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05 もうひとりのあなた
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しおりを挟む「初めて??」
「うん。
私、生まれてからずっと病院暮らしだったから……」
「そっか……」
夕と同じだ。
夕も、生まれてからずっと病院暮らしだった。
夕の事を考えると、また目頭が熱くなった。
「え?
なに?私、ダメな事言っちゃった?」
「うんん……
ちょっと、夕の事を思い出しちゃって……」
「そう……」
優さんは、俺の体を強く抱きしめた。
「昔ね、お母さんに教えてもらったんだ。」
「え?」
「悲しい時、こうやって抱きしめてもらうと気分が楽になるって……」
「ありがとう」
「うんん
草薙君の為なら、私はなんでもするからね……」
優さんは、クスリと笑い俺の頭を撫でた。
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「安心する?」
「うん」
暖かい。
そして、良い匂い。
「草薙君、物凄くドキドキしてる?」
「え?」
女の子にこんなことされて、ドキドキしない男が居るのか?
いや、全国どこを探しても!
いるのかな?
全国どこでも探したら一人や二人居ると思う。
あの、モテモテの上島君ですら恥ずかしくて逃げているんだから……
「顔、真っ赤だよ」
「うん」
優さんは、クスリと笑った。
優さんが、話すたびに息が耳にかかってくすぐったい。
なんだろう……
この気持ちは……
「今日は、遊びに来てくれたの?」
「迷惑かなって思って、遊びに行くかどうか迷っていた所」
「迷惑なんかじゃないよ。
私的には、毎日会いたいもん」
優さんは、耳を赤くしてそう言った。
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