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12月
12月29日
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12月29日
今日は、はるかさんのお葬式。
心が晴れません。
落ち込みながら葬儀の参列に並んでいると、由香さんが俺の背中に飛び乗ってきました。
「猫さん発見!」
「由香さん……」
由香さんの周りには、南さんも尾上さんもいませんでした。
「今日は1人ですか?」
「南ちゃんもルーちゃんも、今日は仕事だからお焼香を済ませてすぐに帰っちゃった」
「そうなんですか……」
俺が、そう言うと由香さんが俺に尋ねてきました。
「ねぇ、猫さんは、どうして泣いていないの?
はるかさんが死んで悲しくないの?」
「昨日沢山泣きましたから……
あ、1つ気になったことがあるので、聞いてもいいですか?」
俺がそう言うと、由香さんが頷きました。
「いいよ」
「どうしてこんなに人が少ないんですか?
はるかさん、ナンバー2だったんですよね?」
由香さんが、つらそうな表情で答えてくれました。
「私達は、ただの風俗嬢だもん。
お目当ての風俗嬢が死んだら、別の人の所に行くって感じかな。
一部の人は、来てくれているけどね」
「そっか……」
なんか、複雑な気分ですね。
「うん。
でも、猫さん凄いよ」
「え?」
「お通夜もお葬式も両方来てくれたし……」
「普通だよ……」
「彼氏なんだよね?」
「たぶん……」
「たぶんって?」
「俺って実は、女の子と話すのが苦手だったんですよ。
内心、からかわれていたらどうしようと思っていました」
「はるかさんは猫さんの事、好きだったと思うよ?」
「そうですか?」
「いつも、猫さんの話をしてたもん」
「そっか……」
どんな話をしていたのだろう……
はるかさんの目には、俺はどう映っていたのだろう?
「この間ね、はるかさんに頼まれたの」
「え?」
「自分に何かあった時は、猫さんの傍に居てあげてってね」
由香さんは、そう言って涙を流した。
「え?」
「だから、私がそばにいるからね。
猫さんは、ひとりぼっちじゃないよ」
由香さんは、そう言うとその場から去りました。
お香を終えた俺は、帰り道の公園で立ったまま空を見上げていました。
ただ、立っているだけです。
そしたら、いつものように「猫さん見っけ!」と言ってはるかさんが、飛びついてくる気がしたから……
でも、もうそんな日は訪れません。
バケモノダカラナ
もう1人の俺が、言葉を放ちました。
今の俺には、きつい一言でした。
今日は、はるかさんのお葬式。
心が晴れません。
落ち込みながら葬儀の参列に並んでいると、由香さんが俺の背中に飛び乗ってきました。
「猫さん発見!」
「由香さん……」
由香さんの周りには、南さんも尾上さんもいませんでした。
「今日は1人ですか?」
「南ちゃんもルーちゃんも、今日は仕事だからお焼香を済ませてすぐに帰っちゃった」
「そうなんですか……」
俺が、そう言うと由香さんが俺に尋ねてきました。
「ねぇ、猫さんは、どうして泣いていないの?
はるかさんが死んで悲しくないの?」
「昨日沢山泣きましたから……
あ、1つ気になったことがあるので、聞いてもいいですか?」
俺がそう言うと、由香さんが頷きました。
「いいよ」
「どうしてこんなに人が少ないんですか?
はるかさん、ナンバー2だったんですよね?」
由香さんが、つらそうな表情で答えてくれました。
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お目当ての風俗嬢が死んだら、別の人の所に行くって感じかな。
一部の人は、来てくれているけどね」
「そっか……」
なんか、複雑な気分ですね。
「うん。
でも、猫さん凄いよ」
「え?」
「お通夜もお葬式も両方来てくれたし……」
「普通だよ……」
「彼氏なんだよね?」
「たぶん……」
「たぶんって?」
「俺って実は、女の子と話すのが苦手だったんですよ。
内心、からかわれていたらどうしようと思っていました」
「はるかさんは猫さんの事、好きだったと思うよ?」
「そうですか?」
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「そっか……」
どんな話をしていたのだろう……
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「この間ね、はるかさんに頼まれたの」
「え?」
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「え?」
「だから、私がそばにいるからね。
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お香を終えた俺は、帰り道の公園で立ったまま空を見上げていました。
ただ、立っているだけです。
そしたら、いつものように「猫さん見っけ!」と言ってはるかさんが、飛びついてくる気がしたから……
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