Double“you”

03 出会い

52

俺は、足早に噴水前に向かった。
すると、そこには、女の子が一人。
こちらを見つめていた。

女の子の名前は、夕。

俺が、好きな女の子だ。

夕は、優しく微笑むとゆっくりと近づき。
俺の体を抱きしめた。


「今は、いっぱい泣いていいよ……」


俺は、言われるままに涙を流した。
俺は、何をしているのだろう？
女の子の前で泣いてしまって……


かっこわるい……


そう思うと、自分が情けなくて情けなくて、さらに涙があふれてきた。


「俺、一人ぼっちになるのかな？」


俺は、何を聞いているんだ……


「私がいるよ。
　私がいるからね？」


夕は、そう言って俺の頭を撫でた。
なんだろう、暖かい。

俺は、夕の暖かさに甘えた。