上 下
7 / 94
11月

11月11日

しおりを挟む
11月11日

朝、警察の方がやって来て任意同行を命じられました。
俺に聞いても仕方がないのにね。
「犯人は俺じゃない!!」
声をあげて言いたいです。
でも、いくら訴えても、それは伝わらず。
「お前がやったんだ!」
「お前がやったんだ!」
と繰り返すばかり。
もはや疑問形ではなく肯定で聞いてきます。
取り調べもこの間よりも厳しいです。
何もしていないのに罪を認める人がいるのも分かる気がします。
取り調べってトイレも行かせて貰えないんです。
長時間の取り調べの後、やっと開放。
はぁ。疲れた。
疲れ果てて家に戻り、自室のベッドの上で少し休憩していると、携帯に知らない番号から着信がありました。
この前、応募した企業からかな?
俺は、そう思い電話を取りました。
「もしもし、猫さんですか?」
明るい感じの女性の声が電話の向こうから聞こえてきました。
「はい、そうです。
 どちらさまでしょうか……?」
「もう、この声を聞いてもわからないかな?」
「わからないです……」
「はるかだよ」
なんで、電話番号まで知っているのだろう?
俺は、思わず黙ってしまいました。
「なんで黙るの?あ!わかった!
 私の声があまりにも可愛いからびっくりしているのでしょう?」
「あははは」
俺は、笑って誤魔化すことにしました。
「で、どうしたんですか?」
「明日のデート、忘れていないかなって思ってね。
 電話したんだ」
「忘れてませんよ」
デート?デートになるのかな?
相談を聞くだけですよね?
「明日は、14時から面接なんですが」
俺が、そう言うとはるかさんは、明るい声で「場所はどこ?」
と尋ねてきましたので、「北浜です」と答えました。
少しだけ、間を開けた後「北浜かぁ」と言いました。
「はい」
俺は、頷きました。
「じゃ、15時にマクドの前で待っているからね!
 猫さんが来るまで、ずっと待っているから!」
はるかさんは、そう言って電話を切った。
15時って、間に合うかな。
バイトの面接だし30分もかからないだろう。
遅刻したら、遅刻した時に考えよう。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真理の扉を開き、真実を知る 

鏡子 (きょうこ)
ミステリー
隠し事は、もう出来ません。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【ショートショート】シリアス系

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
ミステリー
声劇用だと1分〜5分ほど、黙読だと1分〜3分ほどで読みきれる作品が多めです。500文字を越える作品もいくつかございます。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

機械仕掛けの魔女

Euclase
ミステリー
魔法を否定する魔女と魔女狩の話

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

探偵!メアリー!

みつば
ミステリー
探偵物語が好きな11歳の女の子、メアリーが事件を解決するお話です。

わけありのイケメン捜査官は英国名家の御曹司、潜入先のロンドンで絶縁していた家族が事件に

川喜多アンヌ
ミステリー
あのイケメンが捜査官? 話せば長~いわけありで。 もしあなたの同僚が、潜入捜査官だったら? こんな人がいるんです。 ホークは十四歳で家出した。名門の家も学校も捨てた。以来ずっと偽名で生きている。だから他人に化ける演技は超一流。証券会社に潜入するのは問題ない……のはずだったんだけど――。 なりきり過ぎる捜査官の、どっちが本業かわからない潜入捜査。怒涛のような業務と客に振り回されて、任務を遂行できるのか? そんな中、家族を巻き込む事件に遭遇し……。 リアルなオフィスのあるあるに笑ってください。 主人公は4話目から登場します。表紙は自作です。 主な登場人物 ホーク……米国歳入庁(IRS)特別捜査官である主人公の暗号名。今回潜入中の名前はアラン・キャンベル。恋人の前ではデイヴィッド・コリンズ。 トニー・リナルディ……米国歳入庁の主任特別捜査官。ホークの上司。 メイリード・コリンズ……ワシントンでホークが同棲する恋人。 カルロ・バルディーニ……米国歳入庁捜査局ロンドン支部のリーダー。ホークのロンドンでの上司。 アダム・グリーンバーグ……LB証券でのホークの同僚。欧州株式営業部。 イーサン、ライアン、ルパート、ジョルジオ……同。 パメラ……同。営業アシスタント。 レイチェル・ハリー……同。審査部次長。 エディ・ミケルソン……同。株式部COO。 ハル・タキガワ……同。人事部スタッフ。東京支店のリストラでロンドンに転勤中。 ジェイミー・トールマン……LB証券でのホークの上司。株式営業本部長。 トマシュ・レコフ……ロマネスク海運の社長。ホークの客。 アンドレ・ブルラク……ロマネスク海運の財務担当者。 マリー・ラクロワ……トマシュ・レコフの愛人。ホークの客。 マーク・スチュアート……資産運用会社『セブンオークス』の社長。ホークの叔父。 グレン・スチュアート……マークの息子。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...