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翌年1月

1月10日

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1月10日

目が覚めると見知らぬベッドの上で眠っていました。
そして、その隣には静かに眠る由香さんがいました。
俺の心臓の鼓動が早くなります。
一度頭の中を整理しましょう。
昨日は、尾上さんの誕生日会にお呼ばれしました。
それで、飲めないお酒を無理やり飲まされて……
それ以降の事を覚えていません。
俺は由香さんの顔を暫く見ていました。
すると、由香さんの目がパチッと開きました。
「あ、猫さんだー」
由香さんが、照れくさそうに笑う。
「お、おはようございます」
とりあえず、朝の挨拶をしました。
「猫さんって、かたいんだね……」
「え……」
頭の中が真っ白になりました。
昨日の夜、何があったんですか?
思い出さなくちゃ。
俺は、必死で答えを探したけれど見つからなかった。
すると由香さんは、楽しそうに笑いました。
「猫さん
 昨日の事、覚えてないの?」
「す、すみません」
「昨日、誰が猫さんと寝るじゃんけん大会があったのは覚えている?」
俺は、もしかして本当に大事なことを忘れてしまっているのかもしれない。
「覚えてないです」
「そっかー
 私が優勝して猫さんと一緒に眠る権利を得たんだよー」
「そ、そうなんですか……」
「キスしよっか?」
「え?」
「昨日の続きだよ?」
昨日の俺に何があったのでしょう……
全く覚えていません。
「そこまでだ」
突然ドアが部屋の開くと、南さんが現われて由香さんの頭を軽くチョップしました。
「えー
 いいじゃん!」
「ここは、尾上っちの家だぞ?
 するのなら自分の家に連れ込んでヤれ!」
南さんが、由香さんに怒鳴りました。
「え?え?え?」
俺の頭は、大混乱です。
ヤれってどういう意味でしょう?
「猫さん……」
尾上さんが、南さんの後ろからひょっこりと顔を出しました。
「ヤッたの??」
俺は何も言う事が出来ませんでした。
「何もしてないよーだ!
 猫さん、ガード固すぎ!」
由香さんは、そう言うと尾上さんに向かって、あかんべえをしました。
「固いってそのことだったんですか……」
俺は、安堵のため息をついた。
「他に何かあるのかな?」
「え?」
俺は、一瞬胸がドキっとなりました。
「猫さんのえっち」
由香さんが、悪戯っぽく笑いました。
とりあえず、由香さんのことは放っておいて……
「尾上さん、すみません。大事なベッドを使ってしまって」
俺は、まずそのことを謝罪しました。
「いえ、ベッドは他にも2つありますので、私達はそこで寝ました」
あれ?それじゃ、俺が1人で寝た方が安全じゃないのですか?
でも、なにもなかったのですか。
良かったようなそうでないような、複雑な気分です。
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