～マーメイド～

Scene07 赤月よりも青きもの

86 揃った役者たち

「役者は揃ったようですね」

そう言って神父の姿をした男が小さく微笑む。

「キサラギさん？どうしたんだ？」

ハイジは驚く。

「僕もいますよ」

そういったのはデスマスイッチの星野新一。
そして少し不機嫌そうな杉山太郎。
それを心配そうに見る木村裕也。

みんなデスマスイッチのメンバーでありキサラギはそのマネージャーだ。

「役者？」

壱は首を傾げる。

「ピノ、役者よりアイドルになってプリキュアになる！」

ピノは燥ぐ。

「ノノもノノもノノも！」

ノノも燥ぐ。

「なんなの？ここは……？」

マスティマが戸惑う。

「ん……」

紫がハイジの背中で目を覚ます。

「お？目覚めたのなら立てるか？」

ハイジが優しく言うと紫はうなずく。

「うん。
　ここはどこ？」

紫は地面に足を付ける。

「君の勤務先」

十三がボソリという。

「へ？」

紫が戸惑う。

「そしてマスティマさんの勤務先」

「え？私もですの？」

するとオーナーの萌が現れゆっくりとした口調で言葉を放つ。

「あらあらあら。
　この子が例の子たち？」

「そそ、萌さんよろしくね」

十三が気軽な口調でそう言うと萌が答える。

「うーん、ちょっとこの服を来てみない？」

萌は紫とマスティマをそう言ってふたりを奥に連れて行く。

「十三くんはいつもの紅茶かい？」

そういったのは山田太郎。
萌の旦那だ。

「うん、いつもの紅茶頼むよ」

十三はそう言ってニッコリと微笑んだ。