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Scene02 漁猫

33 なければつくる

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しろいくま。
ガッツリみかん。

みかんを求め。
みかんを願い。
みかんに託した。

だけど両方とも売っていませんでした。

「かなしみ」

葉月が小さく嘆きます。
峰子も残念そうです。

「大丈夫です!」

蜜柑がニッコリと微笑みます。

「蜜柑ちゃん、みかんがないと部活活動ができないよ!」

「先輩、ウチ軽音部ですよ」

一のツッコミは誰の心にも響きません。
もうみんなみかんのことで頭がいっぱいだからです。

「私を誰だと思っているんです?」

蜜柑の質問に峰子が首を傾げます。

「有田蜜柑さん?」

「ふふふふふ……
 有田蜜柑は仮の名!
 真の名は、みかん姫!
 私の冷蔵庫にはみかんがある!」

蜜柑の目が輝きます。

「でも、しろいくまもガッツリみかんもないんだよ?」

「みかんはある。
 冷凍庫もある。
 そして導ける道は一つ!
 ないものは作れます!
 他の果物もありますし……
 きっと!できます!」

そういった蜜柑の目はまっすぐで未来を見ていました。
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