~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene08 デモニックになった日

106 僕を連れて勧め

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そして倒れる壱。
しかし地面には落ちない。

男が支える。

「そう戦況は1対2!
 でもそんな戦況が読めない僕ではないのさ」

男はそう言って顔を上げる。
でもふたりには誰かわからない。

「名無しさん名無しさん
 名前を名乗れば?」

ミストロガスが男を睨む。

「なんだ?見覚えが……」

皿馬が言う。

「そう僕と君は初対面ではない!」

「確か――」

「僕の名前はサーチのサッチャー!
 全てを見通す目を持った男さ」

「ふざけた奴め!
 お前なんてガスで!」

「僕は鋼なので毒は効かないよ」

「ポケモンかよ!
 だったら炎タイプの俺とは相性が悪いよな!」

皿場がそういって女を投げる。

「当たらなければどうってことないよ」

サッチャーはそう言って女を避ける。
それを紫がキャッチする。

「ナイスキャッチ」

紫が小さく笑う。

「当たらないのなら当たるまで投げるぜ!」

皿場がそういった瞬間、頭に衝撃が走る。

「サーチってさ。
 エスパーっぽくない?」

皿場の耳元でサッチャーの声が聞こえる。
皿馬は間合いを取る。

でも、そこにはサッチャーはいない。

「なんだ?」

「今、心のなかでほのおタイプはエスパータイプの攻撃は普通ダメージと思ったでしょ?」

「はぁ??」

皿場は再び間合いを取る。
耳元に響くサッチャーの言葉に戸惑う皿場。

「惑わされるな皿場!」

叫ぶミストロガス。

「君も聞く?僕の声を……」

「なんだ?」

ミストロガスは振り返る。
でも誰もそこにはいない。

サッチャーの方を見る。
でも、そこには誰もいない。
紫がいる。
でも、そんなのはどうでもいい。

サッチャーがいない。

「どこを見ているんだい?
 ナイスガイくん」

また耳元で。

「そこだな!サッチャー!」

皿場が女をミストロガスの方に投げる。

「まてオレっちは!」

「うるさい!どかーんと派手に吹き飛べや!」

ミストロガスは爆発した。
でも女は無事だった。

「髪の毛一本で高火力!
 くさタイプにはもってこいだ」

「な、なんだ?」

少し冷静になり爆発したミストロガスを見る。

「草で精錬したガス。
 うん、やっぱ枯れている草は燃えるよ」

「てめぇ!」

皿場が一歩前に進む。

すると皿場の意識が遠くなる。

「上風よし!」

ミストロガスの放ったガスが色々混ざって皿場の頭を刺激する。

「くそが!!!」

皿場が爆破の連鎖を広げる。
すると地面に落ちた髪の毛が風に乗り炎の竜巻になる。

「いい風だ」

サッチャーは、前髪をかきあげると髪の毛がふわりと飛び。
皿場の頭に落ちる。

「あ?」

すると皿場は爆発した。
爆破の連鎖は、自分にも降り注ぐ。

「はい、おしまい」

サッチャーはそう言って手を叩いた。
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