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翌年1月
1月9日
しおりを挟む1月9日
今日は、誕生日会
何をプレゼントしようか迷っています。
アクセサリーをプレゼントするほど親しくありません。
香水は、尾上さんの趣味がわかりません。
本人に聞くって方法もありますが、それじゃサプライズになりません。
とりあえず、枚方市駅付近にある美味しいと評判のロールケーキを購入して待ち合わせの場所へ向かいました。
バスターミナルで待っていると、由香さんを見つけることが出来ました。
いつも脅かされているので、今度はこっちが脅かそうかと思い、由香さんに気づかれないように接近しました。
そして、背後から由香さんに声を掛けました。
「由香さん発見♪」
そしたら、由香さんは一瞬体をピクっと反応させたあと、俺の方を見てニッコリと笑いました。
「ターゲット猫!
これよりハグをする!」
と言って、由香さんは俺の体を抱きしめました。
「尾上さんの誕生日プレゼントって、ロールケーキで良かったでしょうか?」
由香さんは俺から体を離すと、笑顔のままで言いました。
「何でもいいんだよー
気持ちさえこもっていれば」
「そうですか……」
俺達は、そのまま尾上さんの家に車で向かいました。
誕生日会のメンバーは、俺を含めた4人です。
きっといつもなら、この場所には俺ではなく、はるかさんが座っていたんだと思います。
俺は、タイミングを見計らって尾上さんにプレゼントを渡しました。
「私、ここのロールケーキ大好きなんです」
尾上さんは、そう言ってニッコリと笑ってくれました。
「私の時は、ダイヤの指輪がいいなぁ」
由香さんが、そう言って俺の背中に再び抱きついてきました。
「ダイヤって幾らくらいするんですか?」
すると由香さんが、笑いながら答えました。
「30万円くらいのがいいなー」
「結婚指輪並じゃないですか……」
俺は、即答で答えてしまった。
そしたら、由香さんの口からとんでもない言葉は出ました。
「結婚指輪は1000万円くらいの指輪がいいなぁー」
「無職ですみません」
俺は、少し泣きたくなった。
でも、稼ぎがあっても1000万円の指輪なんてそう簡単にプレゼントできそうもありません。
「気にしなくていいです」
尾上さんは、そう言うと優しく俺の頭を撫でてくれました。
「と言うか、ダイヤをカラットで言うんじゃなく金額で言うところが由香らしい」
南さんはそう言って笑いました。
「私、カラットとかいまいち解んないんだもーん」
由香さんが頬を膨らませました。
誕生日パーティーはそんな感じでスタートしました。
尾上さんの手作りケーキ美味しかったです。
尾上さんに、由香さんは髪留めを、南さんはブローチをプレゼントしていました。
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