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翌年1月
1月20日
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1月20日
今日の朝、心療内科の病院に行きました。
8時20分に受付をしたのに、自分の番になったのは10時20分でした。
心療内科はいつも混んでいますね。
尿の出が悪いなどの事を伝えると、薬の副作用の可能性もあるらしく、別の薬をもらう事になりました。
薬が2種類増えました。
もう、薬漬けですね。
心療内科の受診を終えた俺は、職安に向かいました。
2件応募したのですが、1件は男性だからと言う理由で断られました。
それなのなら、募集要項に男性を登録しないで欲しいですよね。
職安も、結構混んでいました。
年末は比較的少なかったのですが、年始は人が多いですね。
みんな、仕事を求めているんですね。
職安での紹介を終え、蔦谷に寄って本でも買おうかと思っていると、そこに由香さんがいました。
「あ、猫さん」
「あ、由香さん。
こんにちは」
「こんにちは、猫さん。
ところで、猫さんってどんな本を読むの?」
「俺は、漫画を買いに来たんだ。
そういう由香さんは……?」
「私は『赤い糸』って小説を読もうかなと思って、探しているんだけど見つからなくて……」
「そっか」
「まぁ、とりあえずそこのスタバに入らない?」
「そうだね、ゆっくりと由香さんと話したいし」
そして俺と由香さんは、蔦谷の1階にあるスターバックスのお店に入りました。
そしてコーヒーを注文。
由香さんは、ウインナーコーヒーを注文しました。
「猫さんは本を買いにこっちまで出てきたの?」
「心療内科と職安にも行ったよ。
蔦谷には、欲しい本があったからちょっと寄ってみたんだ」
「もしかして鬱病?」
「うーん。
鬱になるかわかんないんだけど……
夜、不安になって眠れないんだ」
「私が毎晩手をつないで眠ってあげようか?
そしたら、寂しくないし不安なんて吹っ飛ぶよ!」
「そうなのかな……
俺は今、無職でしょ?
だから、将来の事とか考えるだけで不安になるんだ。
特に寝る前になると怖くて眠れなくなるんだ」
「そっかー
薬も多いの?」
「朝は、血圧の薬が1錠
夜に鬱の薬が4錠に寝る前が6錠だよ」
「多いね」
「仕方がないよ。
薬が無いと生きていけない体になってしまったから……」
「そのさ……」
「ん?」
由香さんが、小さな声で言いました。
「私がその薬になる事は出来ないかな?」
「え?」
「ごめん……
やっぱ、良い忘れて」
由香さんは、うつむいて口を閉ざしました。
「ありがとう」
俺は、小さな声でお礼を言いました。
由香さんは、小さく震えながら涙を流しました。
「ごめんね」って何度も繰り返しながら俺の胸の中で泣きました。
俺は、由香さんを抱きしめることしか出来ませんでした。
今日の朝、心療内科の病院に行きました。
8時20分に受付をしたのに、自分の番になったのは10時20分でした。
心療内科はいつも混んでいますね。
尿の出が悪いなどの事を伝えると、薬の副作用の可能性もあるらしく、別の薬をもらう事になりました。
薬が2種類増えました。
もう、薬漬けですね。
心療内科の受診を終えた俺は、職安に向かいました。
2件応募したのですが、1件は男性だからと言う理由で断られました。
それなのなら、募集要項に男性を登録しないで欲しいですよね。
職安も、結構混んでいました。
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みんな、仕事を求めているんですね。
職安での紹介を終え、蔦谷に寄って本でも買おうかと思っていると、そこに由香さんがいました。
「あ、猫さん」
「あ、由香さん。
こんにちは」
「こんにちは、猫さん。
ところで、猫さんってどんな本を読むの?」
「俺は、漫画を買いに来たんだ。
そういう由香さんは……?」
「私は『赤い糸』って小説を読もうかなと思って、探しているんだけど見つからなくて……」
「そっか」
「まぁ、とりあえずそこのスタバに入らない?」
「そうだね、ゆっくりと由香さんと話したいし」
そして俺と由香さんは、蔦谷の1階にあるスターバックスのお店に入りました。
そしてコーヒーを注文。
由香さんは、ウインナーコーヒーを注文しました。
「猫さんは本を買いにこっちまで出てきたの?」
「心療内科と職安にも行ったよ。
蔦谷には、欲しい本があったからちょっと寄ってみたんだ」
「もしかして鬱病?」
「うーん。
鬱になるかわかんないんだけど……
夜、不安になって眠れないんだ」
「私が毎晩手をつないで眠ってあげようか?
そしたら、寂しくないし不安なんて吹っ飛ぶよ!」
「そうなのかな……
俺は今、無職でしょ?
だから、将来の事とか考えるだけで不安になるんだ。
特に寝る前になると怖くて眠れなくなるんだ」
「そっかー
薬も多いの?」
「朝は、血圧の薬が1錠
夜に鬱の薬が4錠に寝る前が6錠だよ」
「多いね」
「仕方がないよ。
薬が無いと生きていけない体になってしまったから……」
「そのさ……」
「ん?」
由香さんが、小さな声で言いました。
「私がその薬になる事は出来ないかな?」
「え?」
「ごめん……
やっぱ、良い忘れて」
由香さんは、うつむいて口を閉ざしました。
「ありがとう」
俺は、小さな声でお礼を言いました。
由香さんは、小さく震えながら涙を流しました。
「ごめんね」って何度も繰り返しながら俺の胸の中で泣きました。
俺は、由香さんを抱きしめることしか出来ませんでした。
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