~マーメイド~

はらぺこおねこ。

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Scene07 赤月よりも青きもの

87 つらいときにはつらいっていえばさいきょう

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壱は何もわからないまま会議に参加することになった。

今の現状、人と呼ばれるものには3種類存在する。

マーメイド。
マーマン株式会社が開発した存在。
医療科学の進展により好きな個体を好きな年齢で作成することが出来る。
マーメイドには男も女も存在し、人としての権利を所有し人と同じように成長していく。
見た目は若いが寿命があり人と同じように怪我も病気もする。
わずか3秒で作れるため手軽に誰にでも購入することが出来る。
少子化対策にも貢献しておりマーメイドは人との共存を望むものも多い。
しかし、一部の宗教がそれに反発している。

エルフ
人工生命体。
マーメイドと同時期に発表された存在。
マーメイドと違い人の権利は与えられていない。
マーマンとは違いエルフは裏組織による裏組織のための裏組織に作られた存在。
人よりも丈夫で戦闘能力に特化した存在で兵器や奴隷として扱われることが多い。

そして最後に人間。
なぜ存在し何故産まれたかを知っているものはいない……


大きなモニターでそうキサラギが説明した。

「今更これがなんなんだ?」

ハイジが首を傾げる。

「おそらくこれから戦争がはじまるよ」

そういったのは裕也だ。

「戦争?そんな大げさな……」

太郎が小さく笑う。

「それで僕たちの開花した力が必要ってことですか?
 仮に戦争になるとしてもこの人数でどうこうできるわけないですよね?」

セロがそういうとキサラギが答える。

「私たち、いいえ。
 私の個人的の願いとしては戦争が始まる前に戦争を終わらせたいのです」

「なるほどね……」

十三が何かを理解する。

「もしかして僕の会社も宛にされてる?
 ビジネスチャンス?」

壱の目が少し輝く。

「壱、悪い顔してる……」

ピノがそう言って現れる。

「お?ピノ制服似合っているね」

「えへへへー」

ピノが照れ笑いを浮かべる。
ノノがじっと壱の目を見る。

「ノノちゃん、フリフリの制服も似合っていてかわいいよ」

ノノとピノは目を合わせてニッコリと笑った。

紫とマスティマには何が起きているのかわからない。
言われるがまま萌に制服を着せられその場にいる。

「早速ですが紫さん、マスティマさん。
 あなた達に質問があります」

「な、なんですの?」

マスティマが警戒する。

「あなた達の能力はどうやって身につけたのですか?」

「……」

マスティマが黙る。

すると十三がマスティマの胸に手を当てる。
マスティマは驚かない。
動じない。
この場でレイプされるんだ。
そう思った。
今までがそうだったように……
しかし紫がマスティマの手を優しくぎゅっと握りしめる。
紫は優しい目でマスティマの方を見ている。

「ちょっとチクっとするよ」

「……?」

マスティマの胸にチクリと痛みを感じる。

「はい、これは摘出したよ」

それは小型爆弾だった。

そしてそれを十三はプチっと握りつぶす。

「これでモトフミさまの名前を出して大丈夫」

紫が微笑む。

「そうなの?」

マスティマは驚くばかりだ。

「で、誰なんだ?そのモトフミってのは?」

「……神さま」

ハイジの問いに紫が答える。

「神さま?」

「そう組織の名前はテオス。
 人の眠れる力を呼び覚ますの」

太郎にはついていけない話だった。

すると喫茶店のオーナーの太郎がデスマススイッチの太郎にカプチーノを出す。

「ん?」

「糖分取りなよ。
 同じ太郎仲間なんだしさ」

「お、おう。
 ありがとう、ありがたくいただく」

デスマスイッチの太郎がそう言ってカプチーノに口をつける。

「レイプされている最終に声が聞こえたの。
 『力がほしいか』って、そしたら破壊する力を身についていた」

紫がそういうとマスティマも答える。

「私も強姦されて出来た子供を流産したとき。
 『力がほしいか』って声が聞こえましたの。
 それに答えると力を得ましたの」

セロがそれを聞き首を傾げた。
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