111 / 130
Scene08 デモニックになった日
111 パッと咲いた花
しおりを挟む
広場にて紫が手を合わせる。
するとあたり一面に花が咲く。
草樹は芽吹き。
温かい香りが……
春の香りがした。
「あー」
赤ちゃんが声を出す。
草樹の香りに導かれ。
その表情は笑っているかのように見えた。
「決めた」
ゆかりは優しい口調で言う。
「え?」
「紫ちゃん、私決めたよ」
「え?なにを?」
「この子の名前……」
「あ……」
「茉冬。
冬に咲く花の香の包まれてしあわせになれますように……
そんな願いを込めて」
「茉冬ちゃんか、いい名前ね」
「あーあー」
茉冬が小さく声を出す。
「紫ちゃん、私のお願い聞いてくれる?」
「え?」
「茉冬を抱っこしてみない?」
ゆかりの言葉に紫が戸惑う。
「でも、私は……」
自分の手は汚れている。
「いいからいいから」
ゆかりは、そっと紫に茉冬を預ける。
茉冬のぬくもりがそっと紫を包み込む。
「暖かい」
「でしょ?
人って暖かいんだよ」
「うん」
紫の目から涙が溢れた。
するとあたり一面に花が咲く。
草樹は芽吹き。
温かい香りが……
春の香りがした。
「あー」
赤ちゃんが声を出す。
草樹の香りに導かれ。
その表情は笑っているかのように見えた。
「決めた」
ゆかりは優しい口調で言う。
「え?」
「紫ちゃん、私決めたよ」
「え?なにを?」
「この子の名前……」
「あ……」
「茉冬。
冬に咲く花の香の包まれてしあわせになれますように……
そんな願いを込めて」
「茉冬ちゃんか、いい名前ね」
「あーあー」
茉冬が小さく声を出す。
「紫ちゃん、私のお願い聞いてくれる?」
「え?」
「茉冬を抱っこしてみない?」
ゆかりの言葉に紫が戸惑う。
「でも、私は……」
自分の手は汚れている。
「いいからいいから」
ゆかりは、そっと紫に茉冬を預ける。
茉冬のぬくもりがそっと紫を包み込む。
「暖かい」
「でしょ?
人って暖かいんだよ」
「うん」
紫の目から涙が溢れた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる