彼女の秘密を暴いたら

いちごミルクの味

　怖がらせないようにゆっくり椅子から立ち上がって、彼女の頬を両手で挟んだ。頬を撫でると上を向いて瞼を閉じ、唇を少し開く。キス待ち顔がエロ可愛い。

　乾燥した自分の唇を舐めてから、プリプリの柔らかそうな唇にそっと押し当てた。最初はちゅっと軽く何度か触れるだけにして、様子を窺う。そして、何度目かのキスの後、唇を舌で割って差し込む。すぐに彼女の舌が俺の舌に絡んできた。
　ぴちゃっと水っぽい音が出る。
　彼女の舌からいちごミルクの味がして、ちょっと可笑しくなった。
　いちごミルクは好きだけど太るから飲まないって言ってたのに、飲んだんだ。

「……好きだ。友香」

　歯の裏をなぞって、何度か角度を変える。ペチュペチュ口の中をかき回す音が、静かな美術室に響いた。学校でするときはいつも美術室だ。幽霊部員しかいない美術部の部長をしているのはこの時のため。変な石像の視線がいつも気になるけど、見られながらするのも、いいよな。
　もちろん廊下側のカーテンは閉めて、鍵もかけてるから人に見られる心配はないけど、外の足音とか、すっげー興奮する。声出すなとか言うと、彼女もめちゃくちゃ濡れるし。
　今も廊下のどこかで話し声が微かに聞こえてる。

　俺の手が下がって、彼女の分厚いブレザーに隠された胸に触れる。中にセーターも着ているからおっぱいの柔らかさはあまり感じない。でもこの下に、大きくて柔らかい肉の塊があるのを俺は知ってる。細いから目立たないけど、確実に大きい部類に入る胸。

　右手だけそこに残して、左手は細い腰に回しぎゅっと抱き寄せる。
　彼女もキスに夢中で積極的に俺の体に腕を回してきた。
　染めていない黒髪や、白い肌、清潔そうな見た目からは想像できないほどエロい彼女。
　そーゆーギャップが俺は堪らなく好きだし、彼女に合わせて教室では真面目そうに振る舞うのもけっこう気に入ってる。だれも想像できないだろ？　俺たちがいつも学校の美術室でセックスしてるなんてさ。
　卑猥な音を立てて唇を貪っているとき、足に何かが当たった。
　彼女の股に……なにか……？

「これ……え？」