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こんにちは、聖女
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やっと二往復目が終わり、最上階の部屋のカギを開ける。その部屋は白い塔にふさわしく、壁も家具も真っ白。壁が四角く突き出た部分は洗面所。それ以外に仕切りがない。生活用水は塔の屋根にある水槽に雨水を溜めて、部屋で使える。ここ一週間は、日照り続きだから、水槽は空かもしれない。
部屋の中を見渡すと、中央のベッドに白い裾の長い寝間着姿の『聖女』が、ちょこんと座っていた。
「こんにちは、聖女。食べ物と水を持ってきたよ」
僕が言うと、聖女はいつになく穏やかな顔で目を細める。
めずらしい。今日は少し機嫌がいいのかな? 前はよく扉を開けた瞬間、僕を突き飛ばし、塔の外に出ようとしていた。
階段は、僕と賢者以外上り降り出来ない。上っても降りても、この部屋の前にしか辿り着けない不思議な魔法が施されている。賢者が作った自慢のオリジナル魔法。欠点は魔法を使った本人と、賢者の魔法が効かない勇者しか魔法を回避出来ないって所。
「今日は焼き菓子を持ってきたよ」
何もない部屋に毎日いるのは暇だろうから、甘いお菓子で気を紛らわせたら良いんじゃないかと考え、王宮の料理人に用意してもらった。実は、階段を上ってる最中にこっそりひとつ食べたけど、最ッ高においしかった! 拳くらいの大きさで、バターの香りがする茶色いお菓子。
部屋の中を見渡すと、中央のベッドに白い裾の長い寝間着姿の『聖女』が、ちょこんと座っていた。
「こんにちは、聖女。食べ物と水を持ってきたよ」
僕が言うと、聖女はいつになく穏やかな顔で目を細める。
めずらしい。今日は少し機嫌がいいのかな? 前はよく扉を開けた瞬間、僕を突き飛ばし、塔の外に出ようとしていた。
階段は、僕と賢者以外上り降り出来ない。上っても降りても、この部屋の前にしか辿り着けない不思議な魔法が施されている。賢者が作った自慢のオリジナル魔法。欠点は魔法を使った本人と、賢者の魔法が効かない勇者しか魔法を回避出来ないって所。
「今日は焼き菓子を持ってきたよ」
何もない部屋に毎日いるのは暇だろうから、甘いお菓子で気を紛らわせたら良いんじゃないかと考え、王宮の料理人に用意してもらった。実は、階段を上ってる最中にこっそりひとつ食べたけど、最ッ高においしかった! 拳くらいの大きさで、バターの香りがする茶色いお菓子。
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