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Scene08 さよならの鐘の音

76 それでも人になりたくて③

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「いや!離して!」

少女が抵抗する。

「離さないよ。
 君には新しいお菓子の実験台になってもらうんだ」

そういったのは水野 金平。
まだ8歳の少年だ。

「お菓子?」

少女の顔が少し緩む。

「そうお菓子だよ。
 スイーツ」

「……どんなスイーツ?」

少女は思った。
お菓子を食べるだけなら死ななくて済むかもしれない。
犯されたりしないかもしれない。
というかまだ小学低学年。
だから大丈夫。
そんな謎の安心感があった。

「チョコレートと生クリームどっちが好き?」

金平の質問に少女は答える。

「生クリームかな」

「そ、じゃ服を脱いで」

少女の顔が青ざめる。

「え?」

きっと聞き間違いだ。
そう思った。

「それともそこのおじさんたちに剥がれたい?
 おじさんたち大人だからイケないところも触っちゃうかもだけど」

「……脱ぎます」

少女は死ぬとしてもレイプだけは避けたかった。
ああ、死ぬんだと思った。

少女は涙をこらえて制服を脱ぐ。
ブレザー、シャツ、スカート。
そして下着の姿になる。

そして戸惑う。

「まだ残ってるよ」

「……はい」

少女は下着を脱いで全裸になる。

「では!ドン!」

少女の足元の床が抜ける。
少女は生クリームの沼に落ちる。
足はつく。
息もできる。
なので窒息はしない。

「はい、美少女の生クリーム添。
 125円からどうぞ」

金平がそういってニッコリと笑う。

「えー、高いっすよ。
 115円」

まさかの値下がりだった。
自分は売られるんだ。
犯されて殺されるんだ。
そういう恐怖が少女を支配する。

死。

でも、これから訪れる恐怖に比べたらそれは安らぎなんだ。
そう思った。

そう思うと身体の力が抜けていく。

「はい、500円」

そういったのは白銀だった。

「え?白銀さん、まさかのお買い上げ?」

「はい、買いますよ。
 その子は亜金の玩具になってもらいます」

「亜金って新しく入った人だよね?
 女子高生を玩具にしたいだなんてロリコンなの?」

「亜金は高校生なので年相応でしょう。
 プレゲトンがダダを捏ねまして。
 『どうせ玩具にされるなら童貞以外がいい』と言ってます」

「お菓子で心を壊しちゃう?」

「武器なので貴方のお菓子では心の破壊は難しいでしょう」

「そっかー。つまんないなぁー」

「まぁ、あとテクがある方がいいとのことなので。
 この女子高生でテクを磨いてもらいます。
 まぁあと数人女性を買えればありがたいです。
 まぁこの場合飼うでもいいかもしれませんが」

白銀がそう言って女子高生と生クリームが入った器に手を触れる。

「あ、まだ器を壊しちゃダメだよ?
 エッチくなる薬に漬けているんだから」

「不要ですよ。
 それは今回は邪魔になります」

白銀はそう言って器を破壊する。

「つまんないなー」

金平はそういってため息を付いたあと白銀から500円を受け取った。
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