上 下
70 / 94
翌年1月

1月13日

しおりを挟む

1月13日

今日は、面接に行ってきました。
職種は、テストエンジニア。
前の会社でやっていたような評価業務をやる仕事です。
そんな訳で江坂まで行きました。
面接が終わり、ブラブラ帰ろうと思っていると、尾上さんから電話がかかってきました。
「猫さん……」
「はい、何でしょう?」
「今から遊びませんか?」
「あ、すみません。
 今、面接で江坂にいるんですよ
 枚方まで行くのに時間がかかるので、少し待ってもらう形になりますが、それでも良かったら尾上さんと遊びたいです」
「今、江坂のどこですか?」
「江坂駅の5番出口です」
「わかりました。
 そこで、待っていてください」
尾上さんは、そう言って電話を切りました。
5番出口にずっといるのは寒いので、近くにあったローソンで尾上さんを待つことにしました。
そして、30分もしないうちに江坂駅までやってきました。
尾上さんの姿が見えたので、俺はすぐに尾上さんの元へ行きました。
「早いですね」
「はい、ちょうど近くの駅にいましたので……」
「そうなのですか?」
「はい、それより猫さんお腹空いていませんか?」
「そうですね。
 お腹空きました……」
「では、ご飯を食べに行きましょう」
「はい」
俺は、頷きました。
そして、マクドに行きました。
尾上さんの希望です。
この人達はどうしてこんなにマクドが好きなんでしょう?
はるかさんなんて、毎日いたような気がしますし……
「猫さんは、マクド嫌いですか?」
「いえ、嫌いじゃないです」
「そう、なら良かったです」
尾上さんは、小さく笑いました。
「尾上さんは、マクド好きなんですか?」
「はい。
 思い出の場所ですから……」
「思い出?」
「はるかさんとの思い出です」
「そうですか……」
俺達は、そのまま食事を済ませると帰ることにしました。
尾上さんが、車で俺の家まで送ってくれました。
車を降りようとした時、尾上さんは俺の手を握り締めました。
「どうしたんですか?」
「猫さん。
 明日の夜、空いていますか?」
「空いてます」
「じゃ、夜景を見に行きませんか?」
「え?」
「夜景が綺麗な場所があるんです」
「そうなんですか……」
「ダメですか?」
「いえ、是非行かせてください」
「楽しみにしていますね」
尾上さんはそう言うと、車を発進させました。
夜景か……
明日の夜が楽しみですね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

闇を継ぐ者

露刃
ミステリー
切り裂きジャックの事件から二年。 事件について調べている青年と、突然出てきた事実。

夫の書斎から渡されなかった恋文を見つけた話

束原ミヤコ
恋愛
フリージアはある日、夫であるエルバ公爵クライヴの書斎の机から、渡されなかった恋文を見つけた。 クライヴには想い人がいるという噂があった。 それは、隣国に嫁いだ姫サフィアである。 晩餐会で親し気に話す二人の様子を見たフリージアは、妻でいることが耐えられなくなり離縁してもらうことを決めるが――。

現実からの逃避を求めてゲームの中で友達を作ったら、突然その友達と現実の廃校で命がけのサバイバルが始まった!?

邪冨†社不魅
ミステリー
翔太は現実の孤独から逃れるためにオンラインゲームに没頭していた。ある日、ゲーム内の友人たちと現実でのオフ会を計画するが、その場所は彼の古い学校だった。しかし、オフ会の夜、彼らは学校内での命がけのサバイバルゲームに巻き込まれる。現実とゲームの境界が曖昧になり、翔太たちは真実の絆を求めて絶望的な冒険に挑む。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する

真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。

学園ミステリ~桐木純架

よなぷー
ミステリー
・絶世の美貌で探偵を自称する高校生、桐木純架。しかし彼は重度の奇行癖の持ち主だった! 相棒・朱雀楼路は彼に振り回されつつ毎日を過ごす。 そんな二人の前に立ち塞がる数々の謎。 血の涙を流す肖像画、何者かに折られるチョーク、喫茶店で奇怪な行動を示す老人……。 新感覚学園ミステリ風コメディ、ここに開幕。 『小説家になろう』でも公開されています――が、検索除外設定です。

学級委員兼探偵に任命された私がクラスの闇を滅して謎を解決するまで

りゆ
ミステリー
現代の日本には闇が蔓延っている。 職場でも、日常生活でも、学校でも。 この物語の舞台となっている、福秀中学校でもそうだ。 その学校中にもう1つ、闇が濃いクラスがある。 3階の一番端。どのクラスからも離され、半ば隔離のような状態になっているあのクラス。 2年D組。平和なクラスの奥底にはどす黒い闇が漂っている。入学してから2ヶ月経った今、担任が4回変わったほどだ。 もう幾度もなく行われた職員会議。頭を抱えながら1人の教師が口を開けた。 「学級委員を探偵と兼任させて、闇を暴いてもらったらどうですかね?」 大人達の手ではもうむりですし… なんて続けて言おうとした口が止まる。それだ、と言わんばかりに校長が立ち上がった。 どす黒くて、ほんのり甘酸っぱくて、どろっとしてる。 そんな闇にまみれた青春を終わらせよう。

スマホ岡っ引き -江戸の難事件帖-

naomikoryo
ミステリー
現代の警察官・佐久間悠介が交通事故の衝撃で目を覚ますと、そこは江戸時代。 混乱する中、手には現代のスマートフォンが握られていた。 しかし、時代錯誤も構わず役立つこのスマホには、奇妙な法則があった。 スマホの充電は使うたびに少しずつ減っていく。 だが、事件を解決するたびに「ミッション、クリア」の文字が表示され、充電が回復するのだ。 充電が切れれば、スマホはただの“板切れ”になる。 悠介は、この謎の仕様とともに、江戸の町で次々と巻き起こる事件に挑むことになる。 盗難、騒動、陰謀。 江戸時代の知恵や人情と、未来の技術を融合させた悠介の捜査は、町人たちの信頼を得ていく。しかし、スマホの充電回復という仕組みの裏には、彼が江戸に転生した「本当の理由」が隠されていた…。 人情溢れる江戸の町で、現代の知識と謎のスマホが織りなす異色の時代劇ミステリー。 事件を解決するたびに深まる江戸の絆と、解けていくスマホの秘密――。 「充電ゼロ」が迫る中、悠介の運命はいかに? 新感覚エンターテインメント、ここに開幕!

処理中です...