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Scene02 無理心中と幼い子ども

14 たこ焼きを焼くもの

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隼人は、大輔の方を見る。

「ん?どうしたのかな?」

「このたこ焼きってお兄さんが作ったの?」

隼人がそう尋ねると大輔が答える。

「うん。
 師匠と一緒に作ったんだ」

「師匠?
 お兄さんは、たこ焼き屋さんなの?」

「そうじゃないけど。
 なんて説明すればいいか……」

「ふーん。
 まぁ、どうでもいいや」

隼人は、そう言ってたこ焼きを頬張る。

「どうかな?」

「美味しいよ。
 妹にも食べさせてあげたいな」

隼人が、そう言うと大輔が答える。

「だったら、今度熱々のたこ焼きを作ろうか?」

大輔が、そう言うと銘と千春の顔が青くなる。

「うん。
 できるだけ早めに作りに来て欲しいな」

隼人がそう答えると大輔は、うなずく。

「うん!
 任せて!」

すると慌てて千春が大輔に耳打ちする。

「隼人くんの妹さん亡くなってるのですよ……」

そして、隼人が言った。

「マコに会いたいな……」

「それは……」

銘が困る。

「マコ、黒焦げになったんだよね?」

「え?どうしてそれを……?」

銘が尋ねる。

「親戚のおばさんたちが話しているのが聞こえたんだ……」

「今は会わないほうがいい」

銘がそう言うと隼人は、うつむく。

「えっと葬儀とかはしないの?」

大輔が、そう言うと銘がうなずく。

「お通夜は、明日かな……」

「じゃ、そこに行きたい」

「それは、いいと思うけど。
 隼人くんひとりで大丈夫?」

「え?ひとりで行くの?」

大輔が、そう言うと銘が困った表情で答える。

「私も千春も仕事が忙しくて抜け出せそうにないのよ……」

そう言って大輔の方を見る。
大輔は迷った。
でも、迷っても答えは同じ。

「んー。
 じゃ、僕が付き添おうか?」

「いいんですか?」

千春が、そう言うと大輔がうなずく。

「うん。
 まぁ、お仕事がお休みだから付き合えるよ。
 熱々とは言えないけどたこ焼きも持って行くよ」

「ありがとう」

銘が、そう言うと大輔は照れ笑う。

「暇なのだけが取り柄だから……」

「あの。
 お願いします」

隼人は軽くお辞儀をした。
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