if～みらいのきみへ

03 lemon

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　水樹さんの葬儀が行われる。
　小さな小さなお葬式。
　僕は一さんと一緒にお葬式に出た。
　友人として……
　そして世界がほんの少し小さくなった。
　水樹さんのお葬式には沢山の人がいた。
　それだけ愛されていたということだ。
　誰が誰かまではわからない。
　もちろん見知った顔もあった。
　30年。
　それが30年。
　見知った人は老い。
　見知らぬ出会いもする。
　それが時間というものなのだ。

　魅力的な水樹は例えるなら太陽なのだろう。

　そして魅力がない僕。
　それは例えるならlemonなのだろう。

　色んな人の涙の味がした。

　僕は僕。
　なになれたのだろう？
　答えはわからない。
　僕はどうして記憶が戻ったのか。
　前世の記憶？そんなのもわからない。

　なにもない人生にしたくない。
　もうなにもないをしているは嫌だ。

　僕は僕をやめて俺になる。
　それのほうが強くなれる気がするから……

　そう強くなれる気がするから……





　そして、時代は流れる。
　俺は17歳。
　高校3年生になっていた。

　暗かった世界に明るくなる。
　そう俺は出会うんだ彼女と……
　油断していたまだ出会うなんて思っていなかった。

　でも、出会った。
　それは小さなことだったけどしあわせだったんだ。