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4話

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『スキル…《生と死の境界》を取得しました。』


《生と死の境界》…不明


…………


………


……






「…なんだこれは?」


アイテムに続きスキルを取得していた。だが取得したスキルの名前と効果に俺はなんにも言葉が出てこなくて、ただ頭をひねるだけだけだった。


「えーと、どういう効果なんだ?」


先にまさにチートとしか言いようのない効果を持ったアイテム貰ったのでもしかしたらスキルもチートみたいな効果を持ったスキルが貰えるんじゃないかと興奮しながら光の玉に触れたんだけど…だけど俺の予想をはるかに超える…いやねじ曲がったスキルを取得することができた。


スキルと言うのは取得した瞬間にどんな力なのかを知ることができる。だけどこのスキルについてはよく分からなかった。ただすごい力を持っている……気がするぐらいにしか…多分だけど



『ダンジョンスキル・アイテムの授与を確認しました。これよりダンジョンは崩壊を始めます。』



…? あれ?今なんて言った?



「え?崩壊?」



ダンジョンが崩壊し始めた。



「やべっ!立っていられない !?」


地面はこのダンジョン全体が揺れているんじゃないかと思ってしまうほどに揺れ立っているのもままならないほどだ。


このままだと俺はダンジョンの崩壊に巻き込まれてしまうだろう、だがただ俺も何もせずに死ぬつもりはない。壁に手を付き体を支えながら出口へと一歩一歩ゆっくりだけど確実に進んでいく。


「くそっ!間に合うか!」


今にも天井が崩れ落ちてくるんではないか、地面が崩れ落ちて落ちてしまうんではないか、そんな恐怖と戦いながら俺は出口へと向かう。



もう少し、もう少し、もう少しで!



近くに天井が崩れ石の塊となった物が近くへと降り注いでくる。地面に落ちた際に砕けて小石になったのが俺に飛んでくるが、だがそれを気にしてはいられない。1秒でも早く出口へとたどりつかなければならないからだ。



ガタッ



あっ



そんな声しか出なかった。




それはあまりにも一瞬の出来事だった。



何もすることはできず俺は崩れた地面と共に底すら見えなず一切の光もない真っ暗な闇へと落ちていった。



………


……





そして俺は気がつくと………自分の家の中にいた。



…え!?



「夢…だったのか?」


夢だったかと思ったけどそれは手に付けてある腕時計に変形させてある《無上の極致》があるのでさっきの出来事は夢じゃなかったと言うことが分かる。


「はぁ~よかった~」


まぁ何はともあれ俺は無事に家へと帰ってくることができたので一先ず安心することができた。












後でケータイで調べた結果ダンジョンを攻略した後、スキルとアイテムを取得するとダンジョンは崩壊し始め、しばらくするとダンジョンの外へと強制的に出されると書かれていた。つまり俺は崩壊に巻き込まれないように必死になって出口へと向かっていたがそれは別に必要ないことだったと言うことだ。


先にもっと調べておけばよかったと後悔したのだった。
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