上 下
2 / 3

2話 スキルの習得と使い方

しおりを挟む


 ーースキル『テイマー』を習得しました。


 「…え?テイマー?」


 俺は神様の元から地球に帰ってきたと思えばすぐに頭の中にスキルが習得しましたと聞こえてきた。突然聞こえてきたもんだから少しは驚いたけどそんなことより俺は習得したスキルに目が飛び出てしまうのではないかと思うほど圧倒的に驚かされた。


 「え?地球でテイマー?モンスターとかいないのに?」


 そうテイマーとはドラゴンとかフェンリルとかカッコよくて強いモンスターやアニメや漫画によっては異なるがスライムや妖精などの可愛いモンスターを仲間にするために必要になってくるスキルだ。だがそのモンスターたちはこの世界にはいないのだ。


 ……いやテイマーがスキルではなく職業なんじゃないかと思だたりもするが今大事なのはそこじゃない。


 「まじか、これって外れスキルか」


 スキルによって当たり外れはあるだろう。だけど俺が習得するスキルは勝手に選ばれるランダムではないはずだ。確か神様は「お主が住む世界、地球が決める」的なことを言っていた。つまりこの『テイマー』スキルを俺に与えたのはこの俺が住む世界、地球という事になる。


 「いや、まてよ一概に外れとは言い切れないのかもしれないな」


 地球が俺のために選んでくれたスキルなのだ。もしかしたら俺が考えている以上の何か隠された力があるのかもしれない。


 「ステータスオープン」


………反応はなし。目の前に透明なステータスが書かれた画面が現れたわけでも頭の中に思い浮かんできたわけでもない。この世界にはステータスオープンという設定みたいなのはないようだ。まぁこれはスキルを習得する前から何度か唱えたことはあったのでステータスが出てこないことはわかっていた。それならなぜやったのか、それはスキルを得る前と後では変わってくるんじゃないかと少し…いやかなり思っていたからだ。


 「ステータスはなしっと、うん、詰んだ」


 ステータスはなくても構わない。いや見てみたいって気持ちはあった。見てみたい気持ちって言うよりかは何か隠された力はないのかと言う気持ちの方が大きいけど。まぁそんなことより今はこのスキルについてだ。


 「地球と俺の認識にズレがなく間違っていなかったらこれはテイマーの力が使えるようになるスキルだよな」


 ステータスオープンがない事によって1番困ることがスキルの使い方が分からないと言う事だ。名前で何となく使い方は分かるけど俺が思うテイマーと地球が思うテイマーが必ずしも同じとは限らないということだ。例えばだけと俺が思うテイマーはモンスターにしか効果がないテイマー、分かりやすく分けるように言うとモンスターテイマーと言うものだ。だがこの世界にはモンスターがいない。だから地球が思うテイマーはモンスターにしか効果が発揮しないモンスターテイマーではない可能性が高いのだ。そしてテイマーとして捕まえた相手に対して絶対的な命令権があるのかないのかなどまだまだ認識による違いがある可能性が高い。


 「はぁ~これは実際に使って確認するしかないよな」


 俺は外行き用の服に着替えるとスキルを使うために人目のつかない場所を探して家を飛び出した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

処刑されたのでなんとか回避エンドをもう一度目指します

酒田愛子(元・坂田藍子)
ファンタジー
キャロラインは、敵国の内通者として冤罪で処刑された...はずだったが、気がつくと10年前に戻っていた。 なんとかして処刑エンドは回避します!

勇者の友人はひきこもり

山鳥うずら
ファンタジー
今泉誠(いまいずみまこと)、無職のひきこもり。両親はすでに亡くなっているので、自宅警備員としての仕事は失っている。そんな自由人の俺が早朝、コンビニで買い物の帰り道、十年以上前に行方不明になった親友とばったりと出会うことになる。 親友とは会話も弾み当時と何も変わらないまま、俺たちの関係は復活した。そんな俺と友人の短い出会いを綴った物語。 単行本一冊ぐらいの分量を予定しております。のんびりと続けますので、気長にお付き合い出来る読者様、遊びに来て下さい。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

独自ダンジョン攻略

sasina
ファンタジー
 世界中に突如、ダンジョンと呼ばれる地下空間が現れた。  佐々木 光輝はダンジョンとは知らずに入ってしまった洞窟で、木の宝箱を見つける。  その宝箱には、スクロールが一つ入っていて、スキル【鑑定Ⅰ】を手に入れ、この洞窟がダンジョンだと知るが、誰にも教えず独自の考えで個人ダンジョンにして一人ダンジョン攻略に始める。   なろうにも掲載中

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

【本編完結】転生隠者はまったり怠惰に暮らしたい(仮)

ひらえす
ファンタジー
後にリッカと名乗る者は、それなりに生きて、たぶん一度死んだ。そして、その人生の苦難の8割程度が、神の不手際による物だと告げられる。  そんな前世の反動なのか、本人的には怠惰でマイペースな異世界ライフを満喫するはず……が、しかし。自分に素直になって暮らしていこうとする主人公のズレっぷり故に引き起こされたり掘り起こされたり巻き込まれていったり、時には外から眺めてみたり…の物語になりつつあります。 ※小説家になろう様、アルファポリス様、カクヨム様でほぼ同時投稿しています。 ※残酷描写は保険です。 ※誤字脱字多いと思います。教えてくださると助かります。

Cursed Heroes

コータ
ファンタジー
 高校一年生の圭太は、たまにバイトに行くだけで勉強も部活もやらず一つのゲームにハマっていた。  ゲームの名前はCursed Heroes。リアルな3Dキャラクターを操作してモンスター達を倒すことにはまっていた時、アプリから一通のお知らせが届く。 「現実世界へのアップデートを開始しました!」  意味が解らないお知らせに困惑する圭太だったが、アプリ内で戦っていたモンスター達が現実の世界にも出現しなぜか命を狙われてしまう。そんな中彼を救ってくれたのは、ゲーム世界で憧れていた女ゲーマー『ルカ』だった。  突如始まってしまったリアルイベントに強引に巻き込まれ、自身も戦う羽目になってしまった圭太は、やがてゲーム内で使っていたキャラクター「アーチャー」となり、向かってくるモンスター達を倒す力を身につけていく。  彼はルカに振り回されながらも、徐々に惹かれていくが……。  学校通ってバイトに行って、ゲームをしつつモンスター退治、それとちょっとだけ恋をするかもしれない日常。圭太の不思議な新生活が始まった。

処理中です...