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05 もうひとりのあなた
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しおりを挟む俺は、今日始めて出会った人と一緒に泣いた。
なんだろう……
本当に、初めて会った気がしないんだ。
部屋をノックする音が聞こえた。
俺達は、振り向くと、看護師さんが苦笑いを浮べていた。
「そろそろ面会時間終了ですよ」
「あ、すみません」
俺は、椅子から立ち上がった。
すると、優さんが、俺の服をつかんだ。
「え?」
「また、来てくれますか?」
「来ても良いのですか?」
「私、友達とかいないから……」
「そっか……」
優さんは、俺の顔を切なそうに見た。
俺は、ためらわずに頷いた。
「うん。
また来る」
「ありがとう」
優さんはニッコリと笑った。
やっぱり、優さんは、夕に似ている。
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