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12月
12月30日
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12月30日
天気は、晴れです。
俺の目は、腫れています
女々しいと思われるかもしれませんが一晩中泣きました。
家にいても落ち着かないので外に出ました。
でも、思ったんです。
外に出てもすることがありません。
とりあえず、歩いて枚方市駅近くの公園に行ってみました。
途中で焼き芋屋さんの屋台があったので焼き芋を買いました。公園のベンチに座って焼き芋を食べようとしていると、目の前を由香さんが、通り過ぎました。
声をかけようと思いましたが、止めときました。
そしたら、由香さんが戻ってきて俺の焼き芋をじっと見ています。
「焼き芋美味しそう……」
そして、由香さんは、視線を俺の顔に移しました。
「半分食べますか?」
由香さんにそう尋ねると、由香さんは笑顔で答えました。
「食べる!」
それを聞いた俺は、思わず苦笑いを浮かべて焼き芋を半分に割り、大きい方を由香さんにあげました。
「どうぞ……」
「ありがとう!」
由香さんは、嬉しそうに焼き芋を食べました。
「由香さんって、食べるの好きですか?」
「うん!
ってか、昨日の夜から何も食べていないんだー」
「え?どうしてですか?」
「お仕事だったんだー」
「そうですか……」
俺は、あまり聞かないことにしました。
「それだけ?」
でも、由香さんは話を続けようとします。
「え?」
「それだと会話止まっちゃうよ?」
「そうですね」
「猫さん、女の子慣れしてないね」
「はい」
「と言うか、会話が苦手なのかな?」
「そうですね……
どちらかというと苦手です」
「そんな気がしたー」
由香さんは、楽しそうにはしゃぎます。
「由香さんは、お話は好きですか?」
「うん!
人と話すの好きー!
だから、猫さんいっぱい話してー」
「えっと、何の話をしましょう?」
「猫さんの趣味はなーに?」
「小説を書くことです」
「どんな小説を書くの?」
「うーん。
恋愛小説とかファンタジーとかですね」
「ネットで見れる?」
「はい」
「アドレスを後で携帯に送ってほしいなぁー」
「わかりました」
「よろしくね!」
「はい。
ちなみに由香さんの趣味は何ですか?」
今度は、俺が質問してみました。
「散歩かな。
今日も仕事帰りの散歩だし」
「家は、この辺りなんですか?」
「うん!
枚方公園駅のすぐそこだよー」
「毎日職場まで歩いて通っているのですか?」
「うん!
だって電車代もったいないじゃん」
「確かにそうですね」
俺は、苦笑いを浮かべました。
「猫さん」
「なんでしょう?」
「笑うときは、口角をキュッとあげた方がいいよ?
そっちの方が可愛いから……」
俺は、それを聞いて口角を少し上げてみました。
「こうかな?」
「もうちょっと上げれない?」
由香さんは、そう言って笑顔を見せてくれました。
可愛かったです。
「由香さん、こうやってみると可愛いですね」
俺がそう言うと由香さんの顔が、真っ赤になりました。
「あ、ありがとう」
「由香さん、もしかして照れてる?」
「だって、そんな事を言ってくれる人、今までにいなかったから……」
「えー?
お客さんに誘われたりしないのですか?」
「お誘いは、あるんだけど全部断っているんだー
と言うか、そういう人のお誘いにのってついて行くと何をされるかわかんないから怖いんだよ?」
「そうですね。
男は、皆オオカミですからね。
俺も由香さんのこと食べちゃうかも知れませんよ?」
「あはは!
猫さんには私を倒せないよ」
由香さんは、守りの体制に入りました。
俺は、苦笑いを浮かべながら尋ねました。
「え?戦うのここで?」
「うん。
私が勝てば1日私の奴隷になってね。
猫さんが買ったら私の事、好きにしていいよ」
「わかりました……」
そして結果は、由香さんの勝ちでした。
聞いてみると由香さんは、剣道3段に柔道初段。
とても俺の勝てる相手じゃないや……
俺はその日、由香さんの奴隷になりました。
うう……軽く凹みます。
天気は、晴れです。
俺の目は、腫れています
女々しいと思われるかもしれませんが一晩中泣きました。
家にいても落ち着かないので外に出ました。
でも、思ったんです。
外に出てもすることがありません。
とりあえず、歩いて枚方市駅近くの公園に行ってみました。
途中で焼き芋屋さんの屋台があったので焼き芋を買いました。公園のベンチに座って焼き芋を食べようとしていると、目の前を由香さんが、通り過ぎました。
声をかけようと思いましたが、止めときました。
そしたら、由香さんが戻ってきて俺の焼き芋をじっと見ています。
「焼き芋美味しそう……」
そして、由香さんは、視線を俺の顔に移しました。
「半分食べますか?」
由香さんにそう尋ねると、由香さんは笑顔で答えました。
「食べる!」
それを聞いた俺は、思わず苦笑いを浮かべて焼き芋を半分に割り、大きい方を由香さんにあげました。
「どうぞ……」
「ありがとう!」
由香さんは、嬉しそうに焼き芋を食べました。
「由香さんって、食べるの好きですか?」
「うん!
ってか、昨日の夜から何も食べていないんだー」
「え?どうしてですか?」
「お仕事だったんだー」
「そうですか……」
俺は、あまり聞かないことにしました。
「それだけ?」
でも、由香さんは話を続けようとします。
「え?」
「それだと会話止まっちゃうよ?」
「そうですね」
「猫さん、女の子慣れしてないね」
「はい」
「と言うか、会話が苦手なのかな?」
「そうですね……
どちらかというと苦手です」
「そんな気がしたー」
由香さんは、楽しそうにはしゃぎます。
「由香さんは、お話は好きですか?」
「うん!
人と話すの好きー!
だから、猫さんいっぱい話してー」
「えっと、何の話をしましょう?」
「猫さんの趣味はなーに?」
「小説を書くことです」
「どんな小説を書くの?」
「うーん。
恋愛小説とかファンタジーとかですね」
「ネットで見れる?」
「はい」
「アドレスを後で携帯に送ってほしいなぁー」
「わかりました」
「よろしくね!」
「はい。
ちなみに由香さんの趣味は何ですか?」
今度は、俺が質問してみました。
「散歩かな。
今日も仕事帰りの散歩だし」
「家は、この辺りなんですか?」
「うん!
枚方公園駅のすぐそこだよー」
「毎日職場まで歩いて通っているのですか?」
「うん!
だって電車代もったいないじゃん」
「確かにそうですね」
俺は、苦笑いを浮かべました。
「猫さん」
「なんでしょう?」
「笑うときは、口角をキュッとあげた方がいいよ?
そっちの方が可愛いから……」
俺は、それを聞いて口角を少し上げてみました。
「こうかな?」
「もうちょっと上げれない?」
由香さんは、そう言って笑顔を見せてくれました。
可愛かったです。
「由香さん、こうやってみると可愛いですね」
俺がそう言うと由香さんの顔が、真っ赤になりました。
「あ、ありがとう」
「由香さん、もしかして照れてる?」
「だって、そんな事を言ってくれる人、今までにいなかったから……」
「えー?
お客さんに誘われたりしないのですか?」
「お誘いは、あるんだけど全部断っているんだー
と言うか、そういう人のお誘いにのってついて行くと何をされるかわかんないから怖いんだよ?」
「そうですね。
男は、皆オオカミですからね。
俺も由香さんのこと食べちゃうかも知れませんよ?」
「あはは!
猫さんには私を倒せないよ」
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俺は、苦笑いを浮かべながら尋ねました。
「え?戦うのここで?」
「うん。
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そして結果は、由香さんの勝ちでした。
聞いてみると由香さんは、剣道3段に柔道初段。
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うう……軽く凹みます。
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