~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene08 デモニックになった日

105 強くなれる意味を知った

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サイレンが鳴り響く。
壱は、お迎えが来たんだと思った。

病院前で下半身露出。

ああ、積んだ。

積むのなら摘まれてみたかった。
ああ、信用損害の保証保険の会社。
潰れるな。

会社も潰れるな。

壱の意識が遠くなる。

そしてなにか異変に気づく。

「これはガス――?」

壱は気合を入れ直す。

「睡眠ガスを気合で吹き飛ばすとかやるじゃん。
 お前、本当に人間か?」

男がそう言って笑う。

壱はズボンをあげると朦朧とする意識を保とうとする。

「アイツの名前はミストロガス。
 エルフとマーメイドの遺伝子を繰り返し合成して産まれた魔人なの」

ノノがそう言って頭を押さえる。

「なんだお前も平気――ではないか。
 ペンを足に刺して眠気を飛ばしたのか」

「え?」

壱はノノの足を見る。
するとペンが刺さっていた。

「……眠れよ」

ミストロガスは、そう言ってガスを圧縮させてノノに飛ばした。

ノノはそのまま眠りに落ちた。

壱は周りを見る。

周りにいた警察官たち患者たちは倒れている。

十三さんは?

壱は探す。

「あ、もしかして十三先生を探している?
 真っ先に眠ってもらったよ。
 百道って子も一緒にね」

「目的は何?」

「おやおや、冷静だな。
 オレっちの目的は皿馬の回収だよ」

「仲間なのか?」

「仲間っていうか相棒?
 オレっちがガスを充満させてアイツの爆弾で大爆破!
 ああ!想像しただけでゾクゾクする!
 レア肉で焼く?こんがり肉で焼く?
 そのまま焼いても人間は水分の塊!
 燃えにくいんだぜ?」

壱は怒りに震える、
しかし何も出来ない。
壱の意識はもう消えそうだからだ。

するとドン!と音が響く。

十三が意識を取り戻し助けに来てくれたのか?

そう思った。
そう期待を寄せてその方向を見た。

「待たせたね」

十三の声ではない。
見知らぬ男の声、でも聞き覚えがある。

「もしかして皿場……?」

十三は頭の中が真っ白になる。

「誰だ?」

ミストロガスがその男を睨む。

「君が欲しいのは、バツイチ童貞子持ち教師?
 それともバツイチDV男?」

そう言って右手に十三、左手に皿場を持ち上げている。

「十三さん!」

「皿場!」

ふたりは同時に声を出す。

「正直者め!
 正直者には両方あげよう!」

そう言って十三を壱の方に。
皿馬をミストロガスの方に投げた。

「……十三さんしっかりして!」

壱はそういうも十三はぐーぐーと眠っている。

「くそが」

皿馬はぐったりとしているものの意識はある。

「実質1対2じゃん」

壱は考える。
朦朧とした意識の中で……
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