25 / 80
彼と私の新しい関係
お試し
しおりを挟む
由希人サイド
「由希人くん、お、お、落ち着いて」
「落ち着いてます」
「あのね、女の人は星の数ほどいるの。実は」
「知ってますよ、それくらい」
「いやいや見た事ないでしょ。由希人くんは、全部、手に入れられるかもしれないよ、すっごくモテるよ。私が太鼓判を押すよ」
「何、言ってるんですか?!そんなに要りません!今、ゆうきさんに告白してるんですよ。ふざけないで下さい。真面目に答えて下さい」
さっきから、ゆうきさんは、おかしい。こんな時は、絶対、色々、ごちゃごちゃ、明後日の方向に考えが暴走してるに決まってる。しっかり聞き出さないと何を言いだすか、やりだすか、わかったものじゃない。
「………想像が、つかないんだもの、子供の由希人くんは、現実感が、どこか無くて、私の想像の産物って言われても、きっと私、納得したと思うの。夢みたいに、私に優しくて決して私を傷付けたりしなくて。でも、大人になっちゃって。どう向きあっていけば良いのか………わからないよ。だから、自然に帰そうって、私から自由にしてあげようって思ってたのに」
……………………やっぱり。ガックリと力が抜けて膝をつきそうになるのを堪える。
その上、自然に返すって野生動物扱い。ヒドイ。
「ぼくの事、捨てるつもりだったんですか!?」
思わず、握った手に力が入る。彼女の頭の中で何がどうなって、そんな結論になったんだ。
「手、痛い……そうじゃないよ、生まれてから、ずっと私の家に閉じ込められてたでしょ。もう、何処にでも好きな場所に行けるんだよ。私に遠慮しないで自由に生きて欲しいなって……そう、思って」
慌てて手の力を緩めた。手の力が思ったより強いから、気をつけないと。
「君、ぼくの事、閉じ込めたりしてないでしょう?君の事が好きなんだよ。君のそば以外に行きたい場所なんてない。ぼくが居なくなって欲しいの?大人になったぼくは邪魔?」
「…………………………………………」
そこで黙らないで欲しい。それって肯定って事?でも、何で?子供の姿のぼくなら一緒にいるけど、大人の姿だと駄目な理由って何?自分で言うのもなんだけど、なかなか上等な淫魔に成長したはずなのだが。
「大人の姿のぼくが、君を傷付けるとか思ってる?」
背中に回していた掌を彼女の頬に寄せて包むように触れる。小さくて可愛い。
彼女が首を横に僅かに振る。
ホッと胸を撫で下ろす。
「ぼくの事、好き?」
「……………………………………………」
あ、心拍数が上がってきてる。でも、これは言ったらダメだヤツだ。さっき失敗したから流石に学習したよ。
「ぼくに触れられるのが怖い?」
更に彼女の心拍数が上がってゆく。そして、首を今度は僅かに縦に振る。傷付けたりしないと思っているけど触れられるのは怖い。なるほど。ちっとも、わからない。
「どうして怖いか説明出来る?」
「…………………………………………………」
………………出来ないか。自分でも、よくわからないって感じかな。
「じゃあ、試してみよう。頬は大丈夫だよね。手も大丈夫でしょう。背中も。腰も、さっき触れたし」
うわー。彼女の心拍数が、ガンガン上がってゆくよ。ぼくの事、すごく意識してくれているんだけどな。欲情してるよって言ったら逃走するだろうな。
俯き気味の顔も赤くなってきてるし。彼女の情動に影響されて、こっちまで、おかしな気分になってくる……ああ、キスしたい。素肌に触れたい。
こんな邪なぼくの性根が怖いんだろうな。だとしたら彼女の勘は、あながち間違ってない。紳士を気取ってるけれど、彼女を抱き込んでドロドロのグチャグチャにしたい。
ぼくを求めて彼女が甘く鳴きながら、薄っすら赤く素肌を染める映像が脳裏を掠めて、それを、慌てて打ち消す。実際、裸体も見ているし触れているから想像でも映像が鮮明で、ホント困る。イロイロ。子供の姿では問題にならなかった大人の事情方面で。
こんなに強い欲求に苛まれて、レオが言っていた「完全熟成」なんか出来るんだろうか。
いや………………まず捨てたい野生動物から恋人に昇格しないと。ちょっと、泣きたくなってきた。ぼくの気持ち、全然、伝わってないよね~。清々しいくらいに。
「ね。怖くないでしょう」
優しく諭すように、彼女の頭を撫でた。いや、君の乱れる姿を想像して勃ちそうなんですって知ったら、彼女は全力で逃げ出すだろう。とっても怖いだろう。
「……ば」
ポソと真っ赤になった彼女が何か言った。
「ば?」
ばって何?
「爆発しちゃう~」
ナニコレ。可愛いんだけど。
「由希人くん、お、お、落ち着いて」
「落ち着いてます」
「あのね、女の人は星の数ほどいるの。実は」
「知ってますよ、それくらい」
「いやいや見た事ないでしょ。由希人くんは、全部、手に入れられるかもしれないよ、すっごくモテるよ。私が太鼓判を押すよ」
「何、言ってるんですか?!そんなに要りません!今、ゆうきさんに告白してるんですよ。ふざけないで下さい。真面目に答えて下さい」
さっきから、ゆうきさんは、おかしい。こんな時は、絶対、色々、ごちゃごちゃ、明後日の方向に考えが暴走してるに決まってる。しっかり聞き出さないと何を言いだすか、やりだすか、わかったものじゃない。
「………想像が、つかないんだもの、子供の由希人くんは、現実感が、どこか無くて、私の想像の産物って言われても、きっと私、納得したと思うの。夢みたいに、私に優しくて決して私を傷付けたりしなくて。でも、大人になっちゃって。どう向きあっていけば良いのか………わからないよ。だから、自然に帰そうって、私から自由にしてあげようって思ってたのに」
……………………やっぱり。ガックリと力が抜けて膝をつきそうになるのを堪える。
その上、自然に返すって野生動物扱い。ヒドイ。
「ぼくの事、捨てるつもりだったんですか!?」
思わず、握った手に力が入る。彼女の頭の中で何がどうなって、そんな結論になったんだ。
「手、痛い……そうじゃないよ、生まれてから、ずっと私の家に閉じ込められてたでしょ。もう、何処にでも好きな場所に行けるんだよ。私に遠慮しないで自由に生きて欲しいなって……そう、思って」
慌てて手の力を緩めた。手の力が思ったより強いから、気をつけないと。
「君、ぼくの事、閉じ込めたりしてないでしょう?君の事が好きなんだよ。君のそば以外に行きたい場所なんてない。ぼくが居なくなって欲しいの?大人になったぼくは邪魔?」
「…………………………………………」
そこで黙らないで欲しい。それって肯定って事?でも、何で?子供の姿のぼくなら一緒にいるけど、大人の姿だと駄目な理由って何?自分で言うのもなんだけど、なかなか上等な淫魔に成長したはずなのだが。
「大人の姿のぼくが、君を傷付けるとか思ってる?」
背中に回していた掌を彼女の頬に寄せて包むように触れる。小さくて可愛い。
彼女が首を横に僅かに振る。
ホッと胸を撫で下ろす。
「ぼくの事、好き?」
「……………………………………………」
あ、心拍数が上がってきてる。でも、これは言ったらダメだヤツだ。さっき失敗したから流石に学習したよ。
「ぼくに触れられるのが怖い?」
更に彼女の心拍数が上がってゆく。そして、首を今度は僅かに縦に振る。傷付けたりしないと思っているけど触れられるのは怖い。なるほど。ちっとも、わからない。
「どうして怖いか説明出来る?」
「…………………………………………………」
………………出来ないか。自分でも、よくわからないって感じかな。
「じゃあ、試してみよう。頬は大丈夫だよね。手も大丈夫でしょう。背中も。腰も、さっき触れたし」
うわー。彼女の心拍数が、ガンガン上がってゆくよ。ぼくの事、すごく意識してくれているんだけどな。欲情してるよって言ったら逃走するだろうな。
俯き気味の顔も赤くなってきてるし。彼女の情動に影響されて、こっちまで、おかしな気分になってくる……ああ、キスしたい。素肌に触れたい。
こんな邪なぼくの性根が怖いんだろうな。だとしたら彼女の勘は、あながち間違ってない。紳士を気取ってるけれど、彼女を抱き込んでドロドロのグチャグチャにしたい。
ぼくを求めて彼女が甘く鳴きながら、薄っすら赤く素肌を染める映像が脳裏を掠めて、それを、慌てて打ち消す。実際、裸体も見ているし触れているから想像でも映像が鮮明で、ホント困る。イロイロ。子供の姿では問題にならなかった大人の事情方面で。
こんなに強い欲求に苛まれて、レオが言っていた「完全熟成」なんか出来るんだろうか。
いや………………まず捨てたい野生動物から恋人に昇格しないと。ちょっと、泣きたくなってきた。ぼくの気持ち、全然、伝わってないよね~。清々しいくらいに。
「ね。怖くないでしょう」
優しく諭すように、彼女の頭を撫でた。いや、君の乱れる姿を想像して勃ちそうなんですって知ったら、彼女は全力で逃げ出すだろう。とっても怖いだろう。
「……ば」
ポソと真っ赤になった彼女が何か言った。
「ば?」
ばって何?
「爆発しちゃう~」
ナニコレ。可愛いんだけど。
0
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる