ赤にしながら怒ってくるからな。

「まあ今までのは全て冗談として……お前への様は終わった。さらばだ」
「おい。ちょっと待て」
「何?」
「そっちはどうだったんだよ。星野さんとうまくいきそうなのか?」
「そのニヤついた顔止めろ」
「え~だって~金剛君星野さんにやたらとご執心だからてっきりそういう感情を抱……」
「殺すぞ? お前?」
「あ、はい。すんません」
「よろしい。大体僕は咲夜が好……って咲夜。何してんの?」
「チィ‼ バレたか‼」

 咲夜の手には録音機が握られており、僕の言葉を録音する気満々だったようだ。

「本当にお前は……」
「えへへへへ……」
「き、木葉さん一体いつの間に……」
「ん? ずっといたよ? に……ね」
「も、もしかしてさっきの言葉聞いてましたか……?」
「うん。ばっちり」
「……雅也」
「なんだ?」
「俺……保健室行ってくる」
「お、おう……」

 敦の顔……真っ青だったなぁ……。
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