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11月
11月30日
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11月30日
今日もはるかさんに呼び出されてマクドへ……
最近、毎日がこれのくり返し。
家で賞に出すための小説を書き、はるかさんから呼び出しがある日は、マクドに向かう。
嫌な訳じゃない。
寂しがりやの俺にしてみれば、むしろ嬉しい。
はるかさんは俺がマクドに向かうと、いつも先に来ていて手を振って俺を迎え入れてくれます。
そんな事をしてくれる人は、はるかさんが初めてで、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
「今日はね、猫さんにプレゼントがあるんだ」
はるかさんはそう言うと俺を抱きしめました。
「えっと……」
頭の中が、真白になった。
顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかりました。
目が泳ぐ、俺の慌てふためく姿を見て失笑するおじさん。
舌打ちをした後に冷たい目で、俺の方を見るお兄さん。
「猫さんいつも寒そうにしてるからさ……」
はるかさんは、俺の耳元でそう囁くと悪戯っぽく笑った。
「え?」
「こうすれば、寒くないでしょ?」
確かに温かかった。
特に首の辺りがね。
首に手を当てると、毛糸の柔らかい感触を感じた。
「マフラーなんだけど……
いらなかったかな?」
あ、マフラーだったのか、気づけよ俺……
はるかさんから頂いた赤いマフラーは、首周りを温め、はるかさんと言う存在が、俺の心を温めた。
「猫さん、顔真っ赤だよ?」
「マフラーありがとうございます」
「ううん。
あ!でも、徹夜で作ったんだから大切に使ってね」
俺の為にマフラーを編んでくれたんだね。
マフラーなんて、俺は誰にも編んでもらった事が無いから余計になんか嬉しい。
これで警察に尾行されてなかったら、少しはロマンチックだったのかな?
いや、居ても居なくても関係ない……
こんな時、どうすればいいのか解らなかった。
「すみません……
こんな時、どうすれば良いのか解らなくて……」
「笑えばいいのよ」
はるかさんは、どこかのアニメで聞いたようなセリフを言った後、俺の唇にキスをしてきました。
「ねぇ?好きになっても良いかな?」
時が止まったかのように感じた。
ナニヲイッテルノ?
「ダメかな?」
ナニヲイッテイルノカガワカラナイ。
俺の中のもう一人の俺が、声をあげる。
「やっぱ、風俗の女なんて嫌だよね……」
「そんな事は、ないです」
「私なんて、猫さんから見たらおばさんだよね?」
「歳は2つしか違わないじゃないですか……」
「年上はイヤ?」
「どちらかと言えば好きです」
はるかさんは、ニッコリと笑った後、頭を俺の胸に埋めた。
俺は、静かにはるかさんを抱き締めることしか出来ませんでした。
「ありがとう」
はるかさんはそう言うと、俺の胸の中で小さく震えていました。
緊張で心臓の音が、バクバクと鼓動しているのがわかりました。
どうしたらいいのかがわからない……
こんな時、恋愛経験の低さを俺は呪いたい。
経験豊かな人はこんな時、気が利く言葉の一つや二つ言うことが出来るんだろうな。
でも、俺にはそれが出来ませんでした。
それどころか、俺の中にある声が大きくなる。
オマエニハイッショウムリダ
クスクスと笑い声が聞こえる。
「猫さん、緊張しすぎ!
折角のムードが台無しじゃん」
「ご、ごめん……」
「猫さんのドキドキが私にまで伝わって来たよ」
ツタワッタ?ナニガツタワルンダ!
オレノコトヲナニモシラナイクセニ
心の声がつらい。
俺の心のどこかで思っている不安を言う。
俺は、この心の声にたまに縛られる。
そして、俺はコイツのことを呪縛と呼んでいる。
「コラ、黙らないの」
はるかさんが、そう言って俺の唇に手を当てる。
「すみません、馴れてなくて……」
「いいよ、気にしないで。
私の気持ちは、もう伝えたから。
猫さんの気持ちを聞かせてください!!」
俺は、どうしたいのだろう?
オマエニハムリダ。
わからなくなった。
ナニモシテアゲレナイダロ?
頭が痛い……
俺は、思わず頭を押さえる。
暫く出てこなかった、どうしてこのタイミングででる?
「今度、答えを聞かせて」
はるかさんは泣きそうな声で言った。
「え?」
「猫さん、優しいから今の状態だとすぐにOKを出してしまうと思うの……
勢いでOKを貰っても嬉しくないからさ……
だからね、今度聞かせて」
はるかさんは、俺にソフトキスをした後、小走りで俺の元から去りました。
俺、どうしたらいいのだろう……?
毎日話して、遊んで、じゃれ合って、それだけで俺は楽しかった……
もしも断ったら、2度とそんな事は出来なくなるでしょう……
俺は、はるかさんの事をどう思っているのでしょうか……?
自分でもわかりません……
どうする事が、正しい選択肢なんでしょう……
コタエハキマッテイル。
「答えって?」
俺の答えには、コイツは答えてくれない。
そう、この声は俺の闇。
俺の中の闇から生み出された存在。
呪縛なんだ。
今日もはるかさんに呼び出されてマクドへ……
最近、毎日がこれのくり返し。
家で賞に出すための小説を書き、はるかさんから呼び出しがある日は、マクドに向かう。
嫌な訳じゃない。
寂しがりやの俺にしてみれば、むしろ嬉しい。
はるかさんは俺がマクドに向かうと、いつも先に来ていて手を振って俺を迎え入れてくれます。
そんな事をしてくれる人は、はるかさんが初めてで、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。
「今日はね、猫さんにプレゼントがあるんだ」
はるかさんはそう言うと俺を抱きしめました。
「えっと……」
頭の中が、真白になった。
顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかりました。
目が泳ぐ、俺の慌てふためく姿を見て失笑するおじさん。
舌打ちをした後に冷たい目で、俺の方を見るお兄さん。
「猫さんいつも寒そうにしてるからさ……」
はるかさんは、俺の耳元でそう囁くと悪戯っぽく笑った。
「え?」
「こうすれば、寒くないでしょ?」
確かに温かかった。
特に首の辺りがね。
首に手を当てると、毛糸の柔らかい感触を感じた。
「マフラーなんだけど……
いらなかったかな?」
あ、マフラーだったのか、気づけよ俺……
はるかさんから頂いた赤いマフラーは、首周りを温め、はるかさんと言う存在が、俺の心を温めた。
「猫さん、顔真っ赤だよ?」
「マフラーありがとうございます」
「ううん。
あ!でも、徹夜で作ったんだから大切に使ってね」
俺の為にマフラーを編んでくれたんだね。
マフラーなんて、俺は誰にも編んでもらった事が無いから余計になんか嬉しい。
これで警察に尾行されてなかったら、少しはロマンチックだったのかな?
いや、居ても居なくても関係ない……
こんな時、どうすればいいのか解らなかった。
「すみません……
こんな時、どうすれば良いのか解らなくて……」
「笑えばいいのよ」
はるかさんは、どこかのアニメで聞いたようなセリフを言った後、俺の唇にキスをしてきました。
「ねぇ?好きになっても良いかな?」
時が止まったかのように感じた。
ナニヲイッテルノ?
「ダメかな?」
ナニヲイッテイルノカガワカラナイ。
俺の中のもう一人の俺が、声をあげる。
「やっぱ、風俗の女なんて嫌だよね……」
「そんな事は、ないです」
「私なんて、猫さんから見たらおばさんだよね?」
「歳は2つしか違わないじゃないですか……」
「年上はイヤ?」
「どちらかと言えば好きです」
はるかさんは、ニッコリと笑った後、頭を俺の胸に埋めた。
俺は、静かにはるかさんを抱き締めることしか出来ませんでした。
「ありがとう」
はるかさんはそう言うと、俺の胸の中で小さく震えていました。
緊張で心臓の音が、バクバクと鼓動しているのがわかりました。
どうしたらいいのかがわからない……
こんな時、恋愛経験の低さを俺は呪いたい。
経験豊かな人はこんな時、気が利く言葉の一つや二つ言うことが出来るんだろうな。
でも、俺にはそれが出来ませんでした。
それどころか、俺の中にある声が大きくなる。
オマエニハイッショウムリダ
クスクスと笑い声が聞こえる。
「猫さん、緊張しすぎ!
折角のムードが台無しじゃん」
「ご、ごめん……」
「猫さんのドキドキが私にまで伝わって来たよ」
ツタワッタ?ナニガツタワルンダ!
オレノコトヲナニモシラナイクセニ
心の声がつらい。
俺の心のどこかで思っている不安を言う。
俺は、この心の声にたまに縛られる。
そして、俺はコイツのことを呪縛と呼んでいる。
「コラ、黙らないの」
はるかさんが、そう言って俺の唇に手を当てる。
「すみません、馴れてなくて……」
「いいよ、気にしないで。
私の気持ちは、もう伝えたから。
猫さんの気持ちを聞かせてください!!」
俺は、どうしたいのだろう?
オマエニハムリダ。
わからなくなった。
ナニモシテアゲレナイダロ?
頭が痛い……
俺は、思わず頭を押さえる。
暫く出てこなかった、どうしてこのタイミングででる?
「今度、答えを聞かせて」
はるかさんは泣きそうな声で言った。
「え?」
「猫さん、優しいから今の状態だとすぐにOKを出してしまうと思うの……
勢いでOKを貰っても嬉しくないからさ……
だからね、今度聞かせて」
はるかさんは、俺にソフトキスをした後、小走りで俺の元から去りました。
俺、どうしたらいいのだろう……?
毎日話して、遊んで、じゃれ合って、それだけで俺は楽しかった……
もしも断ったら、2度とそんな事は出来なくなるでしょう……
俺は、はるかさんの事をどう思っているのでしょうか……?
自分でもわかりません……
どうする事が、正しい選択肢なんでしょう……
コタエハキマッテイル。
「答えって?」
俺の答えには、コイツは答えてくれない。
そう、この声は俺の闇。
俺の中の闇から生み出された存在。
呪縛なんだ。
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