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8 伯爵の失敗と陰謀(※カルティエ伯爵視点)
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なんてことだ! せっかくあの御しやすいバカ王子を籠絡することに成功したというのに、……娘がこれほどバカだったとは。
フィーナにはあらゆる手練手管を仕込んだ。学園では閨事まではいかないが、18歳になるまでにパーシバル殿下を落とすことなどたやすいように、わざわざ花街の女を呼んでまで教育したというのに……他がてんでダメではすべて無駄だったではないか!
まさか陛下の名前を答えられないなどという失態をさらすなどとは思いもしていなかった。学園でパーシバル殿下を落とすこと、それは厳命したが、それで学業を疎かにしていいとは一言も言わなかったのに……!
女、として見たとき娘のフィーナは、いまいましいフォレストの娘に劣るところはない。が、人間として見たとき、そして上に立つものとして見た時、誰もがフォレストの娘を選ぶだろう。
フィーナはうまくやっていると言っていた。実際、フォレストの娘を婚約者の座から引きずり落としたのはよくやった。
だが、だが、……あろうことかフォレスト侯爵家は王家有責での婚約破棄を申し入れ、その通りになった。
くそ! まさかパーシバル殿下がこれほどまでにバカで、さらには自分の娘も想像以上にバカだったなどと、どうして私は見抜けなかったのか……!
全てが台無しだ! このままでは御しやすいパーシバル殿下から、王位継承権第一位の座が病弱とうわさの第一王子に移ってしまう。
たとえ車椅子で生活していようと、長年の契約を独断で破ったうえに、あぁ、こんなことは考えたくもなかったが……我が娘のようなバカを見抜けない王子など使い物にならない!
パーシバル殿下はフォレストの娘についで学業成績は2位。そんな殿下がうちの娘を選んだからと安心していたが……、まさか、ここまで己の娘がバカだと思わなんだ……。
今から鍛え直したとしてももう遅いだろう。娘は適当な貴族に嫁がせるしかあるまい。見た目が美しいだけの、中身が空っぽの娘でもいいという物好きはそれなりにいるからな。
まさか陛下の名前すら言えないなどと……いまいましい。本当にいまいましい。
しかし、パーシバル殿下が学業の面において優秀であるということは、まだチャンスはあるかもしれない。
なんとしても王太子妃に……そう、王族に我がカルティエの血をつらねたい。
今は名前すら貴族にも知らされていない第一王子が不出来であることを祈るのみだ……。
神よ、どうかパーシバル殿下に王位をお授けください。
そう、パーシバル殿下が御しやすいのは変わらない。そして、そのためにフォレストの娘は再度殿下と婚約することになるだろう。
ただ、それは、フォレストの娘の命があればの話だ。
いまいましいフォレストの娘の命さえなければ、殿下はどんなにバカでも人前で恋人のように振る舞った我が家のフィーナを選ぶしかあるまい。
フォレストの娘、きさまには……死んでもらうしかない。
フィーナにはあらゆる手練手管を仕込んだ。学園では閨事まではいかないが、18歳になるまでにパーシバル殿下を落とすことなどたやすいように、わざわざ花街の女を呼んでまで教育したというのに……他がてんでダメではすべて無駄だったではないか!
まさか陛下の名前を答えられないなどという失態をさらすなどとは思いもしていなかった。学園でパーシバル殿下を落とすこと、それは厳命したが、それで学業を疎かにしていいとは一言も言わなかったのに……!
女、として見たとき娘のフィーナは、いまいましいフォレストの娘に劣るところはない。が、人間として見たとき、そして上に立つものとして見た時、誰もがフォレストの娘を選ぶだろう。
フィーナはうまくやっていると言っていた。実際、フォレストの娘を婚約者の座から引きずり落としたのはよくやった。
だが、だが、……あろうことかフォレスト侯爵家は王家有責での婚約破棄を申し入れ、その通りになった。
くそ! まさかパーシバル殿下がこれほどまでにバカで、さらには自分の娘も想像以上にバカだったなどと、どうして私は見抜けなかったのか……!
全てが台無しだ! このままでは御しやすいパーシバル殿下から、王位継承権第一位の座が病弱とうわさの第一王子に移ってしまう。
たとえ車椅子で生活していようと、長年の契約を独断で破ったうえに、あぁ、こんなことは考えたくもなかったが……我が娘のようなバカを見抜けない王子など使い物にならない!
パーシバル殿下はフォレストの娘についで学業成績は2位。そんな殿下がうちの娘を選んだからと安心していたが……、まさか、ここまで己の娘がバカだと思わなんだ……。
今から鍛え直したとしてももう遅いだろう。娘は適当な貴族に嫁がせるしかあるまい。見た目が美しいだけの、中身が空っぽの娘でもいいという物好きはそれなりにいるからな。
まさか陛下の名前すら言えないなどと……いまいましい。本当にいまいましい。
しかし、パーシバル殿下が学業の面において優秀であるということは、まだチャンスはあるかもしれない。
なんとしても王太子妃に……そう、王族に我がカルティエの血をつらねたい。
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神よ、どうかパーシバル殿下に王位をお授けください。
そう、パーシバル殿下が御しやすいのは変わらない。そして、そのためにフォレストの娘は再度殿下と婚約することになるだろう。
ただ、それは、フォレストの娘の命があればの話だ。
いまいましいフォレストの娘の命さえなければ、殿下はどんなにバカでも人前で恋人のように振る舞った我が家のフィーナを選ぶしかあるまい。
フォレストの娘、きさまには……死んでもらうしかない。
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