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彼と私の新しい関係
彼は心から後悔する
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由希人サイド
本能のままに彼女を責め苛んでいたら、彼女は意識を失った。
頭が一瞬で冷えた。経験も少ない彼女を手加減もせず、快楽を与える事に特化した魔性のぼくが我を忘れて、責め立てたのだ。それは意識も飛ぶだろう。
朗らかで優しい彼女。ぼくが人ではないと知ってからも変わらず労わってくれた。自分の倫理観に外れた行為なのに、ぼくに糧を与えてくれた。そして快楽に溺れる事無く、いつも真っ直ぐ、ぼく自身を見てくれる。希少な女性。大切に大切にしたいのに。この有り様だ。自分で自分が嫌になる。
ソファーの上で、脱がせたワンピースを身体に敷いた他は、薄いキャミソールを着ただけ。汗と唾液と体液に塗れて、ぐったりと気を失っている姿は、まるで強姦にでもあったみたいだ。自分の仕出かした事に胸がキリキリと痛む。
恐ろしい量の上質な精気が流れ込んで来た。受け取った自分も驚く程だった。想像を絶する快楽だったに違いない。意識が戻らなかったら、どうしよう。本当に心が壊れてしまっていたら、後悔してもしきれない。
慌てて、彼女を抱き上げて寝室に運ぶ。お湯でタオルを絞り、キャミソールを脱がせ身体を丹念に綺麗に拭いた。執拗に愛撫した場所が、ほんのりと赤く色付いている。掛布団をかけてあげて、息をしている事と心臓が動いている事を確認した。顔色は悪く無いようだ。いつも着ている服を見つけて身に着けさせて、しばらく髪や頬を撫でて、オロオロと彼女を見つめていた。
彼女の身体から魔力を感じる………。こんな事は初めてだ。無茶をしたからなのか?知らないうちに自分が危害を与えていたらと思うとゾッとする。
部屋に頑丈に結界を張ると寝室から外に出て、手のひらから一枚のカードを取り出し青白い炎をあげて燃やす。
ほどなく、レオがフッと姿を現した。わずかに目を見開いた。
「別にピンチとかじゃないみたいだね。焦って呼ばれた気がしたんだけど。魔力は十分過ぎる程、満ちてるし?」
「………彼女の身体にも魔力が感じられるんだ。そんな事って、よくある事?今、彼女は意識を失ってる……」
「人間に魔力が?聞いた事無いな。何かしたの?って………まあ、だいたい解るけど」
「彼女は大丈夫なの?人間の身体の中に、魔力が入り込んで危険はないの?」
「見て見ないと、何とも言えない。彼女に会わせてよ」
「今、ベッドに横になってるんだ。他の淫魔に見せたく無い」
「何、トチ狂った事、言ってるの?何で私を呼んだんだよ。その異常な独占欲、何とかしろ。もう帰る」
「……………わかった。今、結界を解く」
由希人が軽く手を翻し、次の瞬間に、ぼくとレオは彼女のベッドのそばに立っていた。
レオが身体を屈めて彼女の額から胸、下腹部へと手をかざす。触れても無いのに嫉妬で胸がチリチリして苦しい。
「うーーーん。おそらく、彼女から発生した精気が、一旦、君に吸収され魔力に精製されたけど量が多過ぎて、君の器に入りきれなくて、彼女に入っちゃった………ってところだなぁ」
「彼女は………?」
「幸い、特に問題は感じないけどね。人間なのに君の魔力が馴染んでる。ちょっとした魔法なら使えるようになったりしてね」
安心して、ホッと息をつく。
「だけど、むやみやたらに、人間に魔力を流し込むなんて感心出来ないね。これ以上は、どうなるか保証出来ない。なにしろ前例が無いから。そもそも君と彼女がイレギュラーな存在なんだから」
「…………どうしたらいい?」
「前例が無いから、何とも言えないけどね。私も考え無しに君に魔力あげたりして責任の一旦を感じるから調べてみるよ。取りあえず場所を変えよう。ゆうきちゃんが起きたら、私がいたら驚くだろうし、君の嫉妬も煩わしい」
「心配だから彼女のそばから離れたくない。さっきの場所でいいか」
「見せたい書物もあるし、私の書庫に来てもらいたい。彼女が気付いたら解るように結界を張っておいたらいいじゃない。糸状の結界で空気の揺れを感じ取れるタイプ。イメージ出来る?」
「多分」
ベッドを中心にブワッと円状の結界を張る。念には念を入れて二重三重にかけておく。
「うわー。執念を感じる結界だね~。これ見て彼女に手を出そうと思う奴は、相当クレージーだ 。私だって遠慮したいよ。地獄の底まで追って来そうだ」
乾いた笑いを浮かべてレオは肩を竦めた。ぼくはレオの言葉を無視した。
そして、2人は、レオの書庫に飛んだ。
本能のままに彼女を責め苛んでいたら、彼女は意識を失った。
頭が一瞬で冷えた。経験も少ない彼女を手加減もせず、快楽を与える事に特化した魔性のぼくが我を忘れて、責め立てたのだ。それは意識も飛ぶだろう。
朗らかで優しい彼女。ぼくが人ではないと知ってからも変わらず労わってくれた。自分の倫理観に外れた行為なのに、ぼくに糧を与えてくれた。そして快楽に溺れる事無く、いつも真っ直ぐ、ぼく自身を見てくれる。希少な女性。大切に大切にしたいのに。この有り様だ。自分で自分が嫌になる。
ソファーの上で、脱がせたワンピースを身体に敷いた他は、薄いキャミソールを着ただけ。汗と唾液と体液に塗れて、ぐったりと気を失っている姿は、まるで強姦にでもあったみたいだ。自分の仕出かした事に胸がキリキリと痛む。
恐ろしい量の上質な精気が流れ込んで来た。受け取った自分も驚く程だった。想像を絶する快楽だったに違いない。意識が戻らなかったら、どうしよう。本当に心が壊れてしまっていたら、後悔してもしきれない。
慌てて、彼女を抱き上げて寝室に運ぶ。お湯でタオルを絞り、キャミソールを脱がせ身体を丹念に綺麗に拭いた。執拗に愛撫した場所が、ほんのりと赤く色付いている。掛布団をかけてあげて、息をしている事と心臓が動いている事を確認した。顔色は悪く無いようだ。いつも着ている服を見つけて身に着けさせて、しばらく髪や頬を撫でて、オロオロと彼女を見つめていた。
彼女の身体から魔力を感じる………。こんな事は初めてだ。無茶をしたからなのか?知らないうちに自分が危害を与えていたらと思うとゾッとする。
部屋に頑丈に結界を張ると寝室から外に出て、手のひらから一枚のカードを取り出し青白い炎をあげて燃やす。
ほどなく、レオがフッと姿を現した。わずかに目を見開いた。
「別にピンチとかじゃないみたいだね。焦って呼ばれた気がしたんだけど。魔力は十分過ぎる程、満ちてるし?」
「………彼女の身体にも魔力が感じられるんだ。そんな事って、よくある事?今、彼女は意識を失ってる……」
「人間に魔力が?聞いた事無いな。何かしたの?って………まあ、だいたい解るけど」
「彼女は大丈夫なの?人間の身体の中に、魔力が入り込んで危険はないの?」
「見て見ないと、何とも言えない。彼女に会わせてよ」
「今、ベッドに横になってるんだ。他の淫魔に見せたく無い」
「何、トチ狂った事、言ってるの?何で私を呼んだんだよ。その異常な独占欲、何とかしろ。もう帰る」
「……………わかった。今、結界を解く」
由希人が軽く手を翻し、次の瞬間に、ぼくとレオは彼女のベッドのそばに立っていた。
レオが身体を屈めて彼女の額から胸、下腹部へと手をかざす。触れても無いのに嫉妬で胸がチリチリして苦しい。
「うーーーん。おそらく、彼女から発生した精気が、一旦、君に吸収され魔力に精製されたけど量が多過ぎて、君の器に入りきれなくて、彼女に入っちゃった………ってところだなぁ」
「彼女は………?」
「幸い、特に問題は感じないけどね。人間なのに君の魔力が馴染んでる。ちょっとした魔法なら使えるようになったりしてね」
安心して、ホッと息をつく。
「だけど、むやみやたらに、人間に魔力を流し込むなんて感心出来ないね。これ以上は、どうなるか保証出来ない。なにしろ前例が無いから。そもそも君と彼女がイレギュラーな存在なんだから」
「…………どうしたらいい?」
「前例が無いから、何とも言えないけどね。私も考え無しに君に魔力あげたりして責任の一旦を感じるから調べてみるよ。取りあえず場所を変えよう。ゆうきちゃんが起きたら、私がいたら驚くだろうし、君の嫉妬も煩わしい」
「心配だから彼女のそばから離れたくない。さっきの場所でいいか」
「見せたい書物もあるし、私の書庫に来てもらいたい。彼女が気付いたら解るように結界を張っておいたらいいじゃない。糸状の結界で空気の揺れを感じ取れるタイプ。イメージ出来る?」
「多分」
ベッドを中心にブワッと円状の結界を張る。念には念を入れて二重三重にかけておく。
「うわー。執念を感じる結界だね~。これ見て彼女に手を出そうと思う奴は、相当クレージーだ 。私だって遠慮したいよ。地獄の底まで追って来そうだ」
乾いた笑いを浮かべてレオは肩を竦めた。ぼくはレオの言葉を無視した。
そして、2人は、レオの書庫に飛んだ。
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