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Scene02 漁猫

24 涙の理由

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「さぁ!食べましょ!」

葉月はそう言ってみさきのうどんにも豆板醤と唐辛子を沢山ふりかけました。
そのあと自分のところにも沢山ふりかけました。

「え?」

一は驚きの目で葉月の方を見ます。

「沢山食べよう!
 いい?私はうどんを食べて泣くから!」

葉月はそう言ってうどんをすすります。

「あ……」

みさきも思わず声を出します。

「からい!!!」

葉月はそう言って目に涙を浮かべます。
そして涙を流します。

「一!がんばった!」

葉月のひとことで一はなにかを悟ります。

「でも、ひとりで抱え込むな!」

葉月の言葉が続きます。

「……先輩」

「君には友だちがいる!
 私もみさきちゃんも!
 これからだって沢山できる!」

「でも僕はジンクスがあって……」

「そんなものはティッシュにくるんででしまえ!」

「え?」

「神さまはジンクスって呪いをかけたかもしれない。
 だけどなにも禁止なんかしていない。
 自由なの!」

「……はい」

「泣きたいときは泣いていいの!
 泣かずに生まれた人なんていないんだから!」

一は覚悟を込めてうどんをすすります。
みさきも覚悟を決めてうどんをすすります。

そしてふたりは涙を浮かべて言います。

「からい」

そして3人で涙を流しました。
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