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01 そして僕は死んだ

02

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 セミが鳴いている。
 僕はゆっくりと目を開ける。
 涼しい。
 クーラーかな?
 そして、身体がとっても軽い。
 でも、視線が違う。
 あれ?

 僕の記憶が頭に色々と入ってくる。
 僕の名前は……
 鈴鹿 隼人。
 それは、前世の名前。
 今の名前は……小間 綾人。

 あれ?どうした?あれ?この身体……

 僕は、身体を見渡した。

「ちっさ!」

 小さい。
 身体が小さい。

 僕は何歳だ?
 えっと……3歳?

 えっと親は?あ、いないんだ。
 俗に言う育児放棄ってやつだ。
 お腹空いた。

 なんにちかご飯食べてないな。

 あー。クソ。
 なんだよ。この人生ってなんだよ。

 また、このまま野垂れ死ぬの?
 ってか、今何年だ?

 僕は、近くにあったパソコンを起動させた。
 パソコンに数字が表示される。

 2048年8月19日

 2048年?

 僕が死んだのは、2018年だったよね。
 あれから、30年も過ぎているのか。
 どうりでパソコンの起動が早い。

 ……情報を集めよう。

 今の名前は、小間 綾人。
 歳は3歳。
 親はいるけど、絶賛育児放棄中。

 よし、今の記憶はある。
 前世の記憶。

 享年32歳。
 仕事はなし。
 いわゆる無職。
 20歳から10年間は職を転々としていて。
 5年間は引きこもり生活。
 貯金を切り崩していた。
 それで……あれ?なんで死んだんだっけ?
 コケて頭をぶつけて身体が動かなくなって……
 それで……死んだ。
 意識があったからつらかったな。

 それ以外の記憶は……
 あ、Eメールを思い出した。
 あとパスワードも。

 僕は、なんとなくでEメールのサイトに接続してアドレスとパスワードを入力してみた。
 すると接続できた。

「はは、アカウント生きているもんだな」

 僕は思わず笑ってしまった。

 そして、沢山届いているEメールに気づく。
 メルマガから架空請求まで……
 そして、個人のメールが届いていた。
 送り主は、水樹七緒ってなっている。

 水樹さん。

 彼女は僕にとって姉のような存在だった。
 元気にしているのかな?

 そう思ってメールを見ていると水樹さんからのメールが、数週間前と表示されている。

  今度、シンガポールにいくの。
  また、帰ってきたらおみやげ話でもするね。

 そう書かれていた。
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