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番外編 高志くんの甘い災難
未熟な淫魔は忙しい
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イブサイド
現実と夢で、さくらぎたかしは全然違う。
びっくりするくらい違う!
現実では、頭ポンポンくらいしか接してこない。
朝と夜と発情した時に、ごはんを貰おうとすると恥ずかしがって「ちょっと待って」とか「せめてシャワーを」とか、どっかの乙女みたいになる。
恥じらいながら達する瞬間は壮絶に色っぽくて、毎回ゾクゾクする。
その一瞬で濃密で上質な精気が一気に流れ込んでくる。うん、今日も美味しい!
早いから、瞬殺とか言って気にしてるけど、あたしが彼の身体の負担を減らす為にやっているだけだから、ソーローとかじゃ無い。
別にソーローとかでも、あたしは気にしないのに。
ごはんとか運動とか、イブはうるさいとか言うし。
一緒に眠るのは駄目だと、グズグズ言う。
そのくせ、あたしをキュッと抱きしめて眠るのだ。さくらぎたかし可愛い!
あたしは、最近、スマホと言う文明機器を借りて色々、勉強している。
彼は、失礼な事に、あたしが、ちょっと頭が足りない淫魔だと思っている。
まあ、あながち間違いではないかもしれないけど、彼が思っているほど酷くない。多分。
家政婦という彼の家事を手助けしてくれる人や、お医者さんという、彼の健康を手助けしてくれる人が来てくれる時、スマホに入った音楽アプリとイヤホンを与えて「これ聴いてお利口に隠れててね」と、言ったのだ。
それから、時々、借りている。
もちろん音楽アプリなんか使っていない。
まず最初に人間の文字、日本語を魔力で理解出来るようにした。節約してるけど、この魔力は必要経費だから仕方ない。
スマホは何でも浅く広くだけど教えてくれる。
現在の人間社会の世界経済や政治、流行。事件。事故。スポーツ。天気、花粉情報まで!
どの時代も誤情報や情報操作や情報隠蔽をするから全てが正解では無いけれど充分、役に立ってくれるのだ。
さくらぎたかしの検索履歴で人間の性行為画像を発見したりもした。ふーん。みんな何気にオッパイが大きくない?
別にいいけど。ふーん。
この世界に「ろりこん」という概念がファンタジー的に存在しているが、実際、行為を行うと犯罪ということなど為になる情報が満載だ。
ちなみに、さくらぎたかしは、「つんでれ」だと思う。
一番、知りたい彼の胸の濁りに関しては、その場所が心臓ということと、多分、肺という部分にも問題があるだろうくらいしか分からない。
調べたどれにも最後は具合が悪ければ早めに専門の病院へ行きましょうと書いてある。
そもそもさくらぎたかしは病院に行っていた。何度か入院していたらしい。
何度か手術もした。
でも、駄目だったのだ。
病院に、もう駄目と言われたら、どうしたら良いのか。
認めたくは無いが、少し頭が足りないらしいあたしには、どうすれば良いのかわからない。
ただ、ただ、彼の心臓に防御をかけて、濁りを癒して、負担を減らして、体力をつけてもらって、魔力をせっせと貯めている。
これでは、彼は治らない。
元々、瑕疵があったものだったようだ。
それに色々な人工的な方法を尽くして尽くして、疲弊しきって、手がつけられないくらい完全に壊れた人の中枢部品を治す方法はあるのだろうか。
人は、少なくとも医療は匙を投げている。
あたしの同族なら、治し方を知らないだろうか。
そうは言っても、同族だから仲間って訳じゃ無い。
むしろ同じ獲物を奪い合う敵となる可能性が高い。
強い者には何をされるかわからないから怖い。
消えたら、彼を治せない。
答えは見つからないまま、今日も、さくらぎたかしの周りをうろちょろして更けてゆく。
また1日が終わる。
いつまでも初々しく愛らしいさくらぎたかしから、儀式のように食事を貰ったら、彼をごく弱い魔力で睡眠に誘う。
元々、疲れているのもあって彼は、すぐに誘われるまま眠ってくれる。
いつも、しばらく寝顔に見とれてしまう。
少し、あどけない無防備な彼の寝顔が好きだ。
魔力で身体と心を遮断してから、あたしも夢の中へと入る。
「イブ!」
ぎゅうぅぅぅぅぅぅぅ。
こっちの、さくらぎたかしは、あたしにべったりだ。
ベッタベタだ。
どこにいても顔を見た途端に抱き付いてくるし、軽くキスしたり、撫でたり、頬を擦り付けたりして甘えてくれる。
これくらい現実でも、出来たらいいのに。
こんなガリガリで胸もペタンコの変な色(さくらぎたかしは綺麗と言う)の髪と瞳の子供に、現実で触れると、彼は容易く欲情する。
長い時間の欲情は、彼の身体に負担が大きいから速やかに「頂きます」する。
最近、あたしが、欲情に気づいて「あ………………」という事に、彼は軽くトラウマ気味だ。
だから、現実では、ほとんど触ってこない。
正確に言えば、触って来なくなった。
自分の、あたしへの反応に混乱と怖れを抱いているようにみえる。
スマホの履歴映像を見る限り彼は「ろりこん」の性癖は無いと推測されるのだが。
「イブ………イブ………ああ、イブ」
現実で触れない反動が酷い。
「さくらぎたかし」
「高志でいいって、どうしてフルネームなのさ」
「たかし。高志さん。高志くん」
「………高志くんが、良い」
「高志くん」
「うん、イブ。ボクのイブ。どこにも行かないで」
「行かないよ。約束したでしょ。最近、毎回、聞くんだもん。変なの」
髪を梳いて撫でて頬や肩に触れて、だんだん、彼の指の動きが怪しくなっていく。
親愛の動きから、何か別の色を含んだものに変わっていく。
それは日に日に、濃くなってゆくようだ。
「ねえ………キスしたい。キスさせて」
「う、うん、良いよ………」
あたしの声が元気無いのは、最近、もう、てんで彼に敵わないからだ。
相手を虜にしなくちゃいけないサキュバスが、彼のキスで、クタクタの骨抜きになってしまうのだ。
サキュバス完全失格!!!確定!
「んん…………っ………………ん………ぁ………」
彼は器用に、あたしに深くキスしながら、身体を弄ってくる。
最初の頃は、キスくらいで目覚めていたけれど、だんだん、大胆になってきた。
何より、あたしが、クタクタのふにゃふにゃになっているのが、彼は、楽しくてたまらないみたいで困る。
スルリと、とうとうワンピースの下から掌が滑り込んできた。
「やっぱり………何も着けてない。イブったら」
キスの合間に、呆れたような甘い声が聞こえた。
お尻や太腿を撫でまわさないで欲しい。
何だか息があがる。
あたしを、キスから解放して、彼が耳元で耳を柔く食みながら囁く。
「ねえ………………見たい。見ても良い?」
「っは………何を?」
「………………全部。イブの全部をよく見せて」
さくらぎたかしは、うっとりした表情を浮かべて、そう言った。
現実と夢で、さくらぎたかしは全然違う。
びっくりするくらい違う!
現実では、頭ポンポンくらいしか接してこない。
朝と夜と発情した時に、ごはんを貰おうとすると恥ずかしがって「ちょっと待って」とか「せめてシャワーを」とか、どっかの乙女みたいになる。
恥じらいながら達する瞬間は壮絶に色っぽくて、毎回ゾクゾクする。
その一瞬で濃密で上質な精気が一気に流れ込んでくる。うん、今日も美味しい!
早いから、瞬殺とか言って気にしてるけど、あたしが彼の身体の負担を減らす為にやっているだけだから、ソーローとかじゃ無い。
別にソーローとかでも、あたしは気にしないのに。
ごはんとか運動とか、イブはうるさいとか言うし。
一緒に眠るのは駄目だと、グズグズ言う。
そのくせ、あたしをキュッと抱きしめて眠るのだ。さくらぎたかし可愛い!
あたしは、最近、スマホと言う文明機器を借りて色々、勉強している。
彼は、失礼な事に、あたしが、ちょっと頭が足りない淫魔だと思っている。
まあ、あながち間違いではないかもしれないけど、彼が思っているほど酷くない。多分。
家政婦という彼の家事を手助けしてくれる人や、お医者さんという、彼の健康を手助けしてくれる人が来てくれる時、スマホに入った音楽アプリとイヤホンを与えて「これ聴いてお利口に隠れててね」と、言ったのだ。
それから、時々、借りている。
もちろん音楽アプリなんか使っていない。
まず最初に人間の文字、日本語を魔力で理解出来るようにした。節約してるけど、この魔力は必要経費だから仕方ない。
スマホは何でも浅く広くだけど教えてくれる。
現在の人間社会の世界経済や政治、流行。事件。事故。スポーツ。天気、花粉情報まで!
どの時代も誤情報や情報操作や情報隠蔽をするから全てが正解では無いけれど充分、役に立ってくれるのだ。
さくらぎたかしの検索履歴で人間の性行為画像を発見したりもした。ふーん。みんな何気にオッパイが大きくない?
別にいいけど。ふーん。
この世界に「ろりこん」という概念がファンタジー的に存在しているが、実際、行為を行うと犯罪ということなど為になる情報が満載だ。
ちなみに、さくらぎたかしは、「つんでれ」だと思う。
一番、知りたい彼の胸の濁りに関しては、その場所が心臓ということと、多分、肺という部分にも問題があるだろうくらいしか分からない。
調べたどれにも最後は具合が悪ければ早めに専門の病院へ行きましょうと書いてある。
そもそもさくらぎたかしは病院に行っていた。何度か入院していたらしい。
何度か手術もした。
でも、駄目だったのだ。
病院に、もう駄目と言われたら、どうしたら良いのか。
認めたくは無いが、少し頭が足りないらしいあたしには、どうすれば良いのかわからない。
ただ、ただ、彼の心臓に防御をかけて、濁りを癒して、負担を減らして、体力をつけてもらって、魔力をせっせと貯めている。
これでは、彼は治らない。
元々、瑕疵があったものだったようだ。
それに色々な人工的な方法を尽くして尽くして、疲弊しきって、手がつけられないくらい完全に壊れた人の中枢部品を治す方法はあるのだろうか。
人は、少なくとも医療は匙を投げている。
あたしの同族なら、治し方を知らないだろうか。
そうは言っても、同族だから仲間って訳じゃ無い。
むしろ同じ獲物を奪い合う敵となる可能性が高い。
強い者には何をされるかわからないから怖い。
消えたら、彼を治せない。
答えは見つからないまま、今日も、さくらぎたかしの周りをうろちょろして更けてゆく。
また1日が終わる。
いつまでも初々しく愛らしいさくらぎたかしから、儀式のように食事を貰ったら、彼をごく弱い魔力で睡眠に誘う。
元々、疲れているのもあって彼は、すぐに誘われるまま眠ってくれる。
いつも、しばらく寝顔に見とれてしまう。
少し、あどけない無防備な彼の寝顔が好きだ。
魔力で身体と心を遮断してから、あたしも夢の中へと入る。
「イブ!」
ぎゅうぅぅぅぅぅぅぅ。
こっちの、さくらぎたかしは、あたしにべったりだ。
ベッタベタだ。
どこにいても顔を見た途端に抱き付いてくるし、軽くキスしたり、撫でたり、頬を擦り付けたりして甘えてくれる。
これくらい現実でも、出来たらいいのに。
こんなガリガリで胸もペタンコの変な色(さくらぎたかしは綺麗と言う)の髪と瞳の子供に、現実で触れると、彼は容易く欲情する。
長い時間の欲情は、彼の身体に負担が大きいから速やかに「頂きます」する。
最近、あたしが、欲情に気づいて「あ………………」という事に、彼は軽くトラウマ気味だ。
だから、現実では、ほとんど触ってこない。
正確に言えば、触って来なくなった。
自分の、あたしへの反応に混乱と怖れを抱いているようにみえる。
スマホの履歴映像を見る限り彼は「ろりこん」の性癖は無いと推測されるのだが。
「イブ………イブ………ああ、イブ」
現実で触れない反動が酷い。
「さくらぎたかし」
「高志でいいって、どうしてフルネームなのさ」
「たかし。高志さん。高志くん」
「………高志くんが、良い」
「高志くん」
「うん、イブ。ボクのイブ。どこにも行かないで」
「行かないよ。約束したでしょ。最近、毎回、聞くんだもん。変なの」
髪を梳いて撫でて頬や肩に触れて、だんだん、彼の指の動きが怪しくなっていく。
親愛の動きから、何か別の色を含んだものに変わっていく。
それは日に日に、濃くなってゆくようだ。
「ねえ………キスしたい。キスさせて」
「う、うん、良いよ………」
あたしの声が元気無いのは、最近、もう、てんで彼に敵わないからだ。
相手を虜にしなくちゃいけないサキュバスが、彼のキスで、クタクタの骨抜きになってしまうのだ。
サキュバス完全失格!!!確定!
「んん…………っ………………ん………ぁ………」
彼は器用に、あたしに深くキスしながら、身体を弄ってくる。
最初の頃は、キスくらいで目覚めていたけれど、だんだん、大胆になってきた。
何より、あたしが、クタクタのふにゃふにゃになっているのが、彼は、楽しくてたまらないみたいで困る。
スルリと、とうとうワンピースの下から掌が滑り込んできた。
「やっぱり………何も着けてない。イブったら」
キスの合間に、呆れたような甘い声が聞こえた。
お尻や太腿を撫でまわさないで欲しい。
何だか息があがる。
あたしを、キスから解放して、彼が耳元で耳を柔く食みながら囁く。
「ねえ………………見たい。見ても良い?」
「っは………何を?」
「………………全部。イブの全部をよく見せて」
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